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テーマ:アニメあれこれ(26383)
カテゴリ:★アニメ・本・映画
夏目友人帳 伍 第5話 「結んではいけない」☆前のお話は→ 第1話「変わらぬ姿」 第2話「悪戯な雨」 第3話「祓い屋からの手紙」 第4話「連鎖の陰」 地学教室の黒板に落書きを見つけた夏目。西村に消しておいたほうがいいんじゃないかと言ったが、西村には落書きは見えていなかった。 「たすけて...つれて...」落書きを読んでいるとチョークが転がって教室の外に気配を感じた。夏目は教室の外に出たが誰もいなかった。 そこにタキ(多軌)が通りがかった。 タキに地学教室の落書きの話をする。誰にも気づかれないものを見てしまうのは、やっぱり大変よねとタキ。実は家にも最近、妖怪が現れたのと言った。タキは妖怪が見えないんだろうと夏目が言うとタキは話した。 一週間ぐらい前、家の中で気配を感じ始めた。何かが駆け回るような音や、転んだような音がしたり。そのうち夢で声がしはじめた。 ちゃんと聞き取れなかったが、誰かを呼ぶような探すような悲痛な声だった気がして、迂闊なことをしたくはなかったけれど、もしかしたら妖怪がまた祖父のことで困っているんじゃないかと思った。 思い切って祖父が残した妖怪が見える陣を使ってみた。 誰かいますかと呼びかけると妖怪が現れた。私が見えるのかと言う妖怪は大きくて怖かったが、落ち着かなきゃと思った。妖怪は、もし私の声が聞こえるなら助けてほしいと言った。 「すまん、人の子。脅かす気はない」とモサモサした妖怪(以下、モサ妖怪)近道をしようとしたのだが、この屋敷から出られなくなってしまったと言った。 祖父が生前、お札とかいろいろ貼っちゃったから。タキはお札や術のことを調べて地図を書いた。 うまく出られるといいけどと地図を渡すと、ちゃんと出ることができたならば、証として門の前に花の枝を置いてしらせようとモサ妖怪は言った。 玄関に梅の花が置いてあった。 タキ:「私、うれしくて。あの陣で誰かを助けることもあるんだって」 夏目:「よかったな」 夏目:『ああ、タキはまだ信じているんだ。異形との交流が恐ろしいものばかりではないということを。それは確かにそうなんだ。けれど...』 カニ缶を持ったニャンコ先生が来て、この缶詰を開けてくれと夏目に言う。つるふか先生が大好きなタキに抱きつかれた。 カニ缶を食べて大満足のニャンコ先生。そういえば、あの小娘から妖者の匂いがしたぞと夏目に言った。タキは陣で妖者を助けてやったから、その時の匂いじゃないかなと夏目はニャンコ先生に話す。 どうだかな~とニャンコ先生。 先生:「あれはまだ新しい匂いだった。そいつはまだ出て行ってないんじゃないのか」 タキの家に行こうと夏目。あの陣が禁術かもしれないということも伝えておかなきゃ。 夏目はタキの家を訪ねる。 突然ごめんな。少し気になることがあってと夏目は言うと、夏目くんのお知り合い? 綺麗な人ねとタキ。 先生:「わからんか小娘。ニャンコ先生だ」 先生:「男ひとりでおしかけるのも周りの目があればお前に悪いとこいつが気にするものだからな。しかもこれなら、お前も抱きつくまい」 タキ:「先生のいじわる」 おじいさんの陣のことで話がと夏目が言いかけるとニャンコ先生が言った。 先生:「おい、タキ。汁粉の礼に忠告してやる。お前のじいさんの陣、どうやら禁術と呼ばれているものらしい。と言っても祓い屋という連中の中での話だが、やつらに知られたらいろいろ面倒だ。そんなものはサッサと手放すか捨ててしまったほうが後腐れがないぞ」 タキ:「祖父の陣が禁術...」 天井に気配を感じる夏目。出て行った妖怪ってどんなだったかと聞くと、大きくて、ちょっとモサモサしててとタキ。やっぱり学校のあいつがそれかと夏目は思った。 再び気配がして、上だなとニャンコ先生。夏目はタキに、この家の中にまだ妖怪の気配があるんだと言った。3人で家の中を探す。 ニャンコ先生が見つけて斑になって捕まえた。小さいネズミのような妖怪だった。学校のと違う。夏目はタキに下がっていたほうがいいと言った。 小さい妖怪は放せと斑に噛みついた。怒って追いかけまわす斑。小さい妖怪は夏目の肩に逃げた。夏目が、やめろ先生とパンチ。 斑はニャンコ先生に戻った。 家の怪しい気配というのは、今そこにいる妖だったのかしらと言うタキだが、やっぱり妖怪は見えない。 夏目が小さい妖怪に、ここで何をしているんだと聞いた。 小妖怪:「私はご覧の通り旅兎。友人とふたりで食っては寝、食っては寝の旅をしていたのだ」 夏目:「えっ、ウサギなのか。ネズミに見えるぞ」 小妖怪:「アホめ、無知め。ネズミがウサギかは尻尾を見ればわかるだろう」 夏目:「ああ、かわいい」 タキ:「えっ、なになに、何がかわいいの?」 夏目:「ああ、えっと、この妖はネズミみたいだけど本当はウサギで...」 *小さいネズミみたいな妖怪は旅兎で、名前はアワユキ。捜している友だちはタケミツ。以下、旅兎と表記します。 集中して聞かぬか人の子と言うと旅兎は話した。友人とこのあたりを通ったときに、でかいモサモサの妖がこの家に入って行くのが見えた。旅兎も入ってみると、見えぬ壁や曲がれぬ廊下などで友人とはぐれてしまった。それからずっと友を捜し続けている。 タキが夢で聞いた誰かを捜すような声はこの妖のほうかと思った夏目が、友だちはどんな妖なんだとたずねると、私と同じ旅兎だと言った。つまり、この家にモサ妖とウサギ一組が入って迷子になったということか。 夏目:「じゃあ、その友人ウサギを見つけたら、ここから出て行くんだな」 旅兎:「もちろんだ。誰が好き好んで人間などのそばにいたがるものか。ましてや人間のくせに術を使うなど、ろくなやつではない」 タキ:「夏目くん、大丈夫? 妖は何て?」 夏目:「友だちを見つけたら出て行くって言ってるよ」 タキ:「ウサギさん、妙な家でごめんなさい。お友だちはきっと捜すから、もう少しだけ我慢しててね」 先生も力を貸してね。お礼は必ずしますとタキ。お前は話が早いなとニャンコ先生は喜んだ。 それにしても学校にいたあいつは何を? そのモサ妖はどうしたか知らないかと夏目が旅兎にたずねると、そういえば、ときどき戻ってきては窓から中を見ていると旅兎は言った。 ちょうどその窓だと旅兎は指差す。 夏目:「梅の花?こんな季節に?」 タキ:「それが妖が置いて行ってくれた花の枝なの。きれいでしょう」 夏目:「うん」 タキ:「長く持ってるほうだと思うんだけど、もうすぐ散ってしまいそうで。せっかく妖が出会えた証を残してくれたのに。ちょっと寂しい」 窓の外に妖怪がいることに気づいた夏目は、タキに窓から離れるように言うと外に出た。 モサ妖怪が窓から中を覗いていた。お前はタキに家から出してもらえた妖だろうと言うと妖は去ろうとした。 夏目は妖を捕まえて、待て、なぜまだタキのまわりをうろついているんだと言った。 黒板の文字もお前だろう。迷ったとか連れてとか、あれはどういう意味だと夏目が言うと、お前、あれを読んだのかと夏目に向かってきた。 小僧、お前あれを読んだのかと夏目に手を伸ばすモサ妖怪。 モサ:「あれを人の子に読まれてしまったのか。情けない、情けない」 夏目:「あれは何なんですか」 モサ:「おまえも、真っ直ぐ私の目を覗くのだな」 こうして話を聞いてくれる者が現れたのも何かの縁かとモサ妖怪。これから話すことは内緒だぞ小僧と言い、夏目がそれはまだ約束できないと言いかけたが話し始めた。 (モサ妖怪) 「ずっと北にある古木に住んでいたが人に伐られてしまった。どんなに恨み言を叫んでも誰ひとり気づかない。住んでいた古木の対となる木が南の山にあり、そこならまだ住めるかもしれんと向かったのだが、途中、横切ろうとしたこの家から出られなくなった」 「腹立たしく私の心は荒れたが、誰かいますかという声がした。不思議な術を使う不思議な小娘だった。震えていたのに助けてほしいと言ったら...初めて人の目を見た。それは、とても、とても...」 先生:「いつまでそんなのと話している。サッサとウサ公を見つけて帰るぞ」 モサ:「ん?なんだあの毛糸玉のような生き物は。ウサ公とは?」 あなたに付いてこの家に2匹妖が迷い込んで、タキが心配するから出してやりたいんですと夏目が言うと、ちょうどよい手伝おうとモサ妖怪。出してもらった礼ができないかと娘の様子をうかがっていたのだと言った。 夏目くん大丈夫とタキが中から呼ぶ。もう大丈夫だと夏目は言い、ここにいる妖はと話そうとするとモサ妖怪が夏目の口を塞いで、小僧、黙ってろ。余計なことを言うならこの首へし折るぞと言った。 モサ妖怪は、行けるところは限られるが幸い小娘にもらった地図があると言うと歩き出した。 夏目:『あの妖、まるで...』 妖が迷い込んでいそうなところを捜せばいいのねとタキ。夏目がタキは見えないしと言ったが、元はと言えばこの家に掛かっている術のせいだから手伝うと言った。 屋敷の中をみんなで捜すがなかなか見つからない。それにしても広い。 缶の縁に引っかけて指をケガしたタキ。大丈夫よと言ったが、 夏目:「ダメだ、洗って消毒して来い」 旅兎:「そうだぞ、人は驚くほど弱いと聞く。さっさと傷を清めて来い」 先生:「アホ、騒いでもお前の声はこいつには聞こえんぞ」 夏目:「ウサギ1号も傷を洗ってこいってさ」 タキ:「うん、ありがとう。すぐ戻るね」 タキのやつめ、禁術のことやじいさんのことで責任を感じているようだなとニャンコ先生が言った。 この先は行けなかったのにお前と一緒なら行けるのだなと夏目の肩に乗った旅兎。お前らが客として入っているからくっ付いていれば移動可能な場所が増えるようだと言った。 夏目:「そんなことが作用するのか。すごいなタキのおじいさん」 旅兎:「迷惑な。しかしそれだけこの術の主は守りたいという気持ちが強かったのかもしれんな」 旅兎:「術とは本来、自分のありのままでは補えないところに手を届かせてしまう。一方では薬になっても一方には毒になることもあるのだ」 モサ妖怪が夏目を呼ぶ声がした。行ってみるとさっきまでなかったところに戸があった。術で隠れていたのだろう。壁を探っていたら出てきたとモサ妖怪は言った。 みんなで戸を開ける。扉が動いた。タケミツはいるかと旅兎が呼びかけると、アワユキか?の声。タキ、いたぞと夏目が叫ぶ。 兎2:「アワユキ無事か。よかった」 兎1:「タケミツすまんかった。私が、人の家とはどういうものか知りもしないのに近づいてしまった。すまんタケミツ」 兎1:「この者たちがお前を捜すのを手伝ってくれたのだ。この家の娘も」 兎2:「なんと人の子が」 兎1:「もう人のことは嫌いではない。でももう二度と近づかぬ。友に危険が及ぶぐらいなら」 モサ妖怪が旅兎二匹をつまむと、これらは私が連れて出ようと言った。タキがまだ来ていないから待ってくれと夏目が言うと、あの娘が来たところでどうせ我らは見えまいと言った。 夏目:「見えてなくても別れ際ぐらい」 モサ:「見えぬ相手にはいないも同然。もともと結ぶだけ無意味な縁なのだ。そういうことは見えるお前が一番よくわかっているだろう」 それはと俯く夏目にモサ妖怪は、先ほどチラリと話していた禁術とはあの陣のことかと言った。 (モサ妖怪) 「禁じたやつは正しいな。禁じたやつは優しいのだな」 「だって私は、あの陣に入り、初めて人の目を見てしまってから、あの子の目を見てしまったからは、なぜか無性にこの地を離れがたく...」 「しかし、この地に残っても妙な寂しさはつのるばかりで...」 夏目くん、見つかったのとタキの声。去ろうとするモサ妖怪に、せめて伝言はと夏目が言うと、お前に頼みがあると言った。 モサ:「伝える気は毛頭なかったが、あまりに気持ちが溢れるので書きなぐってしまった。もしお前があれを読めてしまうことがあっても、どうかあれだけは、どうか内緒にしてくれ」 風が吹いて妖たちは去った。倒れた夏目に駆け寄るタキ。去り際の妖気に当てられただけだから心配ないとニャンコ先生が言った。 夏目:『ああ、タキ。小さいけれどまだ聞こえるんだ。ウサギたちが、あの妖が、さようならって言ってるんだ。ありがとうって言ったんだ。タキにも聞かせてやりたいのに、俺にばっかり聞こえるんだ』 タキ:「そうか、よかった。じゃあウサギさんたちはちゃんと出られたのね」 夏目:「ああ」 タキ:「陣に現れたあの妖も手伝ってくれたなんて」 タキ:「ありがとう夏目くん。危険なものであるとしても、やっぱりおじいちゃんの陣は私の宝物だわ」 夏目:「ああ、そうだな」 地学教室の黒板を見る夏目。 『迷った私を助けてくれた。連れて行きたい、叶うならば。美しき山を、美しき谷を、共に見たいと思ってしまった』 『この気持ちを人は何と呼ぶのだろうか』 夏目:『それは...それは、まるで...』 ☆次回 「音無しの谷」 【感想】 恋だね( *´艸`) 多軌は優しくてカワイイね。モサモサした妖怪も旅兎たちもいい妖怪だった。 優しくて切なくて、でも心があったかくなる、いいお話でした。 茜さす/everlasting snow (初回限定盤A CD+DVD) [ Aimer ] 夏目友人帳 21 [ 緑川ゆき ] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2016.11.06 22:02:47
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