ブログを作る※無料・簡単アフィリ    ブログトップ | 楽天市場
309447 ランダム
桜井ジャーナル:マスコミが報道し… (そのほか)楽天ブログ 【ケータイで見る】 【ログイン】
桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    
ホーム 日記 プロフィール オークション 掲示板 ブックマーク お買い物一覧

調査ジャーナリスト=桜井春彦 三一書房創立60周年記念出版 唯一の超大国の行なってきた戦後の秘密破壊工作の実態を具体的に検証する巨編。「読書人」「共同通信」など各誌賞賛。自分のいる足場に深淵がひらくような衝撃にみちる一冊。CIA、キッシンジャー、ダレス、ウォール街、ブッシュ一族…政治経済の癒着と「国家テロ」の意味を洞察する。権力と対峙するリスクを冒そうとしない研究者、メディアには絶対に書けない著者渾身の力作。イラクでは地獄の門を叩き「大本営発表」を連発、国内では監視システムを強めて民主主義を封殺。すでにあの輝けるアメリカには「自由と民主主義」はない。進行中の「テロ対策を口実としたファシズム化」戦略が明らかに。付録としてキューバ侵攻作戦の「機密文書」収録、秘密破壊工作に関する全事項と関係者をインデックス化。人物ダイヤグラムも多数。

著者の新作。米―イラン問題を描破する。

桜井春彦のリリースする最新情報。インタヴューコラム。ネット社会、イデオロギー問題を語る。

【非公式情報】 戦争・テロ・政治・経済・犯罪… 『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』著者の最新ニュース  三一書房 presents 禁無断転載  [全287件]

サイバー戦争は1970年代から始まっている
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 アメリカ政府や韓国政府のコンピュータがサイバー攻撃された。ターゲットの中には、ホワイトハウス、国防総省、ニューヨーク証券取引所、NSA(国家安全保障局)、国土安全保障省、国務省、Nasdaq、ワシントン・ポスト紙などが含まれている。韓国政府は朝鮮、あるいは同国を支持するグループが実行したと言っているが、発信源を特定することは難しく、現段階では断定するだけの証拠は明らかになっていない。

 その一方、イスラエルがイランのネットワークにハッキングしているとする情報も流れている。イランの核プログラムに関する情報を集めると同時にサイバー攻撃を仕掛けているというのだ。

 イスラエルは1980年代の前半からトラップドアなどを組み込んだソフトをダミー会社経由で各国政府や国際機関に売却、自動的に情報を入手する仕組みを作り上げてきた。この工作は、INSLAWというアメリカの会社が開発したシステム「PROMIS」の横領事件で広く知られるようになった。

 このシステムは情報の収集と分析を行うために開発されたのだが、非常に優秀で、日本の法務省も1979年には注目して会社側に接触している。

 INSLAWはアメリカの司法省と仕事をしていたのだが、ロナルド・レーガン政権になると司法省から嫌がらせを受け、倒産に追い込まれてしまう。会社側は司法省がPROMISを横領したと裁判に訴え、破産裁判所と連邦地裁は会社側の主張を認め、下院の司法委員会も両裁判所が出した判決と同じ内容の報告書を公表している。つまり、司法省が民間企業の開発した商品を横領したということを判事が認めたということだ。

 この判決は最終的に最高裁でひっくり返されているが、そのソフトがアメリカとイスラエルの情報機関へ別々に流れ、それぞれがトラップドアを組み込んだというのだ。イスラエル側でそのソフトを売っていた人物が「ミラー・グループ」の発行人だったロバート・マクスウェル。ヨルダン政府にも売り込み、同政府が集めていたパレスチナ人に関する情報をイスラエル政府は居ながらにして入手することができた。勿論、治安対策/弾圧に有効だった。

 1970年代からアメリカの電子情報機関NSAやイギリスのGCHQは地球規模の通信傍受システムECHELONを築いてきたが、コンピュータ技術の進歩でECHELONの能力も飛躍的に向上、例えば、ECHELONで情報を収集してPROMISで記録と分析ということができるようになった。

 1990年代に入るとアメリカとイギリス(UKUSA)による情報支配が世界的な問題になるのだが、日本のマスコミは取り上げようとしない。個人的な体験で恐縮だが、一般に「左翼」と見られている記者/編集者も、この問題に触れようとしなかった。結局、記事を取り上げてくれたのは「軍事研究」(2001年2月号)だ。

 この問題は拙著『テロ帝国アメリカは21世紀に耐えられない』(三一書房)でも詳しく説明しているので、是非ご覧ください。(2009.07.09)



Last updated 2009/07/10 1:07:23 PM


イスラエルのイラン攻撃に米大統領は反対
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 イスラエルに対してイラン攻撃の「青信号」をアメリカ政府が出したとする見方をバラク・オバマ米大統領は明確に否定した。5日にジョー・バイデン米副大統領がアメリカのネットワーク局ABCの番組の中で、イスラエルのイラン攻撃を止めないと語ったことから、そのように解釈する人が出てきていた。

 物事を単純化し、「アメリカはユダヤ人に支配されている」という「公式」を自動的に当てはめて何かを理解したかのように錯覚する人もいるようだが、これはネオコンの思うつぼだ。現実はもっと複雑である。親イスラエル派に従えばアメリカのエリートたちに喜ばれると思っている人間が日本の政界やマスコミにいるようだが、根本的に間違っているということだ。

 ラーム・エマニュエル大統領主席補佐官やヒラリー・クリントン国務長官のような親イスラエル派がオバマ政権の内部に存在していることは確かだが、1980年代から親イスラエル派と対立してきたロバート・ゲーツ国防長官やブッシュ・ジュニア政権の「中国脅威論」を太平洋軍司令官の立場から公然と否定したデニス・ブレア国家情報長官、イラク攻撃に軍人として反対したエリック・シンセキ退役軍人長官なども配置されている。

 親イスラエル派は「ネオコン(新保守)」と「シアコン(神保守)」を柱にしているのに対し、ゲーツたちはアメリカを拠点とする勢力で、いわば「旧保守」である。彼らも決して平和的なグループではないのだが、アメリカという国家を崩壊させるような政策には反対する。ベトナム戦争を経験し、戦後の戦争は儲からない、つまり領土を拡大できず、財宝を略奪できず、賠償金も手にできないことを悟り、「デタント(緊張緩和)」に舵を切った人たちも出てきた。ネオコンが「第2次朝鮮戦争」を始めようとしたとき、東アジアに多額の投資をしている旧保守は止めさせている。

 日本には戦争が大好きでネオコンに惹かれる人が少なくないようだが、希望的観測から決めてかかるべきではない。戦争好きな人の多くは「儲かる」と信じている。それで、不景気になると戦争待望論が出てくる。

 考えてみると、明治以降、日本の輸送は東海道、つまり太平洋のすぐそばを通る道路や鉄道が中心になっている。日本海の沿岸には原子力発電所が乱立している。日本が攻撃されると考えれば、ありえないことだ。他国が戦場になるだけで、自分たちは戦争の被害を受けないと思っているとしか考えらえない。「防衛戦争」は想定していないのだろう。
第2次世界大戦を経験した人々は違うだろうが、「戦争を知らずに育った」世代で想像力のない人たちは、他国に攻め込むことで頭がいっぱいのようだ。

 ところで、中央アジアの混乱は中国の西部、新疆ウイグル自治区へも波及、最近ではウイグル族と漢族が衝突して多くの死者が出たと言われている。自治区の西にはカザフスタンがあり、そのカザフスタンを含め、カスピ海周辺は世界有数の油断地帯である。地政学的な意味も含め、中国政府としては手放したくない地域だろう。

 別の民族が住む地域を支配しようとする場合、自分たちに近い民族を移住させようとすることはよくあるが、土地を奪われる形になる先住民が怒るのは当然のことだ。新疆ウイグル自治区でも以前から不満は爆発寸前で、北京オリンピックのときには同地区からきていた人たちは北京から追い出されている。アメリカ、イスラエル、ドイツ、クロアチアなどの場合、邪魔な民族を大量殺戮したが、そうしたことのできる時代ではなく、できてもするべきではない。

 さて、新疆ウイグル自治区と関係が深いカザフスタン、そしてイラクのクルド人が居住している地域で親イスラエル派の大物、リチャード・パールは石油ビジネスを展開しようとしていると報道されている。

 パールが休暇をともに過ごすほど親しいアレキサンダー・ミルチェフはワシントンを拠点とするコンサルタントで、カザフスタン政府の顧問を務めている。この話が正しいかどうかは不明だが、注目しておく必要はある。(2009.07.08)



Last updated 2009/07/10 1:02:24 PM

2009/07/06

今度は米副大統領のイラン発言
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 ジョー・バイデン米副大統領はアメリカのネットワーク局ABCが5日に放送した番組の中で、イスラエルのイラン攻撃を止めないと発言した。主権国家が自らの安全に関して決めたことに口出しはしないということのようだが、この発言をイラン攻撃の「青信号」だと解釈するのか、イスラエルを突き放したのだと解釈するのかは微妙なところ。アメリカが積極的に動くことはないというようには聞こえるが。

 先月4日、バラク・オバマ大統領はカイロでの演説でイスラム諸国との新たな関係を築く意志を示したのだが、障害は多い。まず、イスラエル。この国は和平に興味がなく、アメリカ政府の意向を無視して入植活動を継続し、国連が行っているガザ攻撃における「戦争犯罪」の調査にも背を向けている。イランでは大統領選挙の結果が出た後、「改革派」のホセイン・ムサビ候補の支持者が選挙に不正があったと主張して抗議活動を始め、混乱している。アメリカ政府としてもイランと話し合うことは難しい状況だ。

 本コラムでは何度も指摘しているが、投票の3週間前にアメリカのNPO「TFT(恐怖のない明日)」が調査を行い、ダブルスコア以上の差でマフムード・アフマディネジャド大統領が圧勝するという結果が出ていた。発表された投票結果では、その世論調査よりも差は縮まっていたが、ほぼ調査通りの結果だった。結果を左右するような不正があったとは言えない。当初は反アフマディネジャドで威勢の良かったイギリスのメディアも、この調査の存在が伝えられると直ぐにトーンダウンしている。

 本当に自分たちが勝ったとホセイン・ムサビ候補や支持者は信じていたのか、信じた振りをしていたのかは不明だが、もし信じていたとするならば、誰かに騙された可能性が出てくる。騙されたのならば誰が騙したのか?信じた振りをしたのならば、目的は何なのか?

 ムサビ陣営を騙す可能性があるのは、アフマディネジャド陣営かイスラエルだろう。国内を緊張状態にしておいた方が統治しやすいと考えても不思議ではない。また、イラン攻撃を実現したいイスラエルや親イスラエル派にとってもイランの混乱は好都合だ。

 実際、イランの混乱を口実にしてアメリカ議会の親イスラエル派は、イランを攻撃するべきだと発言し、オバマ大統領に圧力を加えている。
イスラエル、あるいは親イスラエル派にとってムサビ派の行動は願ってもないことだった。混乱を収拾するためにイラン政府が強権を発動してくれれば、さらにありがたいだろう。

 その一方、アメリカ政府にはイラン攻撃を避けたいと思っている人たちが少なくない。ロバート・ゲーツ国防長官はイラン攻撃がイスラム世界に「聖戦世代」を作り出し、孫の世代にはアメリカが戦場になると発言していると伝えられているが、これまでに行った彼の言動から判断して、信憑性はある。オバマもゲーツもイラン攻撃には反対している。

 しかし、ホワイトハウスの中にも親イスラエル派は存在し、イラン攻撃にも前向きな姿勢を示している。例えば、先月7日、大統領がカイロで演説していた頃、ヒラリー・クリントン国務長官はABCの番組で、イスラエルを攻撃したらアメリカが報復すると発言、イランに対する先制攻撃にも言及した。大統領と国務長官が「同床異夢」だということは明らかだ。

 イラン攻撃にはサウジ・アラビアも賛成しているとする報道もあるが、実際に攻撃があれば、サウジ・アラビアの国内で反乱が起きて王制が倒れるような事態に発展する可能性も出てくる。親米独裁国家の支配者の思惑とは関係なく、一般民衆がイスラエルに対する報復攻撃を始めることも考えられるのだが、そうなったとき、アメリカは主権国家としてのイランに対し、イスラエルに代わって報復攻撃するのだろうか?
(2009.7.5)



Last updated 2009/07/06 1:15:29 PM

2009/06/30

ホンジュラスのクーデターに「暗殺者学校」の卒業生
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 6月28日の早朝、100名とも200名とも言われるクーデター軍の兵士がマニュエル・セラヤ大統領の住宅を襲撃、そこで大統領を拉致し、コスタリカまで連れ去った。この襲撃からホンジュラスの軍事クーデターは始まった。その際、銃撃があったとも伝えられている。

 実は、このクーデターに少なくとも2名のSOA(The School of the Americas)卒業生が中枢メンバーとして活動している。
SOAとは、1946年にパナマで創設されて以来、ラテン・アメリカに多くの軍事政権を生み出し、民主的なプロセスで誕生した政権を破壊し、この地域を不安定化してきたアメリカの学校。

 この学校で教えている内容は反乱鎮圧、狙撃訓練、ゲリラ戦、心理戦、情報活動、尋問テクニックなど。そうした訓練を生かし、卒業生は帰国してから反体制派、つまり巨大企業のカネ儲けに邪魔な人々を迫害、排除するために、拷問、レイプ、暗殺、誘拐、虐殺などを繰り返してきた。そこでSOAは「School of Assassins(暗殺者学校)」とも呼ばれている。

 あまりに悪名が高くなったこともあり、1984年にパナマから追い出され、2001年には名称がWHISEC(Western Hemisphere Institute for Security Cooperation)へ変更された。

 これまでにラテン・アメリカ各国から約6万人にのぼる軍人を受け入れ、訓練してきたのだが、その中には、ロメロ・バスケス将軍とルイス・ハビエル・プリンセ・スアソ将軍も含まれているのだ。バスケスは1976年と1984年、ソアソは1996年に在籍している。

 さすがにクーデターを正面切って支持する政府は存在しないようだが、バスケス将軍たちが単独で実行したとも思えない。バラク・オバマ米大統領の政策に反対しているアメリカの勢力、あるいはアメリカ以外の国が関係している可能性は極めて高い。

 ホンジュラスはアメリカの情報機関が秘密工作の拠点に使ってきた国で、ラテン・アメリカがアメリカから自立しつつある現在、この国を奪還する意味は大きい。ニカラグアの革命政府を倒すため、軍事政権の兵士を集めて創設したゲリラ「コントラ」を支援する工作でもホンジュラスは重要な役割を演じ、アメリカだけでなくイスラエルも同国ルートで器をコントラに渡していた。

 しかし、このクーデターが将軍たちの思惑通りに進むかどうかは即断できない。少なくとも表面上はクーデターを支持する国は存在せず、大統領を支持する人々がクーデターに抗議する活動を始めている。「選挙の結果が気にくわない」というイランのデモとは質的に大きな違いがある。

 ホンジュラスとイランの政変には共通項がある。アメリカ的な経済システムで豊かな生活を送れるようになった、あるいはなれそうな人々が、貧困階級に目を向ける大統領を排除しようとしてるということだ。



Last updated 2009/06/30 0:27:08 PM

2009/06/29

イランでの英大使館員逮捕、ホンジュラスのクーデター、そしてガザでの戦争犯罪
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 イランで8名以上のイギリス大使館員が逮捕された。大統領選挙後に「改革派」と呼ばれるホセイン・ムサビやその支持者が投票の無効を訴えて大規模な抗議活動を続けていたが、その背後でイギリスが干渉しているとイラン政府は非難、すでに2名の外交官を国外に追
放している。

 本コラムでは何度か指摘しているので食傷気味かもしれないが、シーモア・ハーシュ記者によると、2006年の時点でアメリカはイラン領内で秘密工作を活発化させるだけでなくイラン空爆を検討、2007年の段階では秘密工作を実行していたCIAやJSOC(統合特殊作戦司令部)がMEK(ムジャヒディン・ハルク/英語流の表記ではMujahidin-e-Khalq)やクルドの分離独立派と協力していたと報告している。2007年には、イランを混乱させるためにアメリカが「テロ・グループ」に資金を提供しているとイギリスのテレグラフ紙も伝えていた。アメリカ以外にもイスラエルが活動しているとする情報もある。

 MEKは「左翼」と見なされている組織で、1965年から王制打倒を目指して活動していたのだが、1979年の革命でイスラム勢力に負けた形になっている。その後、アメリカ、カナダ、イラク、イランなどから「テロリスト」だと呼ばれるようになるのだが、今では「自由の戦士」のようだ。

 こうした事情がありながら、イギリスが攻撃されている一つの理由は、アメリカで秘密工作を実行しているのはネオコン(親イスラエル派)であり、イランとの関係改善に前向きなバラク・オバマ米大統領を敵に回したくないのだろう。そもそも、外交関係がまだ回復していないが。

 そうしたとき、中米のホンジュラスで軍事クーデターがあり、大統領がコスタリカへ拉致された。大統領が再選できるように憲法を変えるため、国民投票を強行しようとしたことに軍部が反発したとされているが、それだけでは説明しきれない点がある。アメリカ政府はクーデターに反対したとされているのだが、この報道が正しいならば、かなり異常な事態である。アメリカ政府の意向を無視してでもクーデターを実行しなければならない事情があったということだ。

 一つの可能性は、ネオコンの意向である。2001年のベネズエラでのクーデター未遂では、ネオコンのエリオット・エイブラムズ、キューバ系のオットー・ライク、元ホンジュラス駐在大使のジョン・ネグロポンテが黒幕と指摘されていた。ネグロポンテが大使だった時代にホンジュラスでは「死の部隊」が「反体制派狩り」を盛んに行っていたことは有名だ。

 ホンジュラスのクーデターにオバマ政権が介入しようとすれば、おそらくネオコンはイランにも介入しろと主張するはずで、イランの体制を「チェンジ」したい勢力にとって、ホンジュラスのクーデターは好都合だと言えるだろう。

 その一方、国連はガザでの「戦争犯罪」に関する公聴会を行っている。イスラエル政府が「まな板」に乗せられている。イスラエルと親イスラエル派にとって、今は正念場のようだ。




Last updated 2009/06/29 0:18:04 PM

2009/06/25

イラン情勢で日本のマスコミが語らない事実
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 何か大きな出来事が起こったとき「何が語られていないか」は、重要な情報のひとつである。先入観や思い込み、あるいは希望的観測のため、目の前で起こっている事実に気づかないこともあるし、自分たちにとって不都合な事実を意図的に隠すこともある。語られない事実の中に本質が隠されていることは少なくない。

 現在、イランでは「改革派」と呼ばれる勢力が「保守派」とされる現職の大統領を攻撃する示威行動を続けているのだが、「改革」というラベルには良いイメージがない。かつて、小泉純一郎も「改革」を叫んでいたが、結局のところ、庶民階級から富を徹底的に搾り取るシステムを導入しただけだったからだ。今でも「小泉改革」を支持している日本人は少ないだろうが、イランでも似たようなことが起こっていると指摘する人もいる。

 投票の3週間前にイラン国民の選挙に関する意識を調査した報告書で、「改革派」は決して多数派からは支持されていなかった。その報告書を作成したのは「TFT(恐怖のない明日)」。あれぼど激しくイランのマフムード・アフマディネジャド大統領を攻撃していたイ
ギリスのメディアも、TFTの調査結果を伝えざるをえなくなっているのだが、日本のマスコミはまだ無視しているようだ。

 何しろ、イスラエル、日本、イギリス、アメリカなどに嫌われているアフマディネジャドがライバルのホセイン・ムサビをダブル・スコアでリードしていたとTFTは報告しているわけで、取り上げたくないのだろう。「改革派」は「善玉」で、「国民」から支持されているという自分たちのシナリオに反する情報は受け入れられないわけだ。小泉の「改革」を支援、「郵政民営化」は絶対的に正しいと叫んでいた日本のマスコミはイランでも似たようなことをしている。

 このTFTはアメリカのワシントンDCを拠点とするNPO(非営利団体)で、アメリカでは政府やメディアから一目置かれている存在であり、その調査結果を否定することは難しい。選挙で不正があったことを示す事実が出ているようだが、それでもTFTの報告書を否定はできないのだ。逆に、アフマディネジャド大統領としては、投票結果を操作する必要はなかったわけで、明らかになった不正に大統領が絡んでいた可能性は低いという見方も成り立つ。

 ジョージ・W・ブッシュ大統領の要請を受け、アメリカ議会がイランでの秘密工作をエスカレートさせることを認めたのは2007年の終わり頃だった。調査ジャーナリストのシーモア・ハーシュによると、秘密工作の中心になっていたのはCIAやJSOC(統合特殊作戦司令部)で、イランのMEK(ムジャヒディン・ハルク)やクルドの分離独立派と協力関係にある。

 かつて、MEKをアメリカ政府は「テロリスト」に分類していたのだが、状況が変われば「自由の戦士」になるようだ。この逆がアル・カイダだった。イギリスのテレグラフ紙は2007年2月25日付けの紙面で、イランを混乱させるため、アメリカが「テロ・グループ」に資金を提供していると伝えている。

 さらにその前、ニューヨーカー誌の2006年4月17日号に掲載されたハーシュ記者の記事によると、この時点でアメリカはイラン領内での秘密工作を活発化、イラン空爆を検討していた。つまり、この時点からアメリカやイスラエルはイランに戦争を仕掛けているわけだ。

 イランの庶民階級にとって、「改革派」の経済政策は好ましいものでなかった。しかもアメリカやイスラエルとの見えない戦争が続いている。こうした実態を理解しなければ、庶民階級がアフマディネジャドを支持した理由はわからないだろう。が、こうした背景を日本のマスコミは語ろうとしない。(09.06.23)



Last updated 2009/06/25 10:49:19 AM

2009/06/22

エルサレム・ポストがイランの混乱で果たした役割
[ パワーポリティックス非公式情報 ]  

 イランで大統領選挙の投票が終わってから始まった混乱に不可解な点があることを本コラムでは何度か指摘してきた。投票の3週間前に実施されたアメリカのNPO「TFT(恐怖のない明日)」の調査では、現職のマフムード・アフマディネジャドが「改革派」のホセイン・ムサビをダブル・スコアでリードしていた。これは発表された選挙結果に符合するのだが、マスコミは「誰もが接戦になると思っていた」と伝え、ムサビ陣営は自分たちが勝ったと主張して抗議活動を続けている。「誰も」が誰であり、彼らがそう思った根拠は語られないが。

 ムサビの支持者は「Twitter」と呼ばれる一種のコミュニケーション・ツールを利用して抗議活動を続けているとされているが、その切っ掛けを作ったのは「イランの学生」ではなく、イスラエルの「右翼系新聞」と言われているエルサレム・ポスト紙だという疑いが出てきた。

 つまり、選挙で不正があったと最初に書き込んだ数千の「tweet」や「retweet」を調べていくと、「#IranElection spam」の中心にいる一握りの人々、そしてエルサレム・ポスト紙の記事に行き着くのだ。Twitterアカウントも6月13日に作られ、大多数はペルシャ語ではなく、英語で書かれていた。

 ムサビ陣営は勿論、ムサビ候補が勝つことを願っていた。イランの選挙システムを信頼していたとも思えない。そうした心理状態のところへ「マッチ」を放り込めば、爆発しても不思議ではない。アメリカのネオコン(親イスラエル派)、例えばジョージ・パッカーやアンドリュー・サリバンなどは抗議活動を支援するべきだと主張、火の手が上がったイランにガソリンを撒こうとしている。

 今回の抗議活動を1979年の「イスラム革命」になぞらえる人もいるが、TFTの調査によると、今回はアフマディネジャドを支持するイラン人が多く、状況が違う。ムサビ陣営としては投票の再集計は望んでいないかもしれない。再集計で負けが明確になっては困るということだ。

 イランが不安定化している一方、イスラエル政府は入植問題でアメリカ政府と対立している。イスラエルではアラブ系住民が住宅の破壊や隔離壁などに抗議して平和的なデモを行っても暴力的に弾圧されているが、アメリカも日本もヨーロッパも気にしないようだ。戦争で最も残虐な戦術は兵糧攻めだとも言われているが、イスラエルがガザ地区で行っていることは、まさにそれ。

 そうしたイスラエルのアビグドール・リーバーマン外相は先日、「平和を望むなら戦争の準備をしろ」と演説、アラブ系住民を国外に追放し、アスワン・ダムを爆撃しろと言っているのだが、アメリカも日本もヨーロッパも、彼の発言を容認している。

 アフマディネジャドとリーバーマン、どちらが凶暴なのかは言うまでもないだろう。



Last updated 2009/06/22 0:43:12 PM

一覧

Powered By 楽天ブログは国内最大級の無料ブログサービスです。楽天・Infoseekと連動した豊富なコンテンツや簡単アフィリエイト機能、フォトアルバムも使えます。デザインも豊富・簡単カスタマイズが可能!

Copyright (c) 1997-2009 Rakuten, Inc. All Rights Reserved.