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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2007/09/25
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アメリカの「セキュリティー会社」、ブラックウォーターの傭兵が9月16日、西バグダッドでイラク市民を射殺した。犠牲者は11名とも28名とも、あるいはそれ以上とも言われている。アメリカ大使館や会社側は武装グループからの攻撃が先で、反撃しただけだと主張していたが、市民側に挑発的な行為が一切なかったことを示すビデオの存在が後に判明する。傭兵がいきなり市民に向かって銃撃していたのだ。このビデオをイラク当局は入手、ブラックウォーターの活動を許可するライセンスを無効にし、銃撃した傭兵を起訴する意向を示しているが、すんなりと事が進むかどうかは、わからない。

こうした民間武装会社はこれまで、アメリカの「統合軍」に所属すると主張、刑事裁判から逃れてきたのだが、その一方で軍隊の指揮系統とは関係なく活動、イラクでも法的な規制もなく動いてきたのが実態。活動内容が不透明なため、ベトナム戦争の「フェニックス・プログラム」のような極秘作戦を実行しているのではないかと疑う声も聞こえる。

会社に雇われている「兵士」の多くはアメリカ海軍のSEALs、陸軍のグリーン・ベレーなど特殊部隊の出身者で、実態は「民間特殊部隊」だ。チリで反体制派を大量殺戮した軍人たちもイラクに派遣されたことが明らかになっている。現在、「民間軍」は1200億ドル産業だと言われ、傭兵の日当は600ドルに達するという。

ブラックウォーターの創始者、エリック・プリンス自身もSEALsの出身で、熱心なキリスト教原理主義者としても知られている。姉妹のベッツィーが結婚した相手のディック・デボスは「アムウェイ」会社の創設者である。

この傭兵会社は重役も興味深い。何人かが「マルタ騎士団」のメンバーであることを吹聴しているのだ。この騎士団は1080年頃にエルサレムで創設された組織。第1回十字軍遠征が1096年なので、それよりも前と言うことになる。十字軍の性格上、イスラムを敵視していたはずである。

傭兵産業が急成長する切っ掛けになった事件がある。2004年3月31日にブラックウォーターの兵士4名が待ち伏せ攻撃で殺害されたのである。その伏線になったのは、この地区を担当するアメリカ軍の部隊が入れ替わったことにあると言われている。第82空挺師団から第1海兵遠征軍に交代したのだが、新しい司令官のジェームズ・マティス少将(当時)は激しい掃討作戦を展開、ファルージャは一触即発の状況になった。こうした中に軽武装で入る危険性をブラックウォーターの責任者は理解していたはずである。

4名が乗ったジープは攻撃され、殺された。その様子は武装グループによって撮影されていた。イラク人は、4名がCIAのために働いていたと主張する。少なくとも、そう信じていたのであろう。

しかし、待ち伏せ攻撃を目の当たりにしていたアメリカ軍は、ファルージャに入ろうとしなかった。その結果、切断され、黒こげになった4名の死体は長い間、放置されることになり、アメリカのメディアは「民間人」が虐殺されたと扇情的に報道した。そしてアメリカ軍による激しい攻撃が始まり、多くの市民が殺害される。

アメリカ軍の攻撃は始まる前にファルージャに入った人物がいた。ポール・ブレマー文民行政官の顧問、ジム・スティールだ。エンロンの元重役で、1980年代の半ばにはエルサルバドルで「死の部隊」を指導、訓練していた軍人でもある。同じ頃、ホンジュラスではジョン・ネグロポンテが大使として赴任、住民虐殺を少なくとも「黙認」していた。

ところで、今年の6月、アメリカ空軍はイラン攻撃の計画を練るため、「プロジェクト・チェックメイト」なるグループを設置したと伝えられている。イランをイラクのような戦場にしようとする動きが見えないところで激しくなっているようだ。(この辺の話は、別の機会に。)





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Last updated  2007/09/25 01:35:02 PM
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