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桜井ジャーナル:マスコミが報道しない事実    ―見えない「帝国」の闇 【非公式情報】    

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2008/04/14
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チベットの南、インドの北に位置するネパールで4月10日に制憲議会選挙が実施され、ネパール共産党毛沢東主義派が圧勝する勢いである。

南インド周辺に眠る石油や天然ガスの開発を狙う欧米の企業、例えばブッシュ一族と親しいケアン・エネルギー、リチャード・チェイニーが最高経営責任者を務めていたハリーバートン、そしてシェルが1998年頃から共同で開発に乗り出している。彼らが南アジアの不安定要因として警戒し、排除しようとしていたのがネパールの毛沢東派である。

この武装グループと話し合いで問題を解決しようとしていたビレンドラ国王の一族が皆殺しになり、CIAと関係が深いと言われるギャネンドラが新国王になったのは2001年、ジョージ・W・ブッシュがアメリカ大統領に就任して間もない頃のことだった。

戦後、CIAはこの地域で秘密工作を続けてきた。ネパールの隣、チベットではダライ・ラマを支援する一方、チベット人に対してアメリカのロッキー山中で軍事訓練を実施していたことも知られている。チベット人側から見るならば、中国との戦いはレジスタンスなわけで、ごく自然なことだと言えるだろう。レジスタンスなのかテロなのかを決めるのは立場の違いにすぎない。ただ、その訓練を受けた若者が今、どうなっているかは興味のあるところだ。年齢を考えると、指導的な立場にいても不思議ではない。

ネパールにおける毛沢東派の勢力拡大を中国政府も警戒しているはずである。中国の現体制は1980年頃にミルトン・フリードマンの市場原理主義を採用、フリードマン個人とも親密な関係にあったが、その一方で毛沢東派を排除してきた。レッセフェール的な経済システムを導入した結果、中国では富の集中が起こり、貧富の差が拡大して社会が不安定化している。1980年代には毛沢東派の軍事行動も噂されていたが、チベット問題で揺さぶられているタイミングで何らかの動きがないとは言えないだろう。

まだ顕在化していないチベットの混乱要因はダライ・ラマの年齢である。チベットの反中国派の象徴的な存在になっているが、彼は決して若くない。まだ元気そうではあるが、それでも遠くない将来、ラマ教の教主としての座を幼い子どもに引き継がなければならない。そのとき、「抵抗運動の象徴」としての役割をすぐに引き継ぐことは難しいと考えられているのだ。運動がいくつかの集団に分裂し、暴走するグループが現れる可能性がある。

南アジアの混乱要因はネパールやチベットだけではない。パキスタンの国内はアメリカへの憎しみが爆発寸前である。アフガニスタンも混乱が治まる気配はない。イラクも治安の回復とはほど遠い状態だ。ここでネオコン(新保守)/シアコン(神保守)の思惑通りにイラン攻撃が実施されたとき、インドも無事ではすまない。そうなれば、サウジアラビアの親米体制が崩壊する可能性も小さくはない。このところエジプトも危険な状態である。さらに中央アジアからバルカン半島、ポーランド、グルジア、ウクライナにかけての地域も不安定化している。日本も大混乱になるはずだ。北アメリカが安定していれば相対的に有利になると思っている人たちがいるのかもしれないが・・・。





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Last updated  2008/04/14 05:57:09 PM
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