クリストファー・ノーラン監督の最新作、映画TENET（テネット）。

ロバート・パティンソン演じる、ニールがカッコ良すぎてもう5回ほど観に行ってる訳ですが、

ネット上では、

「ニールはキャットの息子・マックスである」「いやマックスではない」って議論が盛り上がってます。

個人的にはマックスではないと思ってるんですが、

「実はニールはアレポだった！」説も意外とあるんじゃないかな…と思ってたりします。

キャットがセイターに撃たれて以降、主人公とキャット、ニールの3人が行動を共にしていますが、
ニールはキャットを、キャットはニールを気遣うようなシーンが見られます。
（これから出撃に向かう主人公に対してキャットが「ニールに挨拶はしたの？」と質問する、とか）
何らかの繋がりがあるように思えるのですが、ニール=マックス説はちょっと厳しいと個人的には思っていて（10年以上も逆行生活するとか、キャットと主人公が、死ぬのが分かっている任務につかせるだろうか？）、

キャットと繋がりがある人物といえば、残るはアレポしかいないんだよな…

900万ドルで落札されるような贋作を敢えて2つ描いている、というのは違和感があります。日本円で9億円ですよ…何万円くらいの贋作ならいくつも書くのでしょうが、9億円が手に入るなら、とにかく本物と思い込ませるために（同じ物が複数あってはいけない）1枚しか贋作は描かないと思うんです。

以下妄想炸裂。

鍵を開けて主人公の身代わりになるために逆行に向かうニールを、涙をこらえて見送る主人公。
その後、主人公がプリヤを殺害してキャットを守り、この映画は終わるのですが、

この後主人公は何年か逆行して過去へ向かい、テネットを立ち上げ、ニールをスカウト。

主人公は、アレポが贋作を2枚描き、1枚はセイターが落札し、もう1枚は自分がクロズビー卿から受け取って、キャット&セイターに近づく口実として利用することを「知っている」。

そのため、主人公はニールにこんな指令を出すわけです。
「トマス・アレポという画家を名乗り、キャットに近づけ。そして、この贋作を競売にかけ、セイターが高値で落札するようにしむけ、セイター達に殺されないよう帰還しろ」

もう1枚の贋作は、自分がクロズビー卿から受け取る事を「知っている」ので、何らかのルートを使ってクロズビー卿に渡るように仕向ける。

アレポ（=ニール）は、死んだように見せかけて無事帰還。その後、キエフのオペラハウス偽装テロ事件で射殺されそうになっている主人公を、逆行銃を使って助け、
ボンベイヨットクラブで主人公と出会う（主人公にとってはこれがニールとの初対面）。ちなみに、この出会いの時のニールが何とも言えない嬉しそうな表情をしていたり、ダイエットコークを頼んだときに「よく俺が仕事中は飲まないって調べてるな。だがソーダ水だ」って言われた時に、いたずらっ子のようなすごく良い表情をするんですが、ここは（ニールが誰であっても）かなりの感動ポイントです。泣けます。

そして、これは余談ですが、
「殺されるから無理だ」なんて言っていた、サンジェイ・シンの棲家である高層ビルへの侵入&脱出方法を、
作戦を練る時間も無しに「バンジー跳びでイケるよ」とか唐突に言い出すのも、その方法でうまくいく事を「知っていたから」。厳密には、その方法で既に侵入&脱出に成功している主人公（テネット立ち上げ後）から聞いていたから。

劇中でニールとキャットが出会うのは、キャットが撃たれた後、何が起こってるのか説明するシーンです。
「何が起こってるの？」
「それはニールから説明させる」
「では物理の講義を始めようか」
「あなたは誰？」
こんなやり取りだったと思うんですが、ここがニール=アレポ説のネックになる部分ではあります。
仮設1.自分と親しかったアレポとそっくりな人が、ニールという名前で目の前にいたからビックリして「あなたは誰？」と言った（撃たれて間もないので意識も朦朧としてし…）。その後はアレポなのかも知れないと気にかけてはいたが、言い出せなかった。
仮設2.アレポ時代のニールが、キャットの前から姿を消す直前に「必ず再開する時が来るけど、徹底して初対面であることを演じろ」と指示されていた。
仮設3.どこかでキャットはニール=アレポである事を確認したが、ニールから堅く口止めされた（それを主人公に知られるとミッション失敗になりかねない）。

…とまあ、判断を観客に委ねるノーラン映画だからこそ、そんな妄想しながら見るとまた違った楽しみがあるのですが(笑)、
結論としては、ニールは誰であってもサイコーにカッコイイ！！！であります。