>>>「奇跡の一本石垣」守る 熊本城の応急工事,進む
熊本地震の影響で,国重要文化財の13棟全てが破損した熊本城(熊本市中央区)で,角部分の石垣のみで崩落を免れている飯田丸五階櫓(やぐら)。余震が続く中,市は被害を広げないため13日から応急工事が進められている。
熊本市によると,飯田丸五階櫓は2005年に復元された。熊本地震で下部の石垣の大半が崩落し,建物(約35トン)の大半の重みが,八つほどの石が積み重なった「一本石垣」にかかっているという。櫓を下から支える鉄骨を設置する工事で,「一本石垣」の負担を減らす。事業費は約8千万円。
>>>熊本城の石垣修復-「カギは図面と技術者の確保
熊本城では,文化的価値が高い石垣も多く崩落している。西南戦争の災禍を免れた石垣や堀は1933年,国の史跡に指定。石垣は築城主・加藤清正の最初の積み方とされる「野面[のづら]」のほか,「重ね」「算木」など安土桃山~江戸時代の積み方が残っている。
石垣修復で重要なのは,ひとつひとつの石の本来の場所を特定して,積み直すことであり,そのためには詳しい図面が必要という。技術者の確保も急務である。熊本県内で城郭の石垣を積める技術を持つ職人は,数少ない。熊本城の石垣の修復はハードルが高い。
1