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ラッコの映画生活

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2008.02.19
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カテゴリ:ヨーロッパ映画
ROSETTA
Luc & Jean-Pierre Dardenne
95min
(DISCASにてレンタル)

rosetta00.jpg

ダルデンヌ兄弟作品、約1年前に見た『ある子供』に続き2本目。製作年から言って、普通はこの『ロゼッタ』を先に見ているんでしょうが、まず『ある子供』を見てしまった。そうすると、またあのダルデンヌね!、ってちょっと鼻につくというか、ややウンザリって印象がありました。良い作品だとは思いますがね。普通は映画でも他の表現行為でも、何か気に入ったものがあると、同じ作家の同じような魅力を別の作品に探す。もっと他に作ってないの~っ?!、って。『ある子供』は良かったけれど、でも2本目を見たダルデンヌはそうではなかった。それは何故なんでしょうか。思うにこの兄弟監督の映画作りには、純粋に自分たちの作りたい映画世界を実現するというよりも、こうすれば人々が感動するというのをしたり顔で操ってイイ気になっているようなところが、本人たちの意識とは別にあるのではないでしょうか。そこを意識しないで見られれば、物凄く感動的な映画ですね。この映画がキッカケとなって、ベルギーでは若者の雇用に関する「ロゼッタ計画」なる制度も出来たようで、そういう社会的貢献にもなっているわけですし。

rosetta01.jpg

そんなしたり顔のダルデンヌの思惑に素直にはまって演じていた主人公ロゼッタ役のエミリー・デュケンヌの初主演でのカンヌ女優賞は頷けるし、オリヴィエ・グルメも良かったですね。舞台はダルデンヌ兄弟の出身地であるベルギーのリエージュ。街外れのキャンピング場に置かれたトレーラーハウスに母親と2人で住む16才のロゼッタ。映画は仮採用期間が終わったところでロゼッタが工場を解雇されるシーンで始まる。解雇は不当だと大暴れするロゼッタ。職安に行っても、工場での雇用期間が短かったことや、トレーラー住まいで固定的正式な居所がなかったりで、制度的に彼女は相手にしてもらえない。それでも彼女は仕事を探して、探して、探して・・。いったいどういう過去かはわからないけれど、母親はアルコール依存症で、キャンピング場のいかがわしい管理人に身を任せるセックス依存症でもある。ロゼッタの望みは「まっとうな生活」。きちんとした仕事をして稼いで生きるという「普通の生活」。「乞食じゃないから施しは受けない」というプライドがある。古着をもらってきて漂白などして綺麗にし、それを母親に修理させて古着として売るということはする。そしてこれはいくらかのお金を得るためではあっても、実は彼女にとっては堕落した母親に出来る仕事をさせて更正させるという意味がある。だから自堕落な無為の生活に逃げ込んでいる母親との喧嘩は絶えない。母親にとっていわば娘ロゼッタは目の上のたんこぶのような存在。駅近くの軽食スタンド。これはベルギーだから「ベルギー・ワッフル」のスタンド。そこで働く若いリケと親しくなっていくのだけれど、そのリケが主人に内緒で自作のワッフルを売って稼いでいて、またも失職したロゼッタに彼はそれをそそのかすが彼女は受け入れない。彼女の夢はまっとうな生活であり、不正やかっぱらいなどはしない。逆にこの友達になりかけたリケの不正を主人に密告して、クビになった彼の後釜にまんまと座る。

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こんなロゼッタ、友人を売ってまで職を得ようとするなど、まあちょっと度は過ぎているけれど、健気に描かれているのだけれど、でも良く考えてみると実はリアリティーがなさ過ぎる。こんな少女はまずいないのではないだろうか。その辺に非常なる作意を感じないわけにはいかない。エミリー・デュケンヌ演じるロゼッタに我々は感動を促される。映画はもともと作り話だから何を描こうと勝手だけれど、さも社会にはこんな少女もいますよと言わんばかりに、手持ち(肩乗せ)カメラで彼女を追い、ドキュメンタリーとも思わせるような画像で物語を描く。この映画は1999年のカンヌでパルム・ドールとエミリー・デュケンヌの主演女優賞獲得なのだけれど、パルム・ドールに関しては審査員の内にも異論が大きかった。ペドロ・アルモドバルの『オール・アバウト・マイ・マザー』の方こそ受賞させるべきだと。そして最初から新聞・雑誌等で賛否の評論に晒された。この作品を良しとするかしないかは、上の方に書いたようなダルデンヌのしたり顔を感じる感性の有無なのだと思う。でもそれを外してしまえば、エミリー・デュケンヌの名役作り・名演技で実に感動的な映画ではある。だから主演女優賞は順当だろう。

rosetta03.jpg

(以下ネタバレ)
映画の中にリケがロゼッタに故意に突き落とされたのか、あるいは事故か、リケが底なし沼に落ちるシーンがある。ロゼッタはしばらくの間リケを助けようとはしない。彼がこのまま死ねば自分に彼の仕事が回ってくるという誘惑があったのかも知れない。しかしリケもそのことを後で指摘するように、彼女は溺れ苦しむリケの叫びを無視できずに最後は彼を助けた。しかしその後リケを売って得たワッフル・スタンドの仕事を、彼女は自分から辞めると主人に電話する。キャンピング場に戻った彼女を待っていたのは酔いつぶれて、あるいは何かの発作で倒れている母親だった。さすがのロゼッタももう絶望。で母親をトレーラーハウスのベッドに寝かすと、ドアの隙間に詰め物をして、ガスの栓を開いてベッドに横になる。ブレッソンの『少女ムシェット』が思い起こされる。自殺、ないし無理心中。しかし途中でプロパンのボンベが空になって、その自殺さえ簡単にはできない。重い空ボンベを管理人のところまでやっとの思いで運び、お金も払って新しいのと換えてもらう。そして中味の詰まったより重いボンベを持ってトレーラーに向かう。この苦労は自殺の続きをするためだろうか。『少女ムシェット』でも1回では死に切れずに2回、3回と繰り返すことで彼女の絶望を表現したわけだけれど、このボンベはあまりにやり過ぎな印象も。しかしそこに現れるたのがリケ。そんな希望を持たせた最後に感動をするか、それとも胡散臭さを感じるか・・・。

rosetta04.jpg




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Last updated  2008.02.24 00:52:19
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