１９６２年に日本で上映されたアメリカの映画「ハスラー」は、大変な評判と、アカデミー賞の撮影と美術部門を受賞しました。ビリヤード映画の名作といわれています。

当時、私は東京にいて、２１歳の時にこの映画を見ました。
名優ポール・ニューマンが演じるエディという若き天才プレイヤーは、十五年間、無敗を誇る伝説のプレイヤー、ミネソタ・ファッツに闘いを挑みます。

序盤はエディの若さと天才的ひらめきによるプレーで、ファッツを圧倒します。
エディはワンゲーム取る度に、勝利の美酒と称し、酒をあおります。
私も毎晩、日本酒を飲み家内から怒られています。


一方のファッツは、ワンゲームが終わる度に手を洗い、身だしなみを整えて、次のゲームに臨みました。
エディのおごりに対し、ファッツの謙虚さと、次の試合に臨む意気込みを感じます。

その後、四十時間に及ぶ攻防の末、エディは完膚（かんぷ）なきまでにファッツに、叩きのめされてしまうのです。

「勝って兜の緒を締めよ」という諺があります。
成功したからといって気を緩めず、さらに心を引き締めて、取り組みなさいという意味です。

物事がうまく運ぶと有頂天になりがちです。
しかし、喜び過ぎれば心が乱れ、次に失敗を招きかねません。
成功した時こそ、気持ちを引き締めたいものです。

合掌