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モディリアーニ~天才の生様、凄さ

モディリアーニ~天才の生きざま、そして凄さ

表紙の写真を替えた。水平線の先に鳥が一羽。孤独の中の神の祝福.....
F・リストではなくとも、遠絵に見渡すその静かさと厳かさは感じる。だが、この水、決して冷たくはない。そしてその背面を遮るようにモディリアーニのジャンヌの絵画が並ぶ。

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モンパルナスの灯のジェラール・フィリップも良かったが、何と言っても最近のA・ガルシアの「モディリアーニ~真実の愛」は画家モジリアーニの強烈な個性と芸術性、そしてリアルな人間像に深みと神聖を加えたものだった。すぐれた才能と高慢さ、情熱ゆえにお互いへの羨望と賛美を募らせた若き芸術家たちの知られざる青春物語であると同時に、悲劇的な最期を遂げた天才画家モディリアーニとその妻ジャンヌの、美術史上最も壮絶な真実の愛の物語ともいえる。
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大よそ、天才と凡人の違いが紙一重だとは言い難い。それはピカソとモディを取巻く彼らの姿からも想像できる。こんな時代が歴然とあったのだと。
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終盤に向い、ピカソの他にユトリロやスーチン、キスリング、コクトーといった画家たちが絵画コンクールに参加する様相は凄みがあった。狂気にも優る天性の掛合いが観る者を誘いこむ。老ルノワールがモディの才能を見抜く役柄として登場するが、モディとピカソが彼に会いに行くシーンは興味深々だ。こういう光景、堪えられない魅力だ。下は↓撮影風景。老ルノワール。

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フィクションのエピソードもあるが、見事に再現された往時の自由な雰囲気、そんな熱に浮かれたような華やかさの裏で、転落の一途をたどるモディリアーニの姿が対照的だ。ジャンヌ役のエルザ・ジルベルスタインは、実際のジャンヌの写真よりも絵画は遥かにジャンヌに似ている。ピカソの妻・オルガ役のエヴァ・ヘルツィゴヴァも、まるで肖像画から抜け出たような美しさも印象深い。
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モディリアーニとピカソは生涯のライバルだった。ピカソは自分にはないモディの天性、生きざまを常に焦がれ嫉妬していた。だからモディを「奴は神だ!」と言っていたことも頷ける。ピカソが死を前にして、最後に放った言葉が「モディリアーニ!」そう叫んだことは至極有名だが、こういう映画、多くは創ることの出来ない秀作だと思う。
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