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テーマ:政治について(19910)
カテゴリ:格差社会
昨日もNHKで日雇い派遣の特集を行っていた。
この問題について世上の関心が高まっていくのはけっこうなことだと思うが、番組中で気になった点がある。 それは焦点をあてて報道された派遣労働者の一人についてである。 よれよれのTシャツスタイルでの求職活動。 書きなぐりの乱雑な字の履歴書。 職業安定所で職員の話をききながら頬づえをついている態度…。 仕事の基本は「人の立場にたって考える」ということだと思うのだが、番組で紹介されていた人は、相手についての気配りがすごく希薄なような気がする。 番組の主張とは裏腹に、あれでは貧困の自己責任論をいう人が元気づいてしまうのはないのだろうか。 そういえば政府の教育改革にも関与した高名な小説家で「非才、無才は誠実さだけを身に着ければよい」などと差別的な言辞を弄した人がいた。 まあ、世の多くの人は小生も含め、非才、無才グループに属するわけだが、それでも誠実と努力だけは忘れないように生きている(つもりだ)。 誠実であり努力をしてもなおかつ貧困から抜け出せない人が多勢いる。いや、我々だっていつその貧困の側においやられるかもしれないということこそが今日の問題である。 テレビにでていた一人の派遣労働者だけで、世の中の派遣の問題のすべてが論じられても間違うような気がする。 ※ 人によっていろいろ意見はあるだろうけど、やはり派遣は貧困の温床のように思われる。 通訳のような労働単価の高い専門職はともかくとして、たいして技能を必要としない労働にピンハネを認めたら食うに食えない人達がでるのはあたりまえである。 しかもそのピンハネ率にはなんの法的規制もない。 サラ金の金利ですら上限があるのに、口入屋のピンハネはやりほうだい。 グッドウィルの元社員が「こんなに取られていたなんて悔しい」といってたけど、そりゃそうだろうなあ。 かっては割のいいバイトといわれていた引越し手伝いも今やほとんど派遣で業者にとっては重宝しているようだけれど、いいことばかりではないだろう。 この間の近所の引越しでも、屈強なお兄ちゃんではなく、細っこいあんちゃんや時には女の子が重い家具などを運んでいるのを見たけど、数字にでてこない労災や事故も案外増えているのではないか。 いつ手がすべって家具が倒れてくるかと思うと怖くてちょっと近寄れなかった。 ※ 民主党をわってでた人達がつくる新党の名前は改革クラブというらしい。 改革、改革なんていっても、市場原理主義的な方向の改革は多くの人が辟易しているのではないか。 そんな手垢のついた名称でブレークするとはとても思えない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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