カテゴリ:税理士の仕事
本日木曜日は、税務経営指導所という機関で帳簿のつけ方や相談の指導をしている。ここの事務局長でもある。基本的には、個人の新規の青色申告者を対象に希望があれば、原則1年間無料で記帳方法の指導をしてもらえる、という納税者にとってはなんともありがたい機関である。その他に、何と2年目以降有料だが安い金額(こんな金額では税理士に見てもらいことは絶対出来ない)で同様の指導を受けることが出来るのだ。午前10時から午後3時まで在中し、一人約1時間の持ち時間で最大4人の納税者を指導する。
今日は3人来所、1人がキャンセルであった。今回の指導は、年末調整と法定著書の作成である。本来なら記帳とは関係ないのでやる必要はないのだが、サービスで今までやっていたみたい。初めて自分で従業員の年末調整をするわけだから、説明書を見ても所詮無理がある。説明はするが、如何せん年に1度の作業だから、来年の同じ時期になるとすっかり忘れてしまう納税者がほとんどである。こちらの説明をメモする人も殆どいない。大丈夫かな、と思いながら説明をするのだが、メモ取ってくださいとまではさすがに言えず、とりあえず、納税所の顔をうかがいながら説明する。その場ではわかっていても、帰ると忘れる。頻繁にやる作業ではないから、忘れてしまう。じゃあ、メモに残そうという発想しないと自分は忘れてしまう。自動車を運転中でも、気になることや、思い出したことを、常備してあるノート型のポストイットに記入し、手帳に張るように心がけている。それぐらいしないと、仕事に穴が開いてしまい不効率になってしまう。 今日来所した納税者の一人は、飲食店を経営されて以前は青白申告会で指導を受けていた納税者である。その店も売上が減少傾向にあるらしいので、青色専従者給与(事業主の親族に払う給与)を減額している。ボーナスもゼロ。こんな状況なので継がせたい息子は外で修行中だそうだ。その方の相談は今度改正される消費税の問題。 以前の日記でもご説明したが、免税点が一気に売上の1000万円まで下がる。すなわち殆どの納税者が課税事業者に該当するのである。ここのお店は消費税導入時には内税(例えば500円のラーメンなら500円に消費税は入っている)として消費税分を値上げしなかった。それは以前の3000万円の免税点を売上が上回ることがないとの判断だったのだろう。しかし、今回は確実に課税事業者になってしまう。ここままだと消費税分だけが”余分な”経費として支出する。納税者にとっては痛い話だ。ということは、今回消費税を外税(500円+25円=525円)として値段をつけないと、”損”をしてしまうのである。かといってこのご時世、なかなか値上げは出来ないとつぶやいていた。課税事業者になることはなんとなくわかるが、では実際にどうしたらよいかわからない中小零細企業は多いのではないか。だから最近色々な団体で消費税の説明するセミナーを開いている。私も先日も某商工会の依頼で消費税のお話をしてきた。やはり関心が高かった。 消費税というものは本来預かり金なのだが、制度上の問題で、免税点とか原則課税と簡易課税との選択があるため、判断一つで有利不利が出てきてしまう。おかしな話なのだが仕方がない。そういう制度なのだがその中で消費税の知識を身につけて”節税”をしていただきたいものだ。ここでは詳しくは書けないが、いいタイミングで他の税理士から私のところへ移ってきて、運良く消費税の還付をウン百万円受けることが出来た企業がある。前の顧問税理士は、原則課税と簡易課税、さらには資本金1000万円以下の事業者は2年間(事業年度)免税になることの説明等を一切してくれてなく、消費税の届出書のこともノータッチであった。人みて我がふりなおせ、とはこのことか。私もきちんと納税者の不利にならぬよう気をつけねば。消費税は届出書をどのタイミングで税務署に提出するか否かで、先のどのようにウン百万の消費税の還付を逃してしまう、損をするのである。大きいですよ、この差は。 指導所にみえたその納税者は、その足で消費税の打ち合わせを組合員とするところへ行くそうです。勉強会を開くのか。それぞれが税理士に依頼するのか、喧々諤々するでしょう。 法律は知ってはじめて使えます! 皆さん、色々な人に聞いてでも勉強しましょうね、自己防衛のためにも。最後に頼るのは自分です。私もまだまだ勉強中 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Nov 20, 2005 12:12:55 PM
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