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住所不定無職日記 [全1642件]
試験コースの地図を紛失していたことに気づいた10月某日。試験場の受付で地図の再発行を終えたまさに帰り道、東八道路をパトロール中の白バイにやおら停車を求められた。 違反は信号無視。罰金7000円、2点減点。危ない危ない残り一点であわや免停ではないか。免許を取りに行く足で免許を失効してしまっては洒落にならない。しかも給料日直前の7000円がコレマタかなりイタい! 7000円と言えば当時俺のマクロ経済の実に6分の5ないし7分の6に相当し、ワンコインサラリーマンの貴重なカロリー源である吉野家の牛丼が一杯330円ということを冷静に考えても10杯で3300円、20杯なら6600円・・・ところがその頃吉野家は「3杯喰ったら1杯無料!」という実に悩ましいキャンペーンをやっていたので、考えれば考えるほど一体牛丼何杯分の損失にあたるのか? おつりで玉子もつけられるのではないか? そもそも牛丼を経済の基準に据えるのはいかがなものか? などと、東八道路の路側帯で調書をとられながらしばし、思考停止の体であった。 そんな世間一般にはあたらどうでもいい哀愁を背負いつつ、やってきました府中試験場!「盛大に勝つ!」という願を掛けて「大盛りカツカレー!」を注文した試験場付属食堂で、衣の圧倒的な厚みに盛大に反比例するカツ(勝つ!)の薄さに結果を暗示されつつ臨んだ一発試験では、停止線を越えてコースを出る前にエンストをカマすという妙技を披露して試験官及びその他オーディエンスの度肝を抜いた直後、規定10秒以上といわれる一本橋をその半分以下である4.8秒という、およそゼロヨンチャンプ的なタイムで一気に駆け抜け、スラローム、波状路でそれぞれ一発づつエンストをお見舞いしたところで、当然の権利と申しますか、正当な義務とでも申しましょうか、コース中央の巨大スピーカーから高らかに、今回の帰還命令が発令されたのでありました。
持ち込み企画第二弾の『ファイト一発!試験場血風録』が、早ければ次号(11月24日発刊)のタンスタに掲載されます。 バイク日本一周その後的な感じで大型免許挑戦の記事を寄稿することとなりました。 ありがたやー! 文字制限は480字なのでコラム的な書き下ろしになる予定(書けるのか?)。 連載になるかは微妙だけど、頑張っていいものを書かねばなぁと決意も新たに、これよりレッツ執筆であります。
適性試験から本試験までには丸二週間あった。本来ならこの時間を有効に使って試験コースを暗記したり、テスト走行をしてみたり、ネットを使って試験の傾向や対策を調べたりするべきなのだろう。しかし俺は学生時代より 「実力テストとは実力で受けるものである!」 という、一見正論にもとれる信念に基づき、友人達が試験勉強に打ち込んでいる時間をそっくりファミコンのスコアアタックに費やしてしまうという清々しくも無計画な少年だったため、テスト前日に改めて試験 範囲を確かめ、その圧倒的な広大さに度肝を抜かれながら、後日自らの実力を不名誉な方向でまざまざと思い知らされるというようなことを繰り返してきた。 あれから20年近い時を経た平成21年10月18日。大人を通り越していいオッサンになった俺が「一発試験」の二日前に打ち込んでいたのは、コースの暗記でもテスト走行でもなく、任天堂Wiiのゲームソフト、モンスターハンター3におけるクルペッコのタイムアタックだった。努力の甲斐あってタイムアタック自体はかなりの好成績を納めることに成功したが、如何にクルペッコを早く倒せても二日後に迫った「一発試験」に利する事は万に一つもない。 そんな俺の試験勉強は試験前日の10月19日の夕飯後から、やや唐突に始まった。 「右折、左折、一本橋、スラローム、波状路、右折して・・・クランク?」 と、そんな悲壮感漂うコース暗記は試験直前の発着所待機室まで続くこととなるのである。 試験当日、食パンをくわえたまま家を飛び出す一昔前の少女マンガにおける女子高生的騒々しさで受験者控え室に滑り込んだ俺は、試験官や他の受験者の真っ白な眼差しに射抜かれつつ、印紙を貼った受験票と引き替えにオレンジ色の採点用紙を受け取った。受験者控え室には大型二輪以外にも普通二輪、普通免許などの受験者が、それぞれ堅い表情で席についており、ここからは車種に応じたコースへと誘導されるらしい。この日大型二輪を受験するのは俺を含め10名弱といったところ。担当の試験官に先導され控え室から二輪コースの脇に建つ発着所へ、ガソリンと革手袋の匂いのする薄暗い待機室には得も言われぬ緊張感が漲っていた。試験開始には少し時間があり、その間受験者はコースを自由に歩いて予習をしてもいいという。ならばと俺も地図を片手に実際のコースを歩いてみたが、試験コースは限られたスペースの試験場をグルグル回るよう設計されているので、勉強不足の俺は案の定自分が今試験コース上のどこいるのかが分からなくなったところで時間切れになってしまった。遭難である。 「と、とりあえず波状路突破が目標だな! 最低でも一本橋はクリアだ!」 そんな合格でも完走でもなく、果てしなく低い志で望んだ本試験のスタート間際、悲劇は起きるべくして起きた。 「では皆さん免許証をどうぞ」 二輪試験コースの発着所で試験官の発した当然の要求に対し、財布を開いた俺がその事実を理解するのには、永遠とも思える数秒が必要だった。 免許証、不携帯 「次受験するなら予約して帰ってね」 試験官や他の受験者の真っ白な眼差しに射抜かれながら、俺は一人失意の発着所を後にしたのであった。 次回の一発試験は11月10日だそうです。
30分の二度寝の向こうに、挑戦の朝がきた。 窓の外には遠く西の空からにじり寄る秋の嵐が、バサバサと雨を落としている。なんでも伊勢湾台風以来の規模だというから、お世辞にも縁起がいいとは言えない幕開けだ。 熱いシャワーで目を覚まし、朝食の食パンをコーヒー牛乳で流し込みながら携帯のGPSで府中試験場を検索していたら、盛大にコーヒー牛乳を吹いてしまった。な、なんなんだこの試験場のコース広大さは! 一年前、俺に普通二輪免許をもたらした我が母校『田無教習所』のゆうに三倍はありそうな敷地に、大小さまざまなクランクやS字コーナーが縦横に走っている。ホワイトベース初代艦長であるパオロは通常の三倍早いザクの接近に対して 「シャアだ! 赤い彗星だ! 逃げろー!」 と叫んだものだが、俺の場合試験場のコースが三倍広い度に逃げ出していてはいつまで経ってもミッションコンプリーツできない。 いっそ見なかった事にしてカッパを羽織り、頬を濡らす涙を雨で隠しつつ相棒の背に乗って東八道路を一路西へ。 やってきました府中試験場! よもや二輪用クランクでもここまでは狭くはないだろうと思われる駐輪場までの道のりに戦々恐々としつつ試験場本館へ。 入ってすぐの総合受付で 「大型二輪試験の予約にきました」 と告げると、綾小路きみまろをそのまま性転換させたような女性の受付に、ごく当然でもあるかのように教習所の合格証の提示を求められる。俺が 「今回は一発試験を受けにきたので合格証はない」 と二の句を継ぐと、綾小路きみ子とでも言うべき初老の受付嬢は大きな目をさらに大きく見開きながら、今後の手続きを教えてくれた。ちなみにこの後お世話になる料金所、視力検査官、予約受付全てが見事同じような反応だった事を考えると、やはり一発試験という方法での免許取得はマイノリティなのだろう。 料金所で個人情報を書き込む台紙と印紙4650円分を購入し、台紙には3000円分を張り付ける。残りの1650円はこの後発行される受験票に使うのだそうだ。ここら辺は以前普通二輪免許取得の際、江東試験場で受けた学科試験のときと似ている。免許証のコピーされた台紙に氏名、連絡先などを記入して次は視力検査へ。顔写真を貼った台紙しか受け付けられないよと追い出された視力検査室のすぐ外にはコイン証明写真機がこれ見よがしに鎮座ましましていた。なんとなく「随意契約」とか「既得権益」とか、そういう言葉を連想しつつ700円で写真撮影。台紙に張り付ける写真は一枚でいいのに、焼きあがったプリントには髭を剃り忘れた俺のむさ苦しい顔が6個も焼き付けられており、しかもそのうちの二枚は小梅ちゃんキャンディーに希に混入している大玉でもあるかのように無駄にデカい。エコや環境が声高に叫ばれる昨今、こんな無駄遣いが横行していいのか? CO2の20%削減は大丈夫なのか? せめて半額で半分くらいにはできないのか? などと地球に優しい方向で憤慨しつつ視力検査へ。 「あれ? 右目視力おかしいですね?」 「え? マジですか?」 マジも何も事実指定された0.2のマークが見えていないのでマジなのだ。鼻と耳と頭の悪さには自覚のあるところだったけど、視力には密かな自信があったので突然突きつけられたこの現実には少なからず狼狽してしまった。 「・・・じゃ、もう一回いきますよ」 ここ落とすと裸眼じゃ受験できないからねと、恫喝ともとれる前フリで視力試験官はまず視力良好な左目のテストをした直後、問題の右目でついさっき示したはずの0.2のマークを再び出題した。あれれ? と思いつつも覚えていた通りに答える。 「いやぁギリギリだったねー」 とイタズラっぽく笑う試験官に 「いやぁギリギリでしたー」 と頭を掻きながら応える。こういうところは四角四面のお役所仕事かとばかり思ってたが、ナカナカ人間くさいところもあるではないか。 暗証番号制作機の割には丸見えの暗証番号をデカデカと排出する謎のプリンターで暗証番号を制作して一階での作業は終了。三階の予約受付ではカードリーダーに免許証をスキャンし、タッチパネルに表示されたカレンダーで受験日を選択。完成した台紙と引き替えに受験票を貰って本日の行程はこれにて終了となった。予約は次の火曜日がいっぱいだったので二週間後の20日とした。当日はこの受験票に残りの印紙1600円分を貼り付けて試験を受けることとなる。本日の出費は5350円だ。 しかし一発試験とはいうものの、結構な手間暇がかかるものだ。 受験票と一緒に貰った試験コースの複雑さに幾らか気を遠くしながら帰り支度をしていると、未だ降りしきる雨を分けて駆け込んできたらしいスーツ姿のオジサンが 「限定解除の受付ここですか!」 と、踊る大走査線の青島警部のような剣幕で受付に身を乗り出していた。 (そうか! これは限定解除なのか!) オジサンの言った「限定解除」という言葉には少し思い出があった。 あれは確かクーラーが効いた部屋でゲームをしていた夏休みの事だったと思うけど、俺がファミコン少年だった頃、友人たちと回し読みしていたゲーム雑誌にタコXさんという大好きなライターがいて、その人がコラム欄に 「次こそは限定解除がんばるのだ!」 くらいの事を、何週かに渡って書いていたことがあり、当時子供だった俺はこのタコXさんがたまに書く「NSX」とか「マッキントッシュ」とか「限定解除」とかいう単語に、何とも言えない大人の匂いのようなものを感じとっていた。 (あぁ、そんな大人に俺もなるのか) 35歳なのだから大人の域を超えて十二分にオッサンなのだが、汗とも雨ともつかぬ水滴を額に滲ませ、少年のようなひたむきな瞳で受付に滑り込んできたスーツ姿のオジサンは、傍らで立ち尽くす俺を流星のようなスピードで限定解除の夏にタイムスリップさせた。 その後、タコXさんが限定解除を成功させたか、遠い記憶はイマイチはかばかしくないが、俺はその時何故か無性に (頑張らねばな!) と、強く思ったのだった。 -追 記- 受験票と引き替えに提出した台紙は6ヶ月有効らしい。 キリがいいのでこの企画は、台紙の有効期限6ヶ月での一発試験合格を目指す方向で、ひとつ頑張ってみようと思うのである。
「一発試験」というものがあるらしい。 「一発試験」とは実技教習に明け暮れ、卒検に合格し試験場での実技をパスしてニッコリ笑う教習所のそれではなく、のっけから試験場へ乗り込み、フルメタルジャケットのハートマン軍曹も顔負けの鬼試験官が見守る中、ブッツケ本番の実技に挑むという、まさに男度胸! コンバットナイフ一本でうっかり敵地のど真ん中に飛び込んでしまうランボーもかくやの一発勝負である。 しかもこの「一発試験」は教習所では避けて通ることの出来ない一橋やスラローム、教官の精神的連続攻撃などの試練を一網打尽にスルー出来る上、低所得、高カロリーという現代の薄給サラリーマンには最重要課題の一つである財政出動も教習代のウン万円に対し受験代金7000円くらい(?)で済むという大盤振る舞い。お化けの世界で例えるならば学校も試験もなんにもないゲゲゲの鬼太郎のような試験なのだ(試験じゃん)。 しかしまぁ難しいことは置いといて、この「一発!」という響きが、なんともカッコいいではないか。 僕が旅先などで会ったことのあるイワユル「一発ライダー」は余り自分から 「ワタクシ一発試験に受かりました。そこんとこ夜露死苦」 と声高に宣誓する人はいなかったけれど、それでもしばらく寝食を共にしているといつの間にか 「あの人は一発ライダーらしい」 などという噂が立ち、俺をはじめ教習所で大量生産されたブロイラーとでも言うべきその他大勢の羨望の眼差しを一手に集める一発ライダーの昼下がりといった風景に出くわす事があったが、そうと知ってマジマジと観察するそういう方々のさりげない一挙手一投足からは、決まって「赤い彗星のシャア」とか「青い巨星ランバラル」とか「ゴネ得の亀井」とか、そんな如何にもデキる男のオーラが、あたかも溢れ出す煮汁の如く滲み出ているのだ。 従って俺だって一発試験に合格した暁には「一発のアキオ」とか陰で二つ名されてしまうのではなかろうか? 旅先で知り合った女の子ライダーに胸キュンとかされてしまうのではなかろうか? と、普通二輪の検定を4回落した「4発のアキオ」である事実は神棚にダンクシュートしつつ、そんな本筋以外の部分でこれまたのっけから鼻息を荒くしているわけだが、このテキストをタイプしている平成21年10月6日時点において俺が一発試験に対して持ち合わせている知識と言えば、上記のもはや怪聞にも等しい断片的かつ偏見に満ちたシロモノであり、「いつ」「どこで」「どのように」といった、いわゆる5W1Hといったな理性的情報は一切含まれていないのが、悲しいけど現実なのである。 ・・・そう、今回の企画は前回の『取り立て免許で日本一周!』同様、例によって予備知識ZEROの状態から「一発試験」に挑戦し合格を目指そうという、そんなバカバカしくもクダラナイ、三十路男の挑戦なのだ。 さて、本日は平成21年10月6日火曜日である。 自宅の便器に腰掛け携帯のインターネッツで調べたところ、東京での「一発試験」は鮫洲と府中で受験可能らしい。 練馬在住である俺の最寄りは府中なので早速受付に電話をいれると、試験は毎週火曜日と木曜日に行われているとのこと。俺は明日をも知れぬ黄昏の派遣社員として週休二日、火水定休というサイクルで生活しているので、 「なるほど、火曜の試験を受ければいいのだな。ありり? 今日ではないか」 と早合点し、思わずトイレを流してしまったが、電話口の受付官は一発試験の前にもう一発、適性試験なるものを受けなければならないという事実を無感動に教えてくれた。しかも適性試験と本試験は同日受験できないので、最低でも二日に分けて、試験場の門を叩かなければならないという。 ぬぅ・・・一発試験の前にもう一発適性試験が入るのでこの時点でイメージ的には二発試験なのだが、まぁブツブツ言っててもしょうがないので、明日平成21年10月7日水曜日早朝より、サクっと適性試験を受けてくるので、そこんとこ夜露死苦なのである。 そして慧眼な読者の皆様にあられましては、この箸にも棒にもかからないオロカ者のチャレンジが、一体何度目にして結実するのか? あるいは志半ばに投げ出すのかを、ニヤニヤと楽しんでいただければ、ノンフィクション作家の端くれとして、またと無い幸いなのである。
しょこたんの『ロマンティックあげるよ(アニメ・ドラゴンボールの挿入歌)』を聴きながら (うむ!大人のふりして諦めちゃイカンのだな!) などと決意を新たにするというのも、三十路もはや路半ばのオッサン的に如何なものかと、残念なのではないかと、色々と大丈夫なのかと、期せず自らの眉間の皺の深さを計りたくなる衝動に駆られなくもないが、そう思っちゃうから仕方がないのである。 そろそろ何かやるかと言う気分なのである。 もっとワイルドに、もっと逞しく生きる気満々なのである。 つまりはバッカルコーンなのである。 攻撃準備は既に整い、計画は10月6日水曜日10時00分から、粛々と執行される。 今回の企画は己への奇襲、言わば一人桶狭間ないし真珠湾攻撃という、およそ平穏な日常生活を謳歌していらっしゃる読者の皆様にあっては 『勝手にしやがれ』 とでも言うべき内容のため、行動計画の具体的な記述は後日の筆に任せちゃう方向でご勘弁願いたいのである。
昨日は中学生来の付き合いとなる旧友山崎を同じく腐れ縁の森川と内々に祝った。 結婚祝いだ。 まぁ古い仲だし、大袈裟にはやらない。 森川とニヤニヤしながら用意した記念品は最新のゲーム機。 「結婚もしてみるものやね」 いわゆるサプライズパーティーに面食らう顎をひきながらも、山崎はすぐにいつものお人好しな笑みで 「ありがとう」 と、ニコニコ喜んだ。 男35歳…壮年の足音が聞こえる齢の季節に、もう少し気の利いたプレゼントもあったかと思うが、堆く積み上げられたゲーム機の地層に新たな歴史を刻みながら 「嫁さんにはブルーレイプレーヤーば貰ったて報告せなんね」 と笑う山崎の横顔に森川と笑みを重ねながら、俺たちの仲にはこれくらいのウィットが心地いいのだなと思った。 お土産に貰った 『しょこたんカバー』 と大書されているCDRを駅構内のフリーペーパーで隠匿しながら西武新宿線を帰路へ。 最近は実に色んな事があった。 俺にというよりは、俺を取り巻く周辺にだ。 ついぞ社長だとばかり思っていた知人が人知れず失脚していたり、飛ぶ鳥を落とす勢いで出世コースをひた走っていた飲み仲間が裁判沙汰で泡を喰っていたり、日頃の精務を見初められ晴れて店長に就任した先の会社が業績不振に陥り元の木阿弥になった人がいたり。 そうかと思えば私史上最遅筆の駄文に登場しているH氏は真逆の意味で凄いことになっていたりと。まぁ何と言うかそんな日常を目尻の隅に感得しつつ、明日には仕事がないかもしれない派遣社員なる非正規雇用者名簿の末席に名を連ねながら、世に言う安定などとはつくづく砂上の楼閣なのであるなと、嘆息の目を細めてしまうのだ。 …準備をしている。 未だ具体的ではない次のアクションに備えるため、正確にはとにかく、お金を貯めている。 実は半年ほど前、とある雑誌社から長旅の企画を持ちかけられたが、当時は最低限用意すべき自己資金をどうしても都合できず、結果的に大変勿体無い思いをすることなった。 いっそ借金をしようかとも本気で考えたが、どうもお金を借りるという事じたい苦手な質で、そうこうしている間にその企画は立ち消えてしまったのだ。 そういうことを繰り返してもいけないし、手元のまとまった資金はイザと言うときの攻めに守りに幅が利く。 あれから半年間の倹約生活今が実を結び、今なら会社を長期休んで少々腰を据えた取材旅行にでる事もやぶさかではないくらいの蓄えができた。仮に向こう一年無職になったとしても楽に食っていける。 ここからはもう一歩踏み込んだ冒険ができる備えを磐石にしていこう。 また同時進行で来月あたりから、一つ企画を転がす予定。 この企画は殆ど自己資金がかからないため、仮にポシャっても失う物はなく、もはや絵に描いた餅に等しい希望的観測の軌道にのれば、その費用対効果は計り知れない。 さぁ次の夏へ向けて、そろそろ動き出す時だ。 それは単に2010年、夏という意味ではなく これから始まる、人生の夏へ向けて |一覧| |
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