カテゴリ:五行歌・詩歌・言葉
『五行歌 誰の心にも名作がある』を読む (1)
(草壁焔太・著、市井社・刊、2013年12月10日発行) よろこびにあふれて、あなたの歌を歌え 「人はみな王であり、女王である」。いいなぁ、この言葉……。 うっとりそう思っていたら、「書評を書いてくださいませんか?」 思わぬお話をいただきました。 「え? いいんでしょうか、私なんか……」。 でも、人はみんな王であり、女王なのです。 その人らしく生きよ。 その人らしく、読み、感じ、語れ。 ……はい、そうでした! いただいた機会を感謝して、拙い感想を 書かせていただこうと思います。 ~五行歌の創出~ 『五行歌 誰の心にも名作がある』は、五行に思いを書く、という あたらしい文芸のかたちを発見しつくり上げてきた、五行歌の会・ 草壁焔太主宰の最新著です。 第一章「五行歌を発想したころ」には、幼い頃の短歌との出会いから、 大学生となり五行歌を発見、一生をかけてこの道を行くと決めた、 歌をめぐる著者の心の軌跡と五行歌誕生の経緯が記されています。 「啄木はうまいなあ」と冬の夕方手袋を脱ぎながら、「手套(てぶくろ)を 脱(ぬ)ぐ手(て)ふと休(や)む 何(なに)やらん こころかすめし思ひ出のあり」 と短歌を口ずさむ父。「もう一回、言って」とせがむ四歳八ヶ月の著者。 この父にして、この子あり。もとより、そんなことは父子共に意識しなかった のでしょうが。 そして、「どうやって作るの」と父に尋ね、大人になったら、かならず こういう歌を作る人になると決意した著者は、中学二年から世界と 日本の古典文学を読み続ける一方、短歌を書き、五行に分かち書く 「五行歌」を発見します。 鋭い感性と強い意志、そして積み重ねた知識の上に、偶然のように、 必然的に「五行歌」が生まれてきたのだと改めて感銘を受けました。 (続く) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2014.07.02 23:07:15
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