司馬遼太郎『国盗り物語』<1>
読書の秋ですな。大学の勉強で一山を超えて、ふと時間が出来て久しぶりに本が読みたくなりました。とりあえず紀伊国屋に行っていくつか文庫本を購入。一冊をあっという間に読み終わった後、ふと本棚にまだ未読の本があるのを思い出した。それが司馬遼太郎の『国盗り物語』。全4冊に及ぶ物語は、斎藤道三と織田信長を主人公にした戦国絵巻(?)。夏に一時帰国した時にまとめて購入してきたが、今の今まで放置してしまった。言い訳すると、斎藤道三について何も知らなかったため、なかなか読み始めようとならなかった。せいぜい美濃の武将で信長の正室である濃姫の父親って事くらいしか知らんかった。『国盗り物語』<1>、「世は戦国の初頭。松波庄九郎は妙覚寺で「智恵第一の法蓮房」と呼ばれたが、発心して還俗した。京の油商奈良屋の莫大な身代を乗っ取り、精力的かつ緻密な踏査によって、美濃ノ国を“国盗り”の拠点と定めた!戦国の革命児斎藤道三が、一介の牢人から美濃国守土岐頼芸の腹心として寵遇されるまでの若き日の策謀と活躍を、独自の史観と人間洞察によって描いた壮大な歴史物語の緒編。」(データベース一部抜粋)すらーっと読んでみて、道三という人間の聡明さと異端さに驚かされる。まず単純に、どれだけ頭がええんか、と。そして、どこまで物事を深く熟考できるのか、と。さらに、これは戦国時代の武将を主人公にした物語にはほぼ同じ事が言えるのだが、どんだけ行動力があるんかいな、と。歴史小説やから、多少なりとも誇張されて書かれておろうと思う。ものの考え方や価値観も全く違うわけやし。ただ、それらを考慮してなお司馬遼太郎の本には、野望を胸に行動する男共がこれでもかと格好良く描かれている。戦国の世で下克上を体現し、蝮と呼ばれた男、斉藤道三。自分の中で、信長の生涯にちょいとだけ登場する人物でしかなかった斉藤道三のイメージが、本を読み進めるにつれて大きく変わっていく。我ながら本に感化され易い。俺も道三のような智恵と行動力を手に入れたいもんやと思いながら本に没頭し、肝心のお勉強が全くはかどらない罠。あ~勉強しんどい。ちなみに、冒頭でちらっと述べた、紀伊国屋で購入してあっちゅう間に読み終えた本ってのは、ライトノベルってな部類の本らしいです。やたらレジに出すのに勇気要りまして。まぁちょっと読んでみたいなーと思って買ってみて、読み始めたらあっと言う間だった。正直、あの本も続きが気にならないでも無いが、購入するには厳しいかも。タイトルは控えとこ。