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うたたねの詩

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2020/02/02
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カテゴリ:BLACKLIGHT 再起
あちこちから聞こえてくるのは、別の道を辿ってきたという内容だ。
ヨーディはしまった、ということにようやく気付く。
(道を知ってる奴についていけばよかったってわけだ・・・)
ともかく時間には間に合っている。それで十分だと思い込ませる。
ヨーディが本人確認を終えてしばらくすると日が沈み、責任者が現れる。
「これより、晴れてお前たちは国境隊としての任務を請け負うことになった。
 その名に恥じぬよう、日々の訓練に精進せよ!」
ひと通りの挨拶が終わり、ついに始まる。
「準備運動も終わったところで随分と待たせて悪かった。では、訓練を開始する」

レイトは窓の外を見つめて、「今年はナキュアで一括してやるのか?」と聞く。
「えぇ、安全確認のできた場所がそこしかなかったものですから」
土地と兵士が戻ってきたことで、配置転換をする必要があり、
それにあたって新たに兵士を増やさなければならない。
「島争奪戦にて任務を全うした者もおりますので、その補充も兼ねて。
 これでひと通りは片づけましたので、一旦戻らせていただきます」
ゲイドモールは以前からイグリスに戻る予定になっており、
再び来るまでの間、イグリスの監視役はいない、ということになっている。
「わかった。くれぐれもイグリス王によろしく伝えてくれ」
ゲイドモールは一礼して部屋をあとにする。残されたレイトはまだ外を眺めている。
(あいつは問題なくやれるだろ・・・)
それから数日後、北部調査の内容がもたらされる。
その内容は予想通り、以前の状態と大差のないものだという。
ただ、開発しようと手を付けていた痕跡は残っている。
その中で「ひとつだけ発展している街がある」という。それは、オポアというところだ。
報告を聞き終えたところで、やはりバフタールの狙いは「民の自主的な移住」という見解に至る。
向こうでの暮らしが快適なものであれば、当然戻りたいという感情が湧き出る。
以前のような保障では不満が出ると思われるが、それ以上となると、財源が追い付かなくなる。
出ていこうとする者を無理やり止めようとすれば、余計に状況が悪化する。
各地に訪問して心情に訴える、というだけでは押しとどめておくことはできないだろう。
(・・・ほかの方法が見つからない今、できることをやるしかない)
「レイト様、準備ができました」
レイトは供の者を連れて北を目指す。
(ゲイドモールが戻ってくる前に終結させられるだろうか。
 やっぱり、間に合わなかった場合も考えておかないとな・・・)





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Last updated  2020/02/02 12:00:13 AM
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