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うたたねの詩

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2020/03/15
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カテゴリ:BLACKLIGHT 再起
これが事実だとすれば、フューリッドはまだ民から見放されてはいないということだ。
アロギラは「これ以上、貧しさが続けば、どうなるかぐらいはわかるだろう」と言い、
トワールは必ず応えてみせる、と誓う。
ヨーディはずっとビルクを見ていたが、一度も目を合わせることなく終わる。
(トワールには、いえねぇよな・・・)
「いきなり出てくるとは思ってなかったな。で、なんか気付いたことあるか?」
ヨーディは我に返って取り繕う。「俺らと同世代、かな?」
「身内じゃなさそうだな。いったいどういうつながりがあるのか?」
ヨーディにもどういうつながりがあるのかはわからないが、
リーダーとアロギラが顔見知りなのかもしれない、と感じる。
トワールはそうだな、と言ったあとで「アロギラの方はどうだ?」と聞く。
ビルクのことで頭がいっぱいになっているヨーディは、言葉に詰まる。
なんとか絞り出したのが、「雰囲気は護衛隊長に似てる気がする・・・」
「向こうはやっぱりお前に興味持ってたな。お前は引いてたけど」
「なんだよ。あのじいさんはただの一兵卒なんだろ?」
ヨーディに興味がないのは、トワールがあえてアロギラの情報を最小限にとどめていたからだ。
その理由は、ヨーディの態度から感づかれるのを防ぐためだ。
今更伝えられたヨーディは、「もうおせぇだろ!」とツッコむ。
「おそかねぇよ」とトワールは言う。今後も続いていくわけだから。
(あのじいさんがエインテルなら、問題なさそうな気もするけど。
 存在を隠してるのは、やっぱりなにかあるってことか・・・)

「これで正々堂々、面が割れたな」
「向こうとの約束はこれで終わらせて良いのか?」
「大丈夫だろ。そう簡単に文句が言える状況じゃないし」
アロギラの心配は今後の方針にも及ぶ。それに対してもビルクは、
「これからも天秤にかける。イグリスも含めてな」
「あくまでもフューリッドには属さない、というわけか・・・」
そうは言ってないだろ、と前置きしたうえで、「あのことは必ず清算させる」
ビルクはそう言うものの、アロギラにはその計画の詳細は知らされていない。
アルケデニックはもうこの世にいない。それでどうやって清算させるというのか?
「アルケデニックの部下が処罰されたという情報は入ってきてない。未だに、な」
今の状況で人材を減らすのは、フューリッドのとって不利益でしかない。
そんなことをすれば、イグリスに飲み込まれていくのは目に見えている。
「だから、時間与えてやってるだろ?待っても無駄になるかもしれねぇけど」





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Last updated  2020/03/15 12:00:13 AM
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