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カテゴリ:BLACKLIGHT 再起
トワールはヨーディと別れ、レイトの元に戻ってくる。
話し合った内容を伝えてトワールの任務も終了となる。 「後継者についてはまだ素性が知れず、油断ならないこともあります」 レイトはヨーディについても聞くが、「特に変わった様子はなかったです」と答える。 これで事態は収束する。それから間もなくして、ゲイドモールが戻ってくる。 「ただいま戻りました。何か変わったことはありましたでしょうか?」 会議室は穏やかな口調とは裏腹に緊張感が増していく。 「努めて順調です。目標についても滞りなく進めております」 資料を眺めるゲイドモールの横で、すでに読み終え端を整えている者がいる。 「今後はより一層、励んでもらわなければなりません。 目標についても改めて見直すことになります」 すると、隣の者に目を配り、起立を促す。 「本日よりこのゴーレンが補佐役として加わることになりましたので、紹介します」 挨拶を促されたゴーレンは、よろしくお願いします、と言ったあとで、 「特別扱いする期間は終わりました。これからはイグリス国の一員として、 国のために働かなければならないという意識を持っていただきたい」 あらかじめ想定していたことではあるが、直にその言葉を聞かされると、 全身に重み感じて体が硬直しそうになる。 もし目標を達成することができなければ、レイトたちはその責任を取らなければならない。 つまりはフューリッドが完全に消え去るということ。 これがイグリスの狙いでもあるし、できうる限りの無理難題を押し付けてくるに違いない。 (あとのことを考えれば、余力を少しでも残しておきたいが・・・) とは言え、そんな方法が見つかっているわけではない。 「利益率の目標値ですが、南部では5%。北部では8%に設定させていただきます。 期間は半年、これはイグリスの目標値でもあります」 イグリスと目標値が同じでは、異議を申し立てるわけにもいかない。 「わかった。全力で取り組んでいこう」 レイトは言い聞かせるように了承し、そこで確認したいことがあるという。 「別々の目標値が掲げられていますが、片方が足りなかったとしても、 もう片方で補うことができれば、認めてもらえるのでしょうか?」 「そう捉えていただければ結構です」 その答えを聞いてレイトはひとつ安堵する。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020/03/22 12:00:10 AM
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