集団に参加するにも、段階が必要とされた。
いきなり大きな集団に入っても、
最初は同化できずにゴロゴロしていた。
最初の幼稚園体験は、ニューヨークの
モンテソリーメソッドの幼稚園。
モンテソリーメソッドは、いわゆる集団保育ではなく、
それぞれの持ち場で好きなように遊びを展開させ、自立心を図る。
一人が、積み木をしていれば、
また他のブースでは、絵本を見ていたり、
フィンガーペイントをしていたり…
それぞれ目的を持って、作業に取り組んでいた。
勝手気ままな裕大は、そんなお友達の作業の流れが全く読めず、
誘えば、短時間ならフィンガーペイントや積み木に取り組めても…
直ぐに飽きてしまい、床に寝そべってはまた・・ゴロゴロ~。
母としては、辛いところだった。
後から分かったけど、これがいわゆる同一性保持で
自分の世界を保っているのであった。
集団にいながら、同じ空気を吸っているだけで、
周りには全く溶け込めていなかった。
そこでは、名前を読んでも振り向かないからと
直ぐに異常が伝えられた。
自閉症の診断を受けたのも、この幼稚園のおかげだった。
既に英語を完全に拒否していたので、
日本人の先生のやっていたプレーグループに入れてもらい、
週に二回、小集団からの参加で、リトミック・歌唱・指遊び。
少しずつ模倣から学習へと繋がっていった。
長い年月を掛けて、
やっと周りが少しずつ見えてきて、
自分から参加できるようになっていったのである。
昨日は、作業所でカラオケクラブがありました。
連絡帳には、
皆さんが歌った曲を記録して下さって助かっています。
…との走り書き。
そして、裕大が歌った曲は、いつもの18番『愛は勝つ』。
…と『人生いろいろ』。
『人生いろいろ』って、かなり奥の深い唄ですよねぇ…。
ちょっとびっくりでした。
月に一回のクラブだけど、
利用者の皆さんと協力して、
いい形で活動に参加しているようです。
周りと歩調を合わせて、参加する。
それなりに、できるようになっています。
昨日は、いつになく晴れやかな笑顔で帰宅した裕大でした。
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Mr.fines