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2019.12.01
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​アッツ島が玉砕し、キスカ島が包囲下に陥ったていたころ、日本に残留していた留守部隊の搭乗員や整備員などを中心に、一足先に第452海軍航空隊は戦力を回復させていました(二式水戦12機、零式水上観測機8機、零式水上偵察機8機)。​
​次の任地は、千島列島の北端占守島です。新たに水戦隊指揮官となった荒木俊士大尉(山田大尉は5月12日付で転属) の元で、作戦行動を開始しました。​
​占守島の隣の幌筵島には、第281海軍航空隊の零戦15機が進出しており、北千島の防空体制は、足の遅い下駄履き(フロート付き)の二式水戦しかいなかったキスカ島時代より充実していたのですが、281空の行動は終始低調でした(これはキスカ島で実戦を経験していた452空とは異なり、搭乗員が訓練途上で技量が未熟だったのが一因かもしれません)
​結局陸軍の一式戦闘機隊「隼」装備の第54戦隊​と交代して、281空は南方に進出していき、マーシャル諸島ルオット島で玉砕することになります。
281空は、最後まで大きな活躍をすることが出来ずに消えていった不運な部隊となりました。

さて、占守島の戦闘は、1943年7月11日、アッツ島から飛来したB25爆撃機8機が占守島を爆撃したのにはじまりました。
​米軍は、幌筵海峡(占守島と幌筵島の間の海峡)に錨泊中の日本側艦船を狙っての攻撃でしたが、搭乗員の練度もあまり高くなく、雲や風のため投弾がずれたようで狙いが大きく外れたため、日本側に被害はなく、日本側も投弾されるまで空襲に気が付かなかったため、米軍機も被害もなく、双方間が抜けた初戦となっています。​
2度目の空襲は7月19日で、B25が5機飛来し、11機の二式水戦が出撃しました。これが占守島での452空初出撃となりました。
​しかし残念ながら、敵機発見が遅く、下駄履きの低速ハンデも重なり、爆弾投下後に全速力で逃げていくB25の編隊を見送るだけになりました。​
​当時の日本側にはレーダーはなく、見張り所からの通報が頼りであり、どうしても迎撃だと後手に回ってしまうのです。
加えて島のすぐ隣のカムチャッカ半島は「中立国」のソ連なので、うっかり領空侵犯してしまうと、ソ連から執拗な抗議が来るため、その点を気をつけながら飛ばなければならないハンデもありました(この点の苦労はアメリカ側も同じで、ソ連は「同盟国」の米軍機の侵犯にもうるさく文句を言い、不時着機は押収して搭乗員もほぼ捕虜扱いで長期間抑留するような、とても誠実でない行動をとり続けました)。​
​次の8月12日の空襲時は、二式水戦10機と零観(零式水上観測機のこと)8機が、空襲に来た4機のB25を捕捉、攻撃を加えたものの撃墜には至らず、あとから離陸して追撃した陸軍の隼が、2機撃墜しています。​
隼が撃墜したB25は手負いで速度を落とした機だったので、二式水戦の攻撃で被弾していたのでしょう。
結果として、陸軍に手柄を渡してしまった格好となってしまったので、452空の搭乗員たちは悔しがったようです。
そして三度目の正直、452空が戦果を挙げるのは、9月12日の戦いにおいてです。

​この日占守島周辺の海域は晴天だったため、452空では、早くから上空警戒に二式水戦を出撃させていました(北千島やアリューシャン列島方面は、年中天候が悪い日が多く、晴天の日は少ないので、必然的に空襲できる日も限られました)。​
予感は当たりました。米軍側はB24爆撃機7機、B25が11機からなる計18機編隊で、アッツ島から飛来しました。
最初に敵機を発見したのは、哨戒中の香田克己中尉機と長廻勝秋二飛曹機でした。単機で接近してくるB24を見つけた2人は、攻撃を仕掛けました。
​B24は爆弾を投棄して逃走を図りましたが、2機は反復して攻撃を実施して、高度が下がっていくところまで追いつめました。
しかし新手のB24を発見した2機は、とどめを刺すまでは見届けられず(公式記録では、とてもアッツまでたどり着けないだろうと、撃墜判定となりました)、新たな敵に攻撃を仕掛けました。こちらも1機に白煙を吹かせて、深手を負わせたものの、撃墜に至ったかは不明です。​
​一方、敵機発見の報を受け、迎撃に上がってきた二式水戦5機(加藤禎一少尉、甲木清美二飛曹、八郷勲二飛曹、遠藤司郎二飛曹、大橋光夫上飛(上等飛行兵)の5人)は、B24、B25の9機編隊を捕捉し、これの襲い掛かりました。​
​戦果は2機のB24を撃墜確実(2機とも海に落ちるところを目撃されています)、他数機に有効な打撃を与えました。​
452空の戦果は、撃墜3機、不確実撃墜1機ということで、まずまずの戦果を挙げています。
陸軍側も7機の撃墜を報じており、あわせて10機の撃墜は、北千島の防空戦が始まって以来の大戦果でした。
と、ここまでは日本側の記録にある戦果ですが、米軍側の記録ではどうかというと、B24が3機、B25は7機の喪失で、帰りついた8機のうち、7機が被弾損傷と記録されています。
数の上では、日本側の撃墜戦果と同じで問題なさそうに見えますが、実は喪失のうち7機は、アッツ島にたどり着けず、ソ連領カムチャッカ半島に不時着したものでしたので、厳密には撃墜されたわけではありません。
となると、実際の撃墜数は3機で、うち海に落ちるところまで目撃されているのは、452空の2機なので、陸軍側の戦果報告はかなり過大だったようです。
そうみていると、悪名高い大本営発表を連想する方も多いかもしれません。しかし戦場で戦果が実際より過大になるのは世界中の軍隊でよくあることなので、今回は意図的な嘘ではなく、「被弾して煙を出しながら、高度が下がっていった。撃墜確実だろう」という、思い込みからくる誤認だったのでしょう。
なにせ、多数機の乱戦となれば、次から次と現れる敵と戦い続けることになりますから、相手が落ちるまで、悠長に見届けられることなどありません。
現にこの日の戦果報告は、米軍の方が過大です。
​アメリカ側は日本戦闘機15機撃墜(うち3機は不確実撃墜)と発表していますが、日本側の被害は体当たり攻撃を敢行した陸軍の一式戦1機のみで、452空は全機帰投しており、損失はありません。​
とまぁ、双方の資料を見るとそんな感じになりますが、この日の戦闘は、日本側の勝利と言ってもいいでしょうね。
出撃機の55%を喪失し、損傷機を含めれば、94%の損害を被った米軍側は、年内の北千島への攻撃をすべて断念しました。

そして北千島に敵が来なくなったことで、452空の任務も終了することになりました。
10月1日、部隊改編が行われ、452空は水上偵察機だけを装備する偵察・哨戒部隊となりました。二式水戦隊は順次内地へと撤収していきました。
米軍の北千島攻撃断念を知らないはずなのに、なぜ水戦部隊が解散されたのか、その理由は、北千島の極寒な気候にありました。
北緯50度の占守島は、10月は長くて厳しい冬の季節になりつつありました。水戦隊が根城にしていた占守島・別飛沼も、厚い氷で覆いつくされる季節が来たのです。
沼が凍れば、水上機は飛べません。
こうして、1942年7月のキスカ島から始まった二式水戦隊の戦いは終わりました。同時にそれは、水上戦闘機隊の活動の終わりとなっていきます。
​何故なら、あくる1944年の戦況は、日本の敗色が濃い状況で始まっていくことになります。二式水戦のような水上戦闘機が必要とされた時期(占領した島々で、飛行場ができるまでの間、防空を担当する)は、二度となかったからです。​
452空の搭乗員たちの多くは、零戦などの陸上の戦闘機部隊へ転属していき、二式水戦と別れることになっていきます。
この時期ようやく、海軍が開発を進めた水上戦闘機「強風」が実用化されましたが、戦局の悪化により、本土防空戦やフィリピン戦などで限定的な使用をされただけで、二式水戦のような活躍は出来ぬままに終わりました。
「強風」は、局地戦闘機「紫電」「紫電改」を生む母体となったことで、かろうじて存在意義を残しましたが、二式水戦のような戦果は残すことはできなかったのです。
そういう意味では、大きな存在意義を残して消えていった二式水戦は、恵まれた機だったと言えそうです。





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Last updated  2019.12.02 21:53:35
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