2009年11月22日に行われた「セ、パ両リーグ誕生60周年記念試合・プロ選抜vs
大学日本代表」のこと。
■2回裏、大学日本代表の2番手として登板したのは東洋大・乾真大(3年、東洋大
姫路高)。
先発した斎藤佑樹(早稲田大3年、早稲田実)と同様、二死三塁のピンチを作ったが、
プロ選抜の9番・銀仁朗(西武、平安高)を得意のスライダーで空振り三振に仕留め
スリーアウト。乾は満足げな表情でマウンドを降りた。
乾がウイニングショットに使ったスライダーは、打者の手前で大きく落ちるボール球。
いかに相手がプロの打者であっても、思わず手が出てしまったに違いない。それほど
に見事な球だった。
ただ良いことだけではない。この回、先頭の6番・田中浩康(ヤクルト、尽誠学園高
-早稲田大)を四球で歩かせたのはいただけない。まるで制球が定まらなかった。
特にカウント1-3から投げた球は高めに大きく外れ、「時として制球を乱す」乾の弱点
を露呈してしまった。
いや、この弱点というのは当たっていないかもしれない。正直なところボクは乾を見る
機会が多くないから、ひょっとしたら違うかも? ただそう思ってしまったのには理由
がある。それは以前、こんな試合を見たことが影響している。
■今年(2009年)6月12日に行われた全日本大学野球選手権の準々決勝(対創価
大戦)のこと。大方の予想では「東洋有利」と言われていたこの試合、チームの期待を
背負って先発のマウンドに立ったのが、この乾だった。
だが初回からまるで冴えなかった。ヒットと四球などで一死満塁のピンチを作ると、
創価大の5番・高橋秀信(4年、花崎徳栄高)に対して制球が定まらない。カウント1-2
から投げた内角への直球をフルスイングされ2点適時打を浴びた。
続く2回も制球が乱れたまま。一死一塁で1番・田上健一(4年、創価高。09年ドラフト
では阪神が育成枠で指名)には大きくストライクのコースを外れるボール球を連発。
結局ストレートの四球を与え、堪らず東洋大・高橋昭雄監督はベンチを飛び出し投手
交代を告げた。
この試合の乾の成績は1回1/3、打者10人、被安打4、奪三振0、与四死球2と散々
な出来だった。そしてチームもスコア5-6で創価大に敗退してしまった。
■「制球がよく、打者を見ながら投げ分けることができる投手」。
以前聞いた乾の評判はこうだった。世界大会や日米大学野球への出場経験も豊富。
実力は申し分ないはずなんだけど、残念ながらまだボクは乾の真価を見たことがない。
※乾真大のタイプは、左右の違いがあっても斎藤佑樹に似ているのかも?
そういえば、斎藤も今秋のリーグ戦は制球が少しおかしかったように思う。
いい投手とは、一時的にそういったスランプに陥るものかもしれない・・・。
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