旅について
旅について、プルーストは、こんな風に言っています。ー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes,but in having new eyes. Marcel Proust「発見の旅」の本質は、新たな景観を探し求めることにあるのではなく、新たな観点を持つことにある。 マルセル・プルーストー・-・-・-・-・-・-・-・-・-・今年の春、奈良、京都の旅に行ってきました。ちょうど、桜が満開のころで、東京から京都に向かう新幹線の車窓から見た桜飛鳥の日本の原風景のような里にはらはらとこぼれて咲いていた桜平安神宮の見事な紅しだれ京都の疎水を流れていた花いかだ吉野の山をうめつくしていた満開の桜吉野の西行庵のまだ固いつぼみの桜。さくら、さくら、さくらの旅でした。旅日記を読んでみますと、そのときの光景が細部までよみがえります。でも、さくらが、きれいで見事だったという記憶と共に思うのは、やはり、日本は昔から、文学にもあらわれるように、「さくらの国」なのだという認識の旅だったということかもしれません。