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CHINA QUEST*中国にはまったOL⇒女性社長の人生修行

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2006/12/08
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テーマ:中国&台湾(3304)
カテゴリ:中国の伝統文化

≪白タク運転手夫妻の場合 3.≫

王偉に物申すには、ある程度の予備知識が必要。

金小姐(母親)にいくつか質問してみました。

「学校から帰ったら何してるの?」
⇒「宿題をして、その後友達の所に遊びに行く」

「何時間くらい勉強するの?」
⇒「1日2~3時間くらいじゃないかな」

「得意教科は?」
⇒「理数系はそこそこ、英語は駄目」

「スポーツとかしないの?」
⇒「しない。体鍛えろっていつも言ってるんだけど」

「じゃあ趣味は?」
⇒「ゲームが好きみたい。友達とよく店にゲームしに行ってる」

「友達って、会った事あるの?」
⇒「ある。でも良くない。親も全然構わない、いつも遊んでる子」

ふ~ん…
何を話題にしたものか…(--;;

***********************************************************

その日の夕方、また私は晩御飯を呼ばれに行きました。
いつものように食事。

でも金小姐は「茶碗並べて」「アコ小姐に御飯渡して」と
最低限の事しか王偉に話さない。いつもの小言は出ない。

王偉は言われた通り手伝いはするけれど相変わらず無口で…

何となく冷ややかな空気のような…?

…気ィ使うねんけど^^::

王偉が御飯をかき込むなり立ち上がって、自分の部屋に行こうとした。

「王偉!アコ小姐に『慢慢吃(ごゆっくり)』と言いなさい」
金小姐が言った。

王偉は「慢慢吃(ごゆっくり)」と私に言って部屋に行った。

この後いよいよか…
どう話そう…

食べ終わって、お皿を寄せようとしたら
金小姐が目配せをしたので。

(ーー;;;

…行かねばなるまい。

居間の向こうにある王偉の部屋をノックした。

************************************************************

「エイ!(はい)」と王偉が言ったので中に入った。

多分、5畳くらいかな?

小さなベッドが一つ。
本棚があって。
机があって、その上にデスクトップPCが。
天井には蛍光灯。
コンポやポスター等はなし。

「ごめん、ごめん。ちょっと見学してい~い?」と私。

王偉は「ん」。

私 「何やってんの?^^」
王偉 「……」

私 (ノートを覗き込む)「あっ!英語の勉強か~!偉いじゃない^^」
王偉 (やや微笑む)

私 「どう?難しい?」
王偉 「ん」

…「ん」だけ…(--;;

私 「…ま、まあ勉強ってさ~、はっきり言って嫌なんだけど。でもやってないと
   後で後悔するもんね。私だってさ高校から理数系が駄目で
   『別にいいや、役に立たないから』って思ってたらさ、ところがも~
   今の仕事でさ~物理やら化学記号やら出てきた時に困って困って、ハハ…^▽^;;」

王偉は下向きながら、ちょっとはにかんだような顔。

…話が切れた(汗)

私 「ちょっと本棚見ていい?」

並んでるのは殆ど教科書。
趣味の本とかあればな~

「智能なんとか」って本があった。
  
あ~推理クイズみたいなやつか!

「私、こういうの好きなの。見ていい?」⇒ホントに好き。

王偉が頷いたのでパラパラ見て、何題か、やってみる。
王偉は、側でじっと立ってた。

私 「…お~結構難しいよね~!中国語だし余計に分からないよ^▽^」
王偉 「ん」

「ん」ばっかり。ーー;;;;


え~っと(汗) おっ!PCの画面にゲームが。

私 「ゲームしよ、ゲーム!やっていい?」

言いながら椅子に座った。

これなら王偉も乗ってくるかも!!

「どやってやるの?このボタンは何?」
「これ…(銃を)撃つ、これ…足」

あ、これ、あれか…「バイオハザード」みたいなヤツだ。
素早い動きを要求される、私が不得意なヤツ。。

取り敢えず、やってみる。
案の定、敵のいない所に撃ったり、壁に向かって進んだり…^^;;

「あっ!」「もう!」「ちょっと!」
と、はしゃいでる「フリ」をして。王偉が「一緒にやる」とかって
打ち解けてくれないかな~と思ったけど…


たちまち死んでしまった…


王偉 「死了(死んだ)…」

私 「………(--;;」

「こういうのは駄目なのよ、反応が遅くて^^;;」等と言い訳しながら。


今回は、これ以上は無理だろうと思った。


私 「ごめん。お邪魔しました」
王偉 「ん」

私 「…(考)…あのさ~、お母さん、あなたの事すごく心配してるのよね。…知ってる?」
王偉 「…ん」

私 「私はよく知ってるけど、お父さんもお母さんも朝から晩まで一生懸命運転して働いてるよ。」
王偉 「…ん」

私 「あなたに頑張って勉強してもらいたいと思ってるよ」
王偉 「…ん」

私 「ご両親いい人だから、あまり心配かけないようにしてあげてね」
王偉 「…ん」

王偉は最初から最後まで、少しはにかんだ顔で「…ん」ばっかり言ってた。

「じゃね、バイバイ^^」

*******************************************************

居間に戻ると金小姐が「どうだった?」と小声で聞いた。

「いや~どうもこうも…話さないからしんどかった」

まあ、最後に言いたい事を言ったから…

あ~もう、疲れた!

*******************************************************

この後も金小姐の車には、ショッチュウ乗っていたので
「息子はどうよ?」等と聞いてはいました。

でも、ますます勉強しなくなっていたようで(効果なし雫

その内、私が質問する前に金小姐が愚痴をこぼすようになりました。

中3なので、高校進学もあり勉強しない息子にイライラしていたようでした。

そんなある日。

退勤に金小姐の車を呼んだ時。
私の上司がキリ良く仕事を終われず。

「ごめん、金小姐。あと30分くらい待ってほしいんだって。」
と運転席に声を掛けに行くと。

ハンドルを枕にするように、うつぶせたまま返事をしない。

怒ったかな??(汗)

「金小姐、ホントごめんね~^^;;」

と言った時に顔を上げた金小姐は



…泣いていました。

「どうしたの!!??」

金小姐は目を真っ赤にして。涙があとからあとから伝っていて。

「どうしたの????」

「王偉…昨晩没有回来…」

「ええっっ!!!」

王偉が昨夜から帰っていない…!!??



つづく。


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この話は【七】吃喜糖・・・カギっ子の続きです。宜しければ、どうぞ^^






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最終更新日  2006/12/08 07:59:40 AM
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