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SAROMAN BLUE 鈴木健司

SAROMAN BLUE 鈴木健司

06チャレンジ富士五湖

06チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン完走記
今回で8回目の参加となるこの大会も初めての100キロ挑戦となった。今まではサロマ湖100キロマラソンの為の練習と位置づけてエントリーしてきた。1月10キロ・ハーフ2月に青梅(毎年ではないが)3月に荒川、そしてこの富士五湖で77キロと言うのが習慣だった。しかし今回初めて100キロに挑戦することになった理由としては、チーム兎虎BBQ(うさとら)のメンバーが皆100キロ走ると言い出したからだ。エースノム・チャレンジャーほっすぃ~に加えてHANAまでもが100キロを走ると言ってきた。この状況で一人77キロ言う訳にもいかず100キロのエントリーとなった。結局ノムは奥さんの出産日が一週間後と言うことで出走を見送った。


昨年に引き続き前日NBブースでの販売があり、朝早くから富士急ハイランドを目指す。出発は朝6時。首都高速の混雑にもはまり河口湖インターに到着したのは9時半ぐらいだった。朝食をマックで済ませて販売スタッフと合流。10時半から富士急ハイランド内コニファーフォレストで準備が始まった。1時からはランナーの受付が始まるので12時までにセッティング、それから昼食を摂る。今回はNBシューズとウエアの販売があり、協賛のTIMEX時計も販売された。
前日会場
販売ブースでは翌日のゼッケンを付けて販売した。こうすることでランナーの方と一体感が出て、自分も嬉しいしレース中も皆さんに声を掛けて頂ける。しかしながら3時間半のドライブ&18時までの受付、そして撤収作業を含め19時までのアスファルトでの立ち仕事は、気になっていた腰痛を悪化させた。

その日の夕飯はスタッフとサイゼリアにてカーボローディング!たらこスパゲティのWサイズでお腹いっぱいに!これでもか!と言うくらいに詰め込んだ。これが結果的にレースに大きく影響した。

レース当日の天気予報がめまぐるしく変わっていて、朝のFM富士情報では雨は朝のうちだけと言うことだった。しかし大会の説明会時には段々と降水確率は上がり日中は60%だと言う。最高気温も13℃と寒い気象条件が予想された。宿に着いてからは明日のウエアをベッドに並べ、どうするか悩んでいた。結局予定通り、X-FITライトの半袖とNBのフリーズドライTシャツにアームウォーマーとCW-Xプロモデルロングと定番のスタイルに落ち着いた。

HANA&へろへろの皆さんと同宿だったので、集合時間は4時にロビー。睡眠時間は約5時間取れた。ピヨちゃんにいつも母乳のため、HANAは今回早めに起きて搾乳作業。14時間掛かると考えると途中で搾ることはできないので入念に行っていた。天気は曇りで雨が降っている様子はない。真っ暗な富士吉田市内から富士北麓公園を目指して出発した。

そして4時15分頃に到着。今回は手持ちのカメラでの会場撮影よりも人探しが先となった。それは前日の夜に雑誌『FORM(フォルム)』の方からレースの様子を写真で撮って欲しいと依頼があったのだ。もちろん初めからデジカメを持って走るつもりだったので了承したが、雑誌社の方との面識がない。連絡手段の携帯電話もFOMAは圏外で役立たずだった。と言うことで人探しをしつつ競技場周辺で、お客さんなどと挨拶を交わす。結局会えないままスタートとなった。
今回のスタイル兎虎BBQ&へろへろ

スタート3分前に兎虎BBQ&へろへろの皆さんと合流して記念撮影!今回は11時間台と豪語していたアート鈴木はスタートするとみんなに『さあ鈴木君は行って行って!こんな後ろに居ちゃダメだよ!』と急かされ先を走り出す。腰の状態も本当に悪く、前傾姿勢や足を大きく踏み出すとズキッと痛みが走るので、まっすぐ姿勢を良くして膝を上げずにすり足走法で走り出した。

ペース配分は仮想6月のサロマ湖と言うことで、キロ6分30秒ペース。休憩を入れて5キロ35分で走り、フルマラソンは5時間、50キロは6時間と決めていた。スタート時から空には青空も見えてきていて、すぐに雨が降るような状態ではなかった。富士山も山頂だけは雲に隠れているが、雄大な裾野が広がっている。

5キロの通過は32分39秒・10キロの通過は1時間03分38秒(30分58秒)と良いペース配分となった。決して速すぎると言う感覚がない。腰に負担を掛けず、いつまでも走れそうなペースだ。

最初の山中湖までは基本的には登りとなる。まだ時間も朝早く車の通りも少ない。また地元の応援もほとんどないので涼しい空気の中ランナーの足音だけが聞こえる。時折知り合いのランナーを見つけては会話を楽しんだ。

しばらく一人旅になることもしばしばでトイレに行くタイミングを見つけようとしているうちに山中湖湖畔に辿り着いた。富士山がさらに大きくランナーを迎えてくれる。前方に八百さんを発見するものの、トイレ優先となってしまいこれ以降会うことはなかった。トイレ休憩は後に待っている人も居なかったようなので、ガッツリと5分掛けて用を済ませた。トイレ休憩もあり15キロは1時間42分42秒(39分04秒)。
山中湖からの富士山エイド山中湖山中湖にはこんなところも富士山残念
山中湖湖畔は意外とアップダウンがあり時々呼吸が上がる時がある。今回も心拍数で140を上回らないようにチェックし、登りでは頑張って150以内で走ることに決めた。山中湖周回中エイドは3カ所と少ない。約5キロに1回なのでエイド間が長く感じた人も多いだろう。クジラのシッポ(山中湖の形)付近の登り坂で夜久さんに後ろから追いつかれた。夜久さんは良いペースで走っていたので、付いて行くとオーバーペースになりそうだった為2キロ程並走して先に行っていただいた。

20キロの通過は2時間15分36秒(32分54秒)

山中湖に別れを告げ河口湖を目指し、今度は下り中心のコースとなる。基本的に来た道を戻る感じになるが、段々と交通量が増えてきてランナーは一列で進む。25キロ2時間50分40秒(35分04秒)。30キロ3時間22分47秒(32分06秒)。淡々と走っていたのでこの辺りの記憶があまりない・・・。32キロのエイドステーションではスペシャルドリンクのグリコーゲンリキッドとプロテインの補給を行った。途中のエイドでも食料は摂っていたが、パンなどが中心で糖質が欲しい状態だった。やはりこのスペシャルは美味しくて効果のある最高の組合せだ!効果は10分から15分で感じる事も出来る。

国道138号線に出てここからは歩道を走るのだが、狭く細かなアップダウンが足にダメージを与える。心拍数も気持ち高くなってきた。次の富士急ハイランド前のエイドまで猛走会の女性と一緒に走った。キロ7分イーブン(補給・信号待ちを含む)で問題ないペースだった。35キロは3時間59分58秒(37分10秒)。

富士急ハイランド前にはおにぎりが登場する。そのおにぎりを勧めているお兄さんが面白かった。『ごまのおにぎりあるよ!おにぎり小振りだよ!お味噌汁も美味しいよ!飲むとあの頃を思い出すよ!』思わず声を上げて笑った。『あの頃っていつだ?』お兄さんに元気を貰ったので写真を撮らせてもらった。お兄さんは困惑気味だった(笑)『なんで俺なの?』
面白お兄さんお兄さんに撮って貰いました!
その後は国道沿いの歩道のアップダウンを繰り返し、河口湖大橋へと下って行く。お客さんと話をしながらペースを作る。信号待ちなどもあるので40キロは4時間36分51秒(36分53秒)。キロ7分ちょっとで問題ないところだ。

ここからお話をして走り出したランナーは富士登山などにチャレンジしている都築さんと100キロの初完走を目指す谷内田さん。アートスポーツの宣伝もしながら楽しい時間が続いた。河口湖大橋を渡ると約フルマラソンの距離となるエイドステーションに到着した。昨年までは77キロで早い時間に到着したので、盛り上がっていた会場だが今回は非常に寂しい・・・そして食べ物もあまり多くなかった。
河口湖大橋
トイレ休憩をしたかったが仮設トイレが1つしかなかったので、先に延ばしにした。河口湖美術館の近くでは桜も咲いていて日曜日と言うこともあり観光客が多く見られた。桜・河口湖・富士山と絶好の景色が広がっているが、今日はあいにくの曇り空・・・。でも気分も晴れるような良い景色だ。河口湖猿回し劇場を過ぎるといつもお世話になっている『へろへろ』の応援部隊の車とすれ違った!『頑張って~!』の声援に応える。
河口湖の桜
この辺りは応援も少なくランナーも100キロランナーだけなので非常に寂しいところだ。トイレを探しながらもなかなか見当たらないので黙々と走り続ける。先ほどの谷内田さんともまた並走が続く。45キロを気が付かないまま47キロのエイドに到着。こちらには先日のブース販売いたタイメックスの方々が応援してくれている。ここでやっと雑誌『FORM(フォルム)』の方とお会いすることができた。多分途中で会えると思っていたので、ちゃんと名刺を持って走っていたので変な感じだったが名刺交換をした(笑)引き続き自分のデジカメで写真を撮ることをお約束し、51キロの西浜小学校を目指した。

並走する谷内田さんは雪の時に47キロまで完走、昨年は50キロでリタイアしてしまったと言うことで、今回は3回目のチャレンジだ。50キロは5時間51分39秒(1時間14分09秒:37分05秒)前半の貯金をうまく使いながら予定通りの6時間以内。正直サロマ湖と変わらないタイム。かなり好調だと感じた。そして1キロ先の西浜小学校への登り坂が始まる。谷内田さんは昨年この坂の途中の収容車から仲間の方に呼ばれ登り切らずにリタイアしたと言う。『きつい坂ですけど、頑張ってエイドまで歩かずに走りますよ!』最後の方はキツかった。もう一人阪神のユニフォームを着た人と3人でエイドへ辿り着いた瞬間、大きく息をついた。

やっとついた西浜小学校。 ここは117キロ・100キロの最初の着替えエイド。やっとトイレに行くことができる。シューズを脱いで体育館の中へ。ここであまり休んでいる時間はない。次の6キロ先にあるうどんエイドでも時間を使ってしまうのでなるべく早く出発しよう。谷内田さんに『膝が痛くなってきたんですけど、走り方のコツとかありませんか?』と聞かれ『みんな痛いんですよ。我慢です!』とアドバイスにならないアドバイスをしてしまった(反省)
出発しようと坂の後方を写真でパチリ・・・。誰か登ってくるかな・・・?えっ!?あの赤いのはHANA!?おいおい・・・。もう追いつかれるの?少しだけ話をしてペースを崩したくなかったので『先に行くよ!』『そうして!走りがいがあるから!(笑)』ドキッとした言葉だった。
西浜小学校から・・・あの赤い人は・・・?

HANAは産後9か月。荒川の市民マラソンでは5時間30分掛かっているのに、それと変わらないペースでここまで走ってきている。しかも『へろへろ』さんと走っているから『へろへろ』の誰かが先に追いついてきて『HANAさん頑張っているよ!』と声を掛けられると想定していたが、なんと一番最初に姿を見せたのはHANAだった。この後も順調に走ってくるはずだ。逃げるように先を急いだ。

西湖までの峠はかなり急な登り坂。西浜小学校からも急な登りが続く。しかし練習で陣馬高原下から和田峠のアスファルトを走っていたので、ゆっくりでも確実に走ることができた。西湖に出るとアップダウンはほとんどないものの風を感じるようになってくる。そして湖畔沿いのくねった道が何ともイライラしてくる。さらにお腹が段々と空いてきた。ここまでお腹に詰め込んできたものは俵おにぎり1個とパンを何切れか?そしてスパシャルドリンクぐらいだった。うんどまでもう少しだが、集中力が切れはじめ歩きが少し入ってきた。

55キロは6時間35分55秒(44分15秒)。文字通り西湖はサイコーにキツい(><O)
西湖、キツいっす
西湖湖畔を離れると前方に77キロのトップランナーが下り坂を下ってくるのが見え、西湖の反対側へと消えて行った。速いなあ~。歩いたり走ったりしながらうどんエイドを目指す。やっとのことで到着したエイドで具のない素うどんだが、とても美味しかった。1杯目を食べ終わったところでエイドに近づいてくるHANAの姿が見える。もう来たか!2杯目をもらうと同時にHANAにもうどんを渡す。かなり快調そうだ。自分もだいぶペースが落ちていたしなぁ。ここでうどんをしっかり食べてスペシャルを摂って本栖湖までの12キロを乗り切ろう。
うどんエイドでスペシャル補給!
うどん2杯とスペシャルドリンクに要した時間は約10分。結構のんびりした感じだ。ここからはしばらく登り、その後青木ヶ原樹海大橋を下り精進湖へ向かう。この辺りから戻ってくるランナーが増えてきた。その中でアートスポーツオリジナルスケルトンジャケットを着ている人を発見!思わずパチり!アート鈴木と分かったらしく『これ?』と指を指す。
アートオリジナルウエアです!
60キロ7時間31分49秒(55分54秒)やっぱり休み過ぎ。50分でカバーしたかった。スペシャルのおかげでペースは回復。HANAを前に走らせ無理のないペースで進んでもらう。毎度おなじみの写真だが青木ヶ原樹海大橋。この先に信号を渡って精進湖となる。
青木ヶ原樹海大橋
コースの折り返しとなる本栖湖駐車場までは8キロくらいか? 毎年77キロでは本栖湖の奥に行くのがしんどかった。今回はそれがないので気持ち的に楽だ。精進湖は小さい方なので走り通して一気に本栖湖を目指そうということになった。しかしアート鈴木はトイレ大に行きたくなりHANAを先に行かせた。これで2回目。昨年は45キロで腹痛に悩まされていたのでそれを考えるとお腹も順調で安心した。

精進湖を抜けたエイドステーションでHANAに追い付く。ここから本栖湖まで3キロ。帰ってくるランナーにたくさん会えるし元気を貰いながら声を掛けて元気に走ろう!と、集中して走れれば3キロがあっという間に過ぎると思っていたが、実際いつもよりも長く感じた。たくさんの知り合いのランナーの写真を撮ったり、すれ違う全員に『ガンバです!』の声掛けをして走った。戻ってくるランナーが一段と多くなってくる。本栖湖はまだか?
折り返しランナーが多いです!
本栖湖へは地下道を潜って反対側に渡らなくてはならない。この辺りから霧雨が降り始めてきた。エイドの入口では折り返しのチェックがゼッケンに入れられる。やっと到着した本栖湖。たくさんのランナーが休息を取っている。補給のテントはとても賑わっていた。今回の着替えはここでのみ。X-FITライトの半袖をオールシーズン長袖にチェンジ。そして長袖の上にさらにアームウォーマーを重ねた。気温が下がってきているので少し寒く感じたが、走り出せば問題ないだろうと長袖をタイツの中にしまってお腹を冷やさないようにした。

この本栖湖エイドは100キロの折り返しポイントであり、117キロ・77キロのランナーにとっては通過点に過ぎない。これから本栖湖の奥を目指すランナー、そしてゴールを目指すランナーと入り交じる。そんな中たくさんのお客さんを見つけては話に花が咲く。『あ~!鈴木さ~ん!』と言う声がとても嬉しい。結局このエイドで30分くらい過ごしてしまったか?後方を走っていた『へろへろ』の皆さんやアンドゥ里美さんも到着した。
きりがないので折り返してゴールを目指すことに!すると雨がシトシトと降り出してきた。HANAはビニール袋を被る。自分は濡れるのは苦ではなかったのでそのまま走り続けた。しばらくすると雨は止み、HANAの着ていたビニールの中に汗が溜まってくるのが分かる。段々と向かい風のせいか?体温が上がりにくくなっているせいか寒く感じるようになった。

70キロ 9時間14分18秒(64分59秒)なんと1時間を過ぎてしまった。本栖湖に到着した時間を確認していなかったので休んだ時間は確かではないが、休憩時間の計画を立てるべきだったと反省した。さすがにもう本栖湖を目指すランナーも少なくなってきた。仲間のほっすぃ~の姿が見えなかった。どうしたかなぁ。

帰り道は精進湖は回らずに、青木ヶ原樹海大橋を目指す。行きに長く感じた精進湖までは意外と早く過ぎた感じがした。前方に橋が見えてきた。77キロで参加しているとここは登り切って50キロ地点。今回は70キロを過ぎたところだ。サロマ湖に例えるなら鶴雅リゾート(おしるこエイド)までの長い平坦な直線道路だ。いつも時間に追われ自分を追い込んでいる場所。しかし今回はゆとりがある。それはカラダ的にもそうだし、精神的にもリラックスした感じだ。

青木ヶ原樹海大橋を前にHANAに『どうする?』と聞かれ『そりゃ走るに決まっているでしょ!』と答えた。再び並走していた谷内田さんにも『元気なうちに走って登った方があとあと良いですよ!』と。西浜小学校付近に続いて走らせてしまった。とても長く先まで見える橋だが、少し下を向きしっかりと腕を振った。登ってしまえば大したことはないと坂の上のエイドでひと休み。

次のエイドはうどん。距離にして約5キロ。なんとか踏ん張って温かいうどんを食べよう!と走り出して75キロ通過は9時間55分51秒(41分32秒)登り坂中心の5キロで約キロ8分でカバー。いい感じだ。国道139号線を離れ西湖へ向かう道に入ると下り坂だ。ここでは膝に負担が掛かりそうだったので歩くことに。

ここまで77キロあと1キロでうどんのエイドに到着する。自分より1歩先を走っているHANAを見てつくづく思ったことがある。『すごいね、HANAって』何度も口にしてしまう言葉。この小さなカラダにどれだけのパワーがあるのか?弱音を吐くこともなくただひたすら前を向いて走っているHANAがすごく輝いていた。一緒にゴールをしよう。目指す先は同じゴール、残り数時間の走りを楽しもうと考えた。

そしてようやくうどんエイドに到着。ここではアンドゥ雅美さんが待機して里美さんの到着を待っていた。『あと22キロです~!頑張って~!』甲高い雅美さんの声は遠くまでも聞こえてくる。
うどん2回目
温かいうどんを縁石に座りながら頬張る。今のところ『力石モード』の兆候は見られない。食欲もあるし気力も充実している。3回目のスペシャルドリンクは温存しておこう。ラスト20キロ分にしっかりとっておかないと。HANAと作戦を練る。この先は2キロ先に第3関門の西湖公民館があり、その先の西湖湖畔のコースは良いイメージがない。蛇行しいつまでたっても終わらない西湖にイライラするところだ。まずこの2キロをしっかり走りいいリズムで西湖の後半を走ろう。

エイドを後にして再び下り坂を走って行く。右折すると湖畔に沿った道路だ。しかし湖畔沿いでもアップダウンが続く。少し木の茂った静かな道。ランナーの姿もまばらだ。この2キロが長く感じる。そして80キロに到着。

80キロ 10時間42分37秒(46分46秒)つい癖で制限時間までの計算をしてしまう。3時間20分あればゴールは確実だ。今のペースも休憩を入れてキロ9分だから問題ない。
西湖公民館
この先トイレがないのでHANAと共にトイレ休憩をとり、更にスペシャルドリンクを飲み干した!『こっからが長いね。気合い入れて頑張ろう!』後方から『へろへろ』のゆきさん・小川さんがやってきた。後半の貯金を作る為にペースを上げてきたようだ。自分達よりも後に到着し、先に出発して行った。100キロの初完走を目指すゆきさんには頑張って欲しい。

しばらく進むと西湖が見えてくる。いつもと違い今日は下を見ずに前を向くことができる。ペースも確実に刻んでいる。いつも歩いてしまっている西湖を走れている自分に心の余裕ができた。しかし隣を見るとちょっと疲れ気味のHANA。なかなか終わらない西湖がやはり苦手・・・。
西湖湖畔
もうすぐ西湖も終わりと言う地点で山からたくさんの猿が降りてきた。こちらに近づいてくる様子は全くなかったが、こちらを不思議そうに見ている。一瞬和んだ瞬間だった。西湖も終わり次の西浜小学校エイドまではあと少し。トンネルをくぐりその先の眼下に河口湖が見えてきた。やっと戻ってきた。
眼下に見えるは河口湖
行きに走って登った坂は帰りにもちろん長い下り坂。もちろん歩いて下る。小学校で小休止。ランナーの中にはエイドをパスして先を急ぐ人もいる。ペースを崩すない為にはそれも手なのかもしれないと思った。しかしこの後のエイドまでは非常に長いのだ。いつも歩いているからかもしれないが、湖畔沿いを進むせいかなかなか辿り着かない。
この下りがキツい
85キロ 11時間26分34秒(43分56秒)
なんとかキロ9分は切っている。走っているペースは8分と言った感じだ。この辺りで一段と足が重くなった。少しずつではあるが登り坂になっているのだ。呼吸は苦しくない。ふと湖畔沿いの公園でソフトクリームを食べているランナーを見つけた。そうだった、あれだけお客さんに言っていた小銭を自分は忘れていた。それを見た時思い出したが、忘れる為にソフトクリームからは目を反らした。もうすぐエイドだ、そしたら補給できる!頑張れ!自分に言い聞かせた。

88キロ河口湖遊園駐車場エイド。ここは2年前77キロ出場した際に自分がもうゴールできないと諦めたエイドだった。昨年ここを通るときは1人だったのであまり思い出さなかったが、今回はまたHANAと一緒に走っていることで記憶が蘇ってくる。結局この先の67キロ地点でリタイアしたのだ。今回は後12キロの距離と体力を考慮しても問題なさそうだ。

次のエイドは93キロの最終関門。いよいよ本格的な登りが始まろうとしている。

90キロ 12時間11分03秒(44分28秒)
河口湖大橋の道まで出ると国道までは緩やかな登りだ。信号待ちを終えいざスタート!少し行ったところで足が止まる。早歩きで腕をしっかり振った方が足が出るのだ。HANAと2人でこの作戦に変更!すると『HANAさ~~ん!アートさん!頑張れ~!頑張れ~走れ~!』と聞き慣れたへろへろあつさんの声が聞こえる。昼間はいなかったのにどうやって来たの??わざわざ応援に?この声には走りで応えるしかなかった。次のエイドまでなんとか走るとあつさんが遠くからまたまた声援をくれる。嬉しい!!ありがとう~!

ここは93キロのエイドステーション。これ以降坂を登りラスト2キロの地点までエイドはない。つまり5キロはエイドなしで登り坂をクリアしなくてはならないのだ。しっかり補給しなくては!と思ったのも束の間、温かい飲み物はなんとお湯だけ・・・。食べ物はそんなにたくさんなかった。それでも応援やエイドのボランティアに力を貰い、船津口登山道の交差点を目指してスタートした。

信号に従って進まなくてはいけないこの大会は気持ちの持ちようで『赤になってくれ!』と『赤にならないで・・・』と思うことがある。この船津口登山道の交差点では『赤にならないで・・・』と言う気持ちだった。それは坂道に向かって渡る信号が青だったから!そう信号を渡ってから右折するのと、右折してから向こうに渡るのでは、先に右折した方が先を急げるのだ。時間に余裕がなかった訳ではないが、さっき休憩したばかりだったので少し走り続けたかったのが正直なところだ。

結局ギリギリのところで右折できず信号を待つ。再びランナーの集団ができ青信号を待つ。さあ約5キロの登り坂がスタート。足元の歩道が走りにくいため下を向いて黙々と走る。緩やかな坂と感じたらそこは走る!キツかったら歩く!これがこの最後の坂の走り方だ。ここを走ることができないので残り7キロでも90分は残しておきたいのだ。
登りが始まっています
しかししばらく進むと急な坂に感じてしまうのだ。とりあえず歩きは早歩きで!所々で走り出しては早歩きが続く。しばらく歩きながら周りのランナーと『間に合いますかね~?』『大丈夫ですよ!』と会話を交わす。『この坂が走れるようになればね~。ここで時間食っちゃうんだよな~。』みんな条件は一緒なのだ。歩きが続くと少し回復する。

95キロ 13時間02分12秒(51分09秒)
やはり歩いているだけあってペースは落ちた。あと2キロこの坂が続くのだ。ペースアップ兼ねて『あの電柱まで走ろう!』と言っても100メートルくらいだ。目印の電柱に辿り着き歩く。『あ~キツい!』そしてまた『あの電柱から走ろう!』と100メートル先に目標を定める。そして電柱手前で『じゃあその先の木まで!』木の近くに来ると『じゃああの自動販売機まで!』と数メートルだけ距離を伸ばす。すると自然と良いリズムになってくるのだ。気持ちも高ぶってきて歩いているよりも楽しくなってくる。

そうこうしているうちに、坂の最終地点に近いT字路が見えてきた。ここまで来れば、もう坂は終わりだ。いつのまにか歩かずに走り続けている。へろへろ&アンドゥ雅美さんの応援が幾度となく車で通過する。やっと坂が終了したと同時に雨が降り出してきた。そして霧雨の中下り坂の先に暖かな光が見えてきた、最終エイドだ。

ここでまたへろへろの皆さんが応援してくれている。そして寒い中温かい飲み物を出してくれるボランティアの皆さん、ありがたい。さあラスト2キロ登り坂はない。気持ち良く走り切るだけ!気持ち早く走っている気分になる。冷たい雨がカラダを濡らすが走っている分には気にならなかった。富士北麓公園まで500メートルの看板を左折するとスタート時に登った急な下り坂が迫ってくる。ここでは慎重に歩きを入れながら下って行く。

段々と明るいゴールの北麓公園の明かりを感じるようになってきた。公園の手前から再び走りはじめ、スタートゲートのあった場所を通り過ぎると競技場の入口にたくさんのランナーが応援してくれている。『おかえりなさ~~い!』感激の瞬間だ!競技場内に入るのに外周を少し回り中へ入って行く。
ずっと並走していた谷内田さんと握手を交わし『おめでとうございます!感動のゴールを!』と言葉を交わした谷内田さんはレースを振り返り涙を浮かべていた。それだけ100キロのゴールはいろいろと経験させてくれる魅力のあるレースである。

アート鈴木とHANAは久しぶりに一緒のゴールを迎える。2004年のくびき野以来1年半振りの一緒のゴール!今回の一緒のゴールは予想外だった。自分が先にゴールし、HANAを迎える。それが自分のシナリオだった。結局自分のタイムが悪かったのがそもそもの原因なのだが、それにしてもHANAはすごい!後ろ姿を見ながら走って、何度思ったことか。最高のパートナーだと。

そして手を繋ぎ100キロのゴールテープを切った!タイムは13時間47分18秒!
富士五湖ゴール富士五湖ゴール2
ゴール後の主役はHANA。そりゃ産後9か月で100キロ完走ですから!それを感じさせない走りは立派だった。おめでとう!また一緒に100キロを走ろう。

続いてアンドゥ里美さん&へろへろゆきさんの100キロ初完走が続いた。それぞれみんな長く苦しい100キロだったと思うが、いろいろな経験ができたはず。今回の富士五湖100キロはアート鈴木にとって21回目の100キロチャレンジだったが完走は15回・リタイアも6回している。これだけ走っても同じ100キロなんて1度もないのだ。たくさんの仲間とお客さんランナーと一緒に走る楽しさもあるが、自分と向き合って頑張ったり諦めたりの葛藤がある。走れない自分に嫌気がさしたりもした。それでも走り切った時の達成感は何物にも代えられない。この感動を感じたいが為に毎年100キロを走っているんだと感じた。
アンドゥと!
今年はサロマ湖・くびき野とあと2本の100キロのレースを予定している。そこにはどんなドラマがあるのか?予想がつかない。それもまたウルトラマラソン。

 5キロ      32分39秒
10キロ   1時間03分38秒  30分58秒
15キロ   1時間42分42秒  39分04秒
20キロ   2時間15分36秒  32分54秒
25キロ   2時間50分40秒  35分04秒
30キロ   3時間22分47秒  32分06秒
35キロ   3時間59分58秒  37分10秒
40キロ   4時間36分51秒  36分53秒
45キロ   計測忘れ       37分24秒
50キロ   5時間51分39秒  37分24秒
55キロ   6時間35分55秒  44分15秒
60キロ   7時間31分49秒  55分54秒
65キロ   8時間09分19秒  37分29秒
70キロ   9時間14分18秒  64分59秒
75キロ   9時間55分51秒  41分32秒
80キロ  10時間42分37秒  46分46秒
85キロ  11時間26分34秒  43分56秒
90キロ  12時間11分03秒  44分28秒
95キロ  13時間02分12秒  51分09秒
100キロ 13時間47分18秒  45分06秒
06チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン写真集
最後にコース途中でたくさんお会いした皆さんありがとうございました!

皆さんの応援が僕の力になっています。完走記中に皆さんをご紹介できなくて申し訳ありません。

今後ともアートスポーツ&アート鈴木をよろしくお願い致します。


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