12チャレンジ富士五湖112キロ完走記第1章今年で5回目となるチャレンジ富士五湖112キロへ参加。当初2010年12月に剥離骨折した左くるぶしの違和感も拭えなかったので参加を見送る方向でいたが、やっぱり今年こそは富士五湖・野辺山・サロマ湖の3レース完走を達成したいという目標を掲げて、チャレンジ富士五湖と野辺山へのエントリーを決めた。このチャレンジは2010年にトライしたが、初戦の富士五湖で敢えなく関門でリタイア。その後の野辺山とサロマ湖はクリアしたものの、達成感は乏しかった。そんな想いを内に秘め、チャレンジ富士五湖を迎えた。 しかし正直昨年よりもウルトラ対策を行えたかというと、全くできていなかった。体重の増加、練習量が上がらずマラニックスタイルは皆無だった。付け焼刃で行った仕事帰り午後9時から午前3時までの42キロマラニックは、平坦なコースばかりになってしまいカラダを動かし、食べながら走る練習にはなったが、自分の中では納得のいくものではなかった。なんとかマラニックをやったという安心感を頼りに当日を迎えたのは確かだ。 クリニックでは皆さんに高い目標を掲げてください!と伝えているが、自分の練習量が伴っていない為、僕自身の高い目標が『完走』になっている。タイムへのこだわりはないし、如何にして100キロという距離をゴールまで走っていくか。それがいつも最大の目標である。 前日は恒例の販売応援!昨年は走りだけに集中できたが、今年は4時45分に目覚ましを掛けて、5時過ぎに出発!河口湖に7時に到着した。唯一ipad2を接続できるマクドナルドで約2時間時間を潰して、9時に富士北麓公園体育館に到着した。 荷物の搬入と品出しを行い、午後1時からのエントリー開始を待った。会場にはたくさんのお客様が僕のこと見つけてくださり、話に花が咲く。また会場で配るウルトラマラソンラップ表100部は1時間足らずでなくなった。今年はあっという間に時間が過ぎ、16時半からは撤収作業を始め18時の鐘と共に終了した。 その後の行動は、まず腹ごしらえ!食べたい物を食べる主義なので、まずはラーメン屋幸楽苑に行って、ラーメン大盛・半チャーハン・餃子と定番をペロッと完食!これで普通の人はお腹いっぱいになるのでしょうが、僕の胃は満足しない。車に乗って、向かい側にある朝行ったマクドナルドへ!所要時間10秒(笑)甘い物もいいかなと思いつつ、頼んだのはチキンタツタセット!もちろんポテトもついて!滞在時間は両方で約1時間。その後朝ご飯を調達でコンビニに寄って、ミニシュークリームと草大福を買った。もちろん明日の朝の分だ。 お世話になる松籟荘は忍野にある。コースにもなっているので近くて便利だ。今年は1人だけの宿泊となったが、到着すると地元コアスポーツの皆さんが盛り上がっており、その輪で楽しい時間を過ごした。そして速攻でお風呂に入り、20時から翌日の準備に取り掛かることが出来た。 準備と言ってもナンバーカードを付ける。エイド行きの荷物を袋に入れる。スタート時に持つポーチの確認とデジカメのセット。そして最終はウエアリングのチェックだ。駐車場の混雑もあるので、明日の朝は3時には会場に居れるように2時起きを決めた。21時就寝。 当日の朝を迎えるまで夜中に何度と目が覚めた。寝坊してしまわないか、1人だとちょっと不安だからだ。結局1時50分に起きたのをキッカケに準備を進めた。起きて窓を開けてみるが、さほど冷たい空気ではなかった。過去3年の方が放射冷却でもっと冷え込んだ感じだ。予報は曇り時々雨。後半は必ず降り、雨足は強くなる予報だ。 天気予報を元にウエアリングは予定通りに決めた。雨対策のファイントラックは本栖湖まで温存。上半身は肩バランスアンダーにNBのレインボーシリーズのピンクTシャツにアームウォーマー。下半身はコアバランスタイツ(インナーとして)にCEPハーフタイツとCEPコンプレッションハイソックスとなった。シューズはNBのM1080を履いて行く。後半用にNEWTONグラビタスを本栖湖に置いておくが、必ず変えるとは決めていなかった。 後半のウエアリングは、ファイントラックのフラッドラッシュスキンメッシュのノースリーブにクラフトのゼロロングスリーブ、そして交換用のアームウォーマーとグローブを用意した。ジャケットはモンベルのライトジャケットで対応する。 予定通り荷物預けの体育館に3時に到着する。『今年は1人ですか?』と何度となく聞かれたが、お客様がたくさんいるので問題ない。『鈴木さんに着いて行きますから!』の声には『前半は速いので、後半捕まえてくださいね!』などと会話をしながらスタート地点の競技場内に向かった。競技場でも100キロのランナーが声援を送ってくれた。中には『いまどこの店舗にいるの?』とか『ブログいつも見てます』と嬉しい言葉を掛けて頂く方も多かった。 いざスタート!の前にサプライズゲストのはるな愛さんが登場!ランナーのテンションが一気に上がる!そしてカウントダウンと共に112キロのスタート切った。 今年で5年連続の112キロ出場となる。チャレンジ富士五湖は毎回ちょっとしたコース変更があり、まったく同じと思っているとあれ?という時がある。今年はどうかな?と思いつつ、競技場を出て坂道を登り始めた。見上げた先に富士山は見えない。深い霧が立ち込めている為だ。この霧、サロマ湖だと、もの凄い晴天の前触れ。今日に関してはそれはないな。走り出してすぐの登り坂なので、カラダを前傾させて走って行く。2キロを過ぎるまでは下り坂が始まっているので、無理はしない。 すると、霧のせいで道の左側の溝で大会関係車両が脱輪している!相当深い霧だというのが想像できるだろう。そこから長い下り坂が始まった。心拍数は落ち着いている。下りに入って135前後で6分10秒くらいだ。飛ばし過ぎずブレーキを掛けずに走る。周囲を見ると皆さん速い。こちらだって6分なのにどんどんと背中が小さくなっていく。そこはマイペースを維持するのみ、周りは関係ない。時折、お客様が声を掛けてくれて抜いて行く。『おはようございます!楽しんでマイペースで!』 富士五湖の有料道路を潜ると右折してやや平坦になる。この先富士山アリーナまでは基本的に下りだ。手元のポラールではペースをメインに表示させている。下段にペース・中段に距離・上段に心拍数だ。昨年は心拍数を基準に140を越えない組み立てで進んだ。今年もその予定だったが、シューズがいつもと違ったのでまずはペースを基準に心拍数を管理した。1つのページに必要な項目が表示できるので、僕はポラールを愛用している。 間もなく5キロの表示が近づいて来た。今回はデジカメで距離表示を残しておこう!これくらいのゆとりが必要だ。と、いうことでパシャ! 5キロ 31分45秒 スタートラインまでは30秒くらいだったかな?はるな愛さんに夢中で確認しなかった(笑)まあ、31分として6分10秒ちょっとだから問題ないでしょ。最近のレースではこの入りの5キロ31分台が普通だ。貯金の基準となるキロ7分ペースよりも最初の5キロで3分貯まるので、気持ち的にゆとりができる。この先は山中湖まで緩やかな登りが続くので、貯金もすぐになくなるさ。すぐに5キロのエイドが見えてきたが、ここはリズム重視でパス。その代わりにウエストポーチからフラスクを取り出してショッツを摂取する。その先の信号が青に変わったので、ここから急いでも間に合わないのですぐに歩き出した。 前方には渡り切ったランナーが狭い歩道をゆっくり進んでいる。信号待ちはストレッチしながら待ち、信号が変わるとダッシュをする人など様々だ。僕は短い信号なので、シンガリに回り込み歩道へ。常連さんと『1000人近くも居たら、そりゃ混みますね!』と話しながら走り出した。 この辺りにはいつもならばもっと前にいるランナーを見掛ける。話を聞くと駐車場に入れるのに時間が掛かり、4時30分のスタートに間に合わなかったらしい。後からこの話はたくさん出てきたので、今後の対策が必要になってきそうだ。 国道沿いの狭い歩道を抜ければ、忍野八海への入口となる。この道は近年道幅が広くなり走り易くなったが、その分アップダウンが増えた気がするのは気のせいかな?すると先を走るランナーが後ろを振り返り、カメラを構えている。歓声が入り混じり、笑顔が浮かぶ。そう、富士山が顔を出したのだ!あれだけガスっていたのに、雨予報だというのに富士山を拝めた。何かいいことがあるかもしれない。ランナーは自然とペースが上がる。この後も富士山が綺麗に見えるポイントがある。それは宿泊でお世話になった松籟荘の近くだ。松籟荘の部屋からは、晴れていればバッチリ富士山が目の前だ。例年は桜と富士山が見られるポイントとして人気だが、今年は寒く桜がまだ咲いていなかった。 ファナック通りを進むと徐々に登りが始まってくるが、走れない登りではない。またここで時間が掛かっても帰り道は下りなので、往復でチャラにできる計算だ。 10キロ 1時間03分14秒 31分29秒 信号待ちがあっても飛ばしている感じはない。呼吸も安定している。まだまだ抜かれるのが多いのはやはりスタートに間に合わなかったランナーが多いからだろう。するとトレイルランナーの相馬さんらしき人が猛スピードで走り抜けて行った。UTMFの為の練習だろうな。あっという間に消えて行った。こちらはエイドを利用してアミノダイレクト5500を1本摂取する。そして少しお腹が空いてきたので、ハニースティンガーのグミを食べて噛みながら満腹中枢を満たした。あれだけ夕飯を食べたのに、ここでお腹が空くとは思わなかった。 山中湖が近づいてきた目印となる送電線付近で100キロのトップランナーが現れた!例年とほとんど変わらない位置で追いつかれた。自分のペースも悪くないということだ。山中湖到着し、ここでいつもクリニックを利用頂いているKさんと並走する。足の痛みの不安があるということだが、足元はお揃いのNEWTONとCEPで快調なようだ。富士山が見えるように写真を撮ってみたが、うまく写っていなかった。 山中湖で3つあるエイドの1つ目に到着したが、やはりお腹に溜まる食べ物はなくチョコレート・飴・梅干などが中心だ。ここも水分だけでパスしてポーチからグミを取り出した。そして『トイレ行ってきます!』と反対側にあるセブンイレブン脇の奥まったトイレに駆け込んだ。昨夜の食事も消化されてきたようで、ここでスッキリさせればあとは安心な気がした。所要時間は先客もいなかったので3分程度で完了!これならば15キロのラップも35分以内には収まるはずだ。山中湖周辺は細かなアップダウンがある。走れないところはないので、うまく下りで楽をしながら走って行こう。 15キロ 1時間38分02秒 34分48秒 『現在気温2℃』を見ながらそれほど寒さを感じないまま走り続ける。すでにアームウォーマーは外している。トイレ後もカラダが軽くなったので、予定通り35分以内にまとまった。例年のことだが、100キロの方に煽られてペースが上がる。心拍数は140前後で推移しているので、決して無理はしていない。次の18キロ過ぎまでは比較的アップダウンなコースとなる。食べ物も出てくるので、お腹を満たすポイントとしてはここが最初だ。 山中湖1周13キロくらい?距離で捉えると、非常に長い。しかし5キロ単位で35分以内と思っていれば、15~25キロまでの2ラップだけで終わりは見えてくる。走っているだけの単調作業だが、確実に前には進んでいる。気がついた時にいつのまにか30キロだった!くらいの余裕が欲しい。 18キロの撫岳荘前では例年通りお吸物のサービスがある。寒い気温の中で塩分も摂れて美味しい。ここで数日前に渋谷店に富士五湖準備に来てくださったYさんと会うことができた。ちょっと足を気にしている様子。そこにはあまり触れず会話する。『5キロ35分以内で頑張ります!』昨年100キロを経験されているということで心配はしていなかったが、完走して欲しい!バナナを頬張りながら『先に行きます。せっかくなので笑顔で!』ナイススマイルです! 昨年はこの山中湖のクジラのシッポ付近は少年野球の子供達が朝から素振りを行っていたが、今年はGWを外れているので湖畔には誰も居ない。僕を追い越して行くランナーがいると、シューズやふくらはぎのサポートアイテムに目がいってしまう。確実に多いのがc3fit・ザムスト・SKINSだ。そしてたまに見掛けるのがCEP。大抵はお客様なので、そのまま履いて声を掛けて頂く方や、ロングタイツスタイルで『中にはCEP履いてますよ!良い感じです!』と話してくれる。この気温の低さでは、CEPの保温性が際立つ。特に後半は雨予報なので効力を発揮してくれるだろう。 20キロ 2時間11分13秒 33分11秒 ペースは安定している。昨年よりはちょっとだけ遅いかな?しかしトイレタイムのタイミングも違うので比較はできない。単純に9分の貯金ができていることが安心感に繋がった。このままで行こう! シッポを周り、いよいよ山中湖最大の登り坂『ままの森』へ突入する。僕は階段では歩き、緩やかになってから走り出す。湖畔なのに登りがあるの?と面食らう方もいるだろう。知らないと意外と長い。頂上にはエイドがあるので、そこまでは25キロ手前を考えると走って登りたい。しかし、エイドを出れば下り坂になるので歩いて登っても取り返せるのだ。ここではTEAMZEROのIさんに遭遇!ミニーマウスの仮装スタイルで参加している。ミニーちゃんはランナーにも応援にもたくさんいた。『鈴木さんに着いていれば大丈夫ですね。』『まだまだ貯金がありますから良いペースですよ。』安定したペースで走っているので、全体を通して前後して走る感じになりそうですね。 ままの森のエイドに到着し、サプリメント補給!ここではまたアミノダイレクト5500を1本摂ったが、先程グミで下唇を噛んでしまい酸っぱさが染みる・・・。軽く水で流し込んでことなきを得たがちょっとビックリした。 そしてまた湖畔へ向けて下り坂となる。一気に下って行くので飛ばすランナーも多い。僕は焦らずに進む。この先はサイクリングロードになり、コースも平坦だ。先程で見えていた富士山は雲に包まれていた。あの時間帯だけが顔を出していたようだ。 2011年同じ場所 2012年富士山を望む 山中湖に別れを告げればいよいよ下りの始まり。自然とペースは上がるので、そこまでの湖畔沿いの平坦が如何に走れているかだ。ままの森もあり、エイドに寄っても35分以内には収めたい。カラダの重さはなかったが、次のエイドが27キロだったことを考えるとガス欠が心配だったので、ポーチからフラスクを取り出してショッツを原液で飲み込んだ。原液では苦手な方もいるが、運動中は舌で味合わずに喉に流し込めばあめ玉よりも甘さは気にならない。摂りたい時に摂れる!これも補給のポイントだ。 25キロ 2時間46分05秒 34分52秒 やや平坦のコースに飽きてきた感じのタイミングで25キロを通過。見事35分以内でクリア!もうすぐ山中湖も終わりだ。ありがたいことに後ろからの100キロランナーからの挨拶も頂き元気が出る。ボーリングのピンを目印に山中湖出口を確認した。少しカラダが重いなあ。これからは下りだし35分以内では下れるので、ラップタイムが下がってきたら対応を考えようか。山中湖の出口には応援団も居て写真を毎年撮って頂いている。 ファナック通りまで戻るとすぐに27キロの脱ぎ捨てポイントとなる。ここでは朝着ていたジャケットを預ける方が多く見られた。天候も安定していていますぐに雨という感じはなかった。気温も僕の予想通りさほど冷え込みは厳しくなく、いつものスタイルで十分な感じだった。ここではたくさんのランナーと挨拶を交わした。でもここで長く居座るつもりはない。『お先です!』下り始めた。 まもなく30キロ。ファナック通りの下り坂は緩やかなのだが、側溝を塞いだ鉄網が走りにくい。僕は道路に降りてアスファルトを進む。松籟荘近くに30キロの計測。トイレにも行きたい気分だが、混んでいそうなのでパスして次を狙っていた。 30キロ 3時間18分51秒 32分46秒 計画よりも約12分の貯金に一安心。山中湖はあっという間の感じだった。すでに距離は30キロ過ぎていて河口湖までは更に下り勾配だ。この休憩&ペースで進めばまだまだ貯金は貯まるかな?松籟荘前の地元コアスポーツの応援団を受け、忍野八海の出口となる国道を目指した。ここからはやや平坦となるが、リズムは問題ないのだが何だかカラダが重くなってきた。心拍数も安定しているのに、お尻がすごく下がっている感じだった。国道が近づいて来たが信号が青になり間に合わないのが分かったので、100メートル手前から歩く。この信号は朝よりも長いので、ゆっくりストレッチ&補給に充てた。 そして信号が青になったので、他の方を先に行かせていつも通りシンガリに着く。細い歩道が走りにくいので、ゆっくりと下る。富士山アリーナの入口の信号手前に仮設トイレを発見!並んでいる人はいなかったので行ってみると2つとも使用中。仕方ないのでストレッチをしながら待つこと3分。ようやく空いた。済ますのに1分程度だったので、所要時間は約4分だ。トイレを出てすぐにエイドがあったが、食べ物は少ないのでショッツを流し込むだけで離れた。すると72キロの先頭ランナーが颯爽と走り抜けて行った。午前8時のスタートで一気に下り坂を降りて来てトップスピードに近い感じだった。 その後は狭い道幅と信号に捕まりながら走って行った。 35キロ 3時間53分28秒 34分37秒 信号待ちとトイレにも立ち寄ったのに35分以内でクリアできていた。次のエイドに行くまでに下りは一段落。富士急ハイランドに向けて平坦と信号が続く。途中ワイナイナ選手が走り去ったが、信号待ちで一般ランナーと喋っていた。 そしてまた1年振りに名物おにぎりお兄さんの元へ。相変わらず威勢のいい声が聞こえる!『伝説のおにぎりだよ!これを食べれば完走間違いなし!今年は一味違うよ!柚子味噌付けるよ!美味しいよ!』これは美味しい!一口で頬張ったが、俵おにぎりにしてはボリュームがあった。歩きながら次の信号を目指した。 今年のランナーの数はやたらと多い。スバルラインの入口はやや長く待たされるのだが、歩道一杯に広がった。その後もよく信号に引っ掛かる。その都度グミをポーチから取り出して食べたり、ストレッチで過ごした。 河口湖大橋に繋がる道に右折するには信号を渡ってからとなるので、点滅する信号をなんとかパスしてスムーズに40キロを迎えた。 40キロ 4時間30分57秒 37分29秒 ここで初めて35分をオーバーするラップタイムとなった。度重なる信号とおにぎり休憩があった。また距離的には40キロに近づこうとしているので、ペースダウンは仕方がない。 それでも40キロを4時間40分に対しての貯金は約10分貯まっている。腰周りの調子は今一つだが、順調な走りだ。しかし、この先の河口湖はよく知っているだけに辛い。トンネルを走るコースだった時は、思い描いた通りの距離の換算で進んでいくが、ここ数年若干のコース変更が僕を戸惑わせている。昨年は前向きに考えてみたが、今年はどうだろうか。50キロまでの10キロをそつなくこなせれば大丈夫かな? 河口湖大橋まで下りが続き、緩やかな橋を渡る。すでに富士山は見えず振り返っても明るめな雲が広がっていた。この先のエイドは賑やかだと思っていたが、公式エイドの向かい側にある私設エイドが賑わっていた。 僕はトイレへと向い、スッキリさせてからアミノダイレクト5500を飲み、スタートした。この休憩は約3分。まもなく距離的にはフルマラソンを超える。ここまでの体調は問題ないが、問題なのがカラダの重さ。昨日食べ過ぎ!とかではなく、脚の運びが重かった。 その感覚が襲うたびにアミノダイレクト5500を流し込み、ベスパハイパーを飲みカラダのリセットされるのを感じて、再び走りだす。先程のおにぎり以降、お腹に蓄まる食べ物が出てこない。空腹を感じる前にまたグミを口に入れた。カロリーは低いが食べた感じがあり飢えを凌げる。 今年の河口湖は桜が遅いのと、雨予報の週末のせいか観光客が少ないようだ。さるまわし劇場を抜けて、トンネルを避けて湖畔の道を抜けて走ると45キロに到着した。 45キロ 5時間07分02秒 36分04秒 順調ではあるが、気持ちとしては今一つ。もっと軽快に前に進みたいが、なかなか進まない。かといって心拍数は高くなっておらず、不完全燃焼な気分のランが続く。 そして今年はトンネルをすべて通らずに走るコースになっていた。(昨年と同じかも?)そこは割り切って5キロごとの経過でペースを把握した。桜もちらほら咲いていたが、満開までにはまだまだという感じ。いつも立ち寄るトイレもパスして行った。 かなり気分が乗らなかったのか、この辺りの記憶がない・・・。またトンネル避けるの・・・と不満だらけだったのが伺える。ということですぐに50キロ付近のところへ。 3つ目くらいのトンネルを迂回すると50キロがある。 50キロ 5時間40分57秒 33分55秒 まったく問題のないペースだ。40~45キロが36分だったが、トイレへ行っていた分。今回はトイレはなくエイドだけなので、35分以内で走れている。気持ちのストレスは抜けないが、貯金を作れた分のゆとりは大きい。 そしていよいよ河口湖を離れて西湖へ向かう峠越えに差し掛かった。その手前の交差点には誘導員がいるのにランナーは右折するため右側車線へ。そして峠に差し掛かると左側車線と蛇行する。車の通りも多かったので、この付近はランナーが増えると迷惑な感じがした。交通規制していない大会なので、ルールに沿っていかないといけないと感じた。 さて西浜小学校までの登りに差し掛かり、中腹までは走ったがいつもよりも手前で歩きだした。腰が重く進まない。早歩きに変えながらエイドを目指した。ようやく着いたエイド。人数も増えているので大変な賑わいだ。預けた荷物はナンバーカード順になっているので、その近くまで行ってから受け取ることができる。 まずはポーチの中身!空のフラスクからショッツのグリーンプラム入りのフラスクにチェンジ!なくなったアミノダイレクト5500とベスパハイパーを補充。それからスペシャルドリンクの作成に取り掛かる。 今回の味は昨年気になっていたショッツのワイルドビーンとハニースティンガーのチョコレート味の組み合わせ!カフェモカ的な味になります。水をコップ1杯入れてさらにランナープロテインを2本でシェイク!すると密封容器ではなかったようで、若干漏れる。100円ショップでちゃんと選ばないと。飲み干してから手を洗ってスタートする。西浜小学校での休憩は10分以内では済ませたかった。約8分で荷物を預けると、到着したお客様NさんとSさんに遭遇!この時間ならばまだまだ大丈夫ですよ!頑張ってください!先に行きますね。 エイドを離れる際にはバナナを貰い食べながら進む。西湖までの登りは焦らず、55キロを45分でカバーできれば予定通りになる。この峠で歩いても西湖の平坦は走れるので、クリアできるだろう。歩きっぱなしは数百メートルだけで、走れる坂道はしっかり走る!やがてトンネルが見えてきて、抜ければ西湖だ。 西湖は1周10キロの湖。コース上に距離表示があり、ペースの把握に役立つ。しばらくしてから6キロの表示を見つけてタイムの確認をする。単純に9キロまで走り、残り1キロくらい進めば西湖は終わる。これを知らずに曲がりくねる湖畔を走るとまた長く感じるのだ。今年は風も強くなく、まだ雨も降り出さない状態なので走りやすい。西浜小学校での休憩を活用できたので、次のうどんエイドまでは立ち寄らずに走れそうだ。 55キロ 6時間26分22秒 45分24秒 エイドで補充と補給とリセットに使った10分間。峠での歩きも考えれば、走るペースは6分45秒くらいで安定しているようだ。 西湖は集中していたから、やっぱり覚えていない・・・。西湖の最後にオールスポーツのカメラマンが構えている。もうすぐうどんエイドだ。 湖畔の終わりを迎えると左側に駐車場とトイレがあり、その前での私設エイドはお客様だ。『鈴木さん来た~!』とコーラで迎えてくれました。すると昨年103キロくらいからご一緒した姫さんがエイドスタッフとして!『え~!なんで走ってないんですか?』と、文句を言いながらも元気を頂き、坂を登り始めた。 あと1.5キロ行けばうどんエイドとなる。この坂の途中で112キロに出場の加山さんとすれ違った。昨年はうどんエイドだったのに、今年は僕が遅いようだ。すれ違うトップランナーにはCEP着用者が結構いる。ありがとうございます!これでメジャーになるかな。と思いつつ走る。 うどんエイドに到着するといつも通り賑わっていた。渋滞はなく、ごった返しているだけだ。うどんを確保してまずはしっかりと噛んで満腹感を出す。寒くはなかったので、汁は少しだけ。ここでの長居は禁物と思っていたので、すぐに60キロを目指した。この先は登りが続く。 昨年は60キロを7時間ちょうど。このままだと7時間10分以内では抜けられるかな。走りながら計算をする。本栖湖まで10キロをこのまま行けば80分以内には到着する。それでも8時間30分。あまり貯金はないなあ。本栖湖は8時間40分で出発する予定にした。これで5分の貯金だ。なんだかんだ考えながら60キロ手前の国道へ。やはり車の通りも少なく、スムーズに渡れた。 60キロ 7時間07分48秒 41分26秒 うどんで長居をしなくても40分は越えてしまった。登りだったし仕方ない。ここから精進湖入口の赤池の交差点までは下りだ。次の65キロを40分以内にまとめられたら問題はないぞ!と確認をする。 徐々に折り返してくるランナーも増えてきて、狭い歩道が走りにくそうだ。青木ヶ原の樹海大橋は確かに長い。帰りにこれを登れるのか?いや、走って登ってなくてはいけないのだ。すべて歩いていては関門で引っ掛かるだろう。カラダの重さ的には、折り返して来ている気分だった。 赤池の交差点はギリギリで信号待ちに。そこでもCEPをタイツの中に履いてますよ!と声を掛けて頂く。『楽ですよね!』『ありがとうございます!』交差点を渡りエイドに立ち寄るが、意外とパスするランナーも多い。僕はアミノダイレクト5500を1本流し込み、ショッツのフラスクをダイレクトで飲み込んだ。信号待ちをしていらランナーが抜けるのを待ってから精進湖の周回に入る。 精進湖でのエイドは周り切った後、再び国道に合流する地点だ。それまでは平坦が中心となる。もう少しで本栖湖!と気持ちを前向きに走る。走るペースとしてはキロ6分30秒くらいの感覚だ。すると後ろからお客様のNさんが現れた!聞くと駐車場からのシャトルバスがなかなか来なくて、112キロのスタートに間に合わず30分遅れでスタートしたという。『14時間の制限時間と思って頑張りますよ!』と言っていたが、精進湖で追い付かれてしまう僕って(苦笑) Nさんはトライアスロンもやっているので、お店でNEWTONをご紹介していた。もちろん足元にはCEPも!大会前に2回試して本番に使って頂いたが、『姿勢さえ維持すれば勝手に前に進みますね!すごいですね!』と言って頂けた!良かった~!その感覚が味わえれば、ふくらはぎを使わず速く走れますよね。この後ご自身のペースで僕の視界からあっという間に消えていった。 65キロ 7時間46分51秒 39分02秒 樹海大橋の下りもあったので、予定通りに40分以内で走ることができた。またNさんとの並走で会話を楽しむことができたので、時間の経過は早かった。そして国道へ向かい、エイドに辿り着くとポツリポツリといよいよ雨が顔に当たるようになってきた。『いよいよきたか!予想よりも降らないでくれたな。』 エイドを抜けると国道を係の方の指示で渡る。このタイミングもスムーズだった。そして折り返してくるランナーの多さに驚いた。例年よりも帰ってくる数も増えているので、前を走るランナーを抜かすタイミングが微妙になる。2人並ぶのがやっとの幅なのだ。僕は抜かれることが多いので、後ろの皆さんごめんなさい。 ある程度登り勾配が終われば、本栖湖までは下りになる。あと2キロもない。時計を確認すると8時間10分を過ぎたところだ。このまま行けば予定より早くに8時間20分ちょっとで到着するだろう。段々と雨粒が大きくなってきたが、気温が下がってはいないので朝からのウエアリングでまったく問題ない。本栖湖に預けたウエアをどうしようか?考えながら地下道を潜った。 預けたウエアはファイントラックフラッドラッシュスキンメッシュのノースリーブ・クラフトのゼロエクストリームロングスリーブ・・TYRの半袖シャツ・モンベルEXライトウインドジャケット・ニットグローブ・ビニールグローブなどだ。 アウターは濡れていないのでこのままNBシャツで行こう。雨はこの後降り続ける。ならば肩バランスを脱いでファイントラックにしよう。気温はどうだ?風が気持ち吹いてきた。モンベルを着るにしても、保温力を高めよう。ならばクラフトだ。後はグローブを着ければ完璧かな? 地下道を抜けると応援団のお客様が迎えてくれた。まだまだ走れているフォームだ。本栖湖の駐車場に到着し、荷物を受け取り椅子を探すが空いていない。とりあえず地面に物を置き、補給よりも先に着替えを始めた。 まずはシューズをNEWTONに変更!!M1080は問題なかった。足へのダメージも少なく、このままでも良かったが、腰が重かったのが気になる。シューズのせいではないが、本栖湖の出発時間を考えるともっとスムーズに走れないと厳しくなりそうだったからだ。 上半身はすべて脱いで、心拍数を計るベルトだけになり、ファイントラック・クラフトゼロエクストリームロングスリーブ・NBシャツを重ねた。モンベルは着ないで持って行こうと決めた。その後ポーチの中身を補充。まずはショッツを大好きなワイルドビーンにして、後半のカフェイン効果を期待する。そしてアミノダイレクト5500を3本と思ったがない!入れ忘れか?ベスパハイパーは3本詰めた。そしてハニースティンガーのグミ5粒を隙間にねじ込む。これでOK!あとはスペシャルドリンクだ!水を貰い、シェイカーへ。そしてランナープロテイン2本とショッツのマンゴーパッションを2本のゴミを紙コップに移してシェイクする。しかし西浜小学校で液漏れが発覚したので、エイドのテント近くまで避難しようと立ち上がると・・・急激な吐き気に見舞われた。 とりあえずスペシャルを1口だけ含み、あとは飲めなかった。エイドにあったヴァームゼリーなども食べる気力がなかった。荷物を係の方に預け、本栖湖1周に向けてスタートを切る。すると先程よりも雨が強まってきたので、思わずモンベルを羽織りナンバーカードのチェックを受けた。 2012チャレンジ富士五湖112キロ完走記~第2章~ |