観照 ベランダから見た雲の変化と雲がたり -54
=== 2023.6.1 === 南の空10時10分頃に撮りました。早朝は少し晴れ間が見えていました。しかし、写真を撮った時にはムクムクとしたグレーの雲が一面に空を覆い、くもり空に。南西方向の空 西方向の空 東方向の空同じような雲の姿に見えます。 東方向の空13時半頃に眺めてみると、くもり空は変わらりません。雲の姿は変化しています。 南の空南西方向の空 西方向の空 南の空17時半頃にもう一度空を眺めてみました。南西方向の空 西方向の空 東方向の空結局、くもり空の一日となりました。=== 2023.6.2 === 南の空南西方向の空 台風が日本に接近しているという影響を受けて、朝から雨でした。 窓際から二方向だけ撮ってみました。 南の空南西方向の空 17時20分頃に再度眺めてみましたが、状況に大きな変化なく、雨が降っています。終日、雨でした。さて、雲がたりに移ります。『山家集』から雲の字を詠み込んだ歌の抽出、ご紹介をしてきました。ここでは『山家集 金槐和歌集』(日本古典文学大系29 岩波書店)を参照してきました。この本は陽明文庫本の『山家集』が底本とされています。そして26ページに及ぶ底本以外の書に載る歌を「附録」として載せてあります。『山家集』を終わるにあたって、この「附録」についても同様にチェックしてみました。抽出したものを以下にまとめます。「板本六家集中の山家和歌集にありて底本になき歌」 22首が収録されていますが、雲の字を詠み込んだ歌はありません。「松屋本山家集にのみ所載歌」 68首収録中、次の2首 みねの花ちるをさながらやどに見て白雲見よと人にいはばや 月歌あまたよみけるに 雲さえてさとごとにしく秋の夜の氷は月のひかりなりけり「聞書集」 265首収録中、次の12首 方便品 諸仏世尊唯以一大事因縁故出現於世 あまのはらくもふきはらふかぜなくばいでてややまむ山のはの月 漸待花 くもにまがふ花のさかりをおもはせてかつがつかすむよしのの山 [付記] まがふ:よく似ていて間違う。区別がつかない。 かつがつ:早くも 浮海船尋花 こぎいでてたかしの山をみわたせばまだひとむらもさかぬしらくも [付記] たかしの山:三河国渥美郡高蘆(たかし)郷(愛知県豊橋市)の山。 広くは遠江国(静岡県)浜名湖西岸にかけて広がる台地を含めていう。 花尋至古寺 これやきくくものはやしの寺ならむ花をたづぬる心やすめむ [付記] くものはやしの寺:京都・紫野の雲林院 月前郭公 さみだれのくもかさなれるそらはれて山ほととぎす月になくなり よしの山くもと見えつる花なればちるもゆきにはまがふなりけり よしのやまくももかゝらぬたかねかなさこそは花のねにかへりなめ [付記] さこそ:さぞかし。花のね:花の峯。 勝義心 イカデワレ谷ノイハネノツユケキニクモフム山ノミネニノボラム [付記] イカデ:なんとしても。 ツユケキ:露にぬれてしめっぽい。 八葉白蓮一肘間の心ヲ クモオホフ二上山ノ月カゲハコゝロニスムヤミルニハアルラム [付記] 二上山:今の奈良県と大阪府の境にある山。大津皇子の埋葬された地。 聖衆来迎楽 ヒトスヂニコゝロノイロヲソムルカナタナビキワタルムラサキノクモ おもひいでに花のなみにもながればやみねのしらくもたきくだすめり [付記] おもひいでに:思い出すと。 めり:・・・のように見える。 はなちりてくもはれぬればよしの山こずゑのそらはみどりにぞなる「聞書残集」 32首収録中、次の1首 (長文の前文を略す)有明と申す題をよみける こよひこそ心の雲よしられぬれ入らで明(け)ぬる月をながめて [付記] ぬれ:完了の助動詞「ぬ」の巳然形。これで、西行法師の『山家集』での雲がたりを終わります。参照本には、源実朝の『金槐和歌集』が収録されています。次はこちらの雲がたりに移ります。さて、雲の変化に戻ります。=== 2023.6.3 === 朝は少しくもっていましたが、12時頃に撮った南の空は青空に。小さな雲がおもしろい重なりを見せています。南西方向の空 西方向の空 東方向の空稜線上に白雲が浮かんでいます。東の空に青空がみえるのは、気持ち良い! 東方向の空16時30頃に撮りました。青空が広がっています。 南の空南西方向の空 西方向の空 頭上の空くもり後晴れの一日でした。つづく補遺高師山・高志山・高石山 :「コトバンク」雲林院 :ウィキペディア山家集 :「ジャパンナレッジ」山家集 :「コトバンク」山家心中集 :「文化遺産オンライン」山家集. 巻之上,中,下 / [西行] [撰] :「古典籍総合データベース」 ネットに情報を掲載された皆様に感謝!(情報提供サイトへのリンクのアクセスがネット事情でいつか途切れるかもしれませんその節には、直接に検索してアクセスしてみてください。掲載時点の後のフォローは致しません。その点、ご寛恕ください。)こちらもご覧いただけるとうれしいです。 ベランダから見た雲の変化と雲がたり 掲載記事一覧表