即是道場
今回は、私の武道そのものの考え方が非常に影響を受けていることから、沖縄から本土(日本)に空手道を初めて紹介し普及させた、船越義珍先生の著書、「空手道一路」に書かれている、「修行の心構え」を引用させて頂きました。これは単に武道家や空手家だけに必要な心構えではなく、生きるということそのものに指針を示す言葉だと思います。 1、 仏教に「即是道場」という言葉がある。近頃、同門の中には空手道の修行は道場のみにあり、師範や指導者の指導を受けて稽古をすれば、それで修行をしている気になっている者もいるようだが、それは空手屋という格闘技術者であっても武道家や空手家とは言わない。武道を修行する者にとっては、自分自身の公私の生活の中に、空手の道場があるということを忘れてはならない。 また、武道の稽古衣は一般の人にとっては単なる練習着やユニフォームにすぎないものだが、我々、武道修行者からすると、道衣は稽古衣である反面、仏門の修行僧が身に付ける僧衣と同じく、道志が身に付ける神聖なる正装でもある。また、道衣の白はその道においていつでも死ねる覚悟が出来た者が着る衣(コロモ)という意味でもある。 船越義珍