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立ち居(起居)という言葉を辞書で引くと「たつこととすわること。日常の動作」とあります。脊髄損傷の身では立つことは日常動作ではありません。
救急病院で初めてチルト台を試したときは45度も起きないうちに気絶しました。リハ病院では90度近く起きることができ、久しぶりの高い視点を喜んでいました。 初めて自分の足で立ったのは在宅1年目でした。リフターでいささか免荷していたかもしれませんが、私の体重の反力として床からくる力を足首と膝と腰で感じました。これは大きな喜びでした。立ち稽古が日常となった現在、あのときの感激はありません。 「わが足はかくこそ立てれ重力のあらむかぎりを私(わたくし)しつつ」 森鴎外 歌誌「明星」明治40年10月号 この歌を"変化でめまぐるしいときこそ、流されずに足元を見つめることが大切だ"と伝えたいときに引き合いに出す方もおられます。楽に立ちたいだけの私は「全身の重力(量)バランスを意識しつつ立つ」と解釈します。 頭頂を真上に引き上げられたつもりで、背骨と脚の骨を直列にします。骨格だけで立つつもりで、それ以外の部位は骨格の前後左右に均等にぶら下げます。こんなイメージです。 数年前、剣道五段の方の立ち姿をテレビで拝見しました。背広姿でした。所謂「腰を入れた」姿勢で、骨盤がやや前傾し、結果、腰の下の方が反った姿勢になっていました。また重心線は前寄りで、大臀筋の伸展反射を軽く利用しているとお見受けしました。 背側の筋肉を使うこととかかとを強く踏むことは、何で読んだかは忘れましたが、以前から知っていました。インターネットにはこうあります; "宮本武蔵の「五輪之書」の中に、「足の運びようのこと、つま先を少しうけて(浮かせて)、きびす(踵)を強く踏むべし。足づかいは、ことによりて大小、遅速はありとも、常に歩むがごとし。」とあるように、足は歩をすすめるとき、踵が着くように進むのがいい。つま先から着地しないことである。つま先から着地すると体の力が体の裏(前面)、特に膝にたまってしまい、力(エネルギー)が十分に活用できない。 合気道の体をつくる " 最近、立ち稽古でスクワットをした際に強いクローヌスに悩まされています。 理学療法士の方とも話しましたが、下腿三頭筋の拘縮が原因のようです。立つことや歩くことがほとんど無いので足首は滅多に背屈しません。長い時間を過ごすベッド上では、臥位でも座位でも、足首は尖足気味です。 その結果が立ち稽古の際のクローヌスです。 床にかかとを付けると膝裏が後下向きに引かれます。この後下向きの動きは腰に伝わりますが、腰では脚の長さ分拡大されています。前方の手すりを掴み、大臀筋で股関節を伸展させ、腰を前に出します。足首が固まっているのでかかとが浮きますが、すぐに体重に負けてかかとが床に付き、最初に戻ります。主観的な観察ですが、こんな感じです。 スクワットを数こなして大臀筋が弱ってくると、足首がぶるぶる震えだします。 立てば ぶるぶる震える足首 立てば shake ankle 立てば シェイクアンクル 立てば しゃくやく よし、できました。 立てば芍薬 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.05.19 12:26:34
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