しごと。
SMクラブで働く前、私にはもう一つやりたい仕事があった。けっこうマジになって探してみたけど、見つからなかったもの。それは、客と添い寝をする仕事。男性客もくれば女性客もくるらしい。ただ隣で眠るだけ。性交渉はなくて、となりでいっしょに眠ってあげる。でも自分がぐっすり寝込んでしまったらだめで、客が夜中に目を覚ますと、隣でにっこり微笑んだり、水やコーヒーをいれてあげてまた客がぐっすり眠る手助けをするといったもの。これは、吉本ばななの『白川夜船』という本に出てくる架空のお仕事なんだけど、大学生のときにこの本を読んで、ものすごくこのバイトに惹かれてしまった。それに私はけっこうすぐに目が覚める性質だから、向いてるかも?なんて気もしたりして。ネット使ってマジにこのバイトを探したけど、似たようなものはなかったなぁ。。。ただSMクラブでもロング(8時間)で入った場合は、添い寝して似たような行為をすることはあったけど。・・・まぁ、本中ではこのバイトをしてた女性は自殺しちゃうんだけど。。。・・・なんとなく分かる、想像できるような気がして怖かった。・・・人の痛みを闇を、少しでも吸い取れたら…そう本気で思ってそう行動しても、そこは出口のない場所で、そこに迷いはまり込んでそれで自殺なんかしたら、周囲の人に深い深い闇を自らが与えてしまうことになっちゃうんだろうな、・・・とも考えて悩んでみたり。・・・その当時私はカウンセラーになりたいだのなんだのとも思ってたけど世の中には、こういう類の、いわば裏の仕事でしか癒せないこともあるんじゃないかとそんなことを真剣に考えつめてた。自分自身の破滅願望・・・それとは対照的に匿名の人々を思う気持ち、彼らに生きていてほしいと願う気持ち、・・・すべての人の心の闇を吸い取れたらなんて途方もないことを考えてみたり・・・、人の寂しさ、孤独、闇とは、言葉やカウンセリングだけではなく人の身体のぬくもり、肌の温度でしか吸い取れないこともあるかもしれない、とか凍てついた心は言葉では無理でも、固まっている身体をほぐすことによって溶かせる場合もあるんじゃないかと思ったりして、マッサージ師にも憧れてみたりとか。フロイトじゃないけど・・・すべてを性の問題として捉えるというわけじゃないけど、心の問題には、その底に「性」の問題も深く根付いていたりすることもあるわけで、そして歪んだ、歪まされた心は、歪んだ世界でしかバランスを保てないこともあるのではないかとも思ってみたり、、、自分を傷つけたい衝動・・・それが自殺に繋がるくらいなら、SMを。人を傷つけたい衝動・・・それが犯罪に繋がるぐらいならSMを。正常、異常、そんな専門家の下す評価に関係なく、生きるために救われるために必要なナニカ。凶悪な犯罪を犯す人は、根っこに性犯罪の前科があるってのも、、、分かるってか、哀しいっていうか・・・。・・・兄はSだったと思う・・・。Sというか、性的倒錯していたと思う。それは妹に手を出すだけにおさまってなくて兄が中学生の頃・・・、別居先のアパートに (その頃、兄はアパートを借りて住んでおり、 母だけがそのアパートと本家を行き来していた)よく同級生の男の子を連れこみ、鞭だと称してベルトで殴っていたらしい。その子はかなりいじめられていた子で、兄が鍛えなおしてやると言っていたそうな。その子の兄が、母にそのことを訴え、どうなったか詳細は忘れたが、なんとか解決に向かったらしい。そんな話しを殴られて痣だらけの母から伝え聞いた時、私は今にも犯罪をおかしそうな兄が末恐ろしかった。兄の心の闇が恐ろしかった。でも、私はその闇を常に覗こうとしてきていたのかもしれない。不登校児のカウンセラーになりたいと思ってたのも、兄が不登校だったっていうのもあるんだろうし、・・・私の中で蠢いていた、兄に対する憎しみの感情とは、またちょっと矛盾してるんだろうけど、でもきっととにかく、・・・救われたかったんだろう。自分自身も、他人も。人間ってどうしよもなく哀しい生き物だから。そういう感情がいろいろ組み合わさって他人からは無茶とみえる行動をいろいろ取ってしまったりもしたんだけど。自分の感覚のおもむくままに・・・。私にとっては、自分のやってきた風俗系の仕事、また、冗談めかしてゆってるものではあるが、占い師になりたいって思う気持ち、マッサージ師になるべく、タイ(タイ式マッサージ)に修行に行こうと本気で思ってたことも、そしてカウンセラーを目指していた気持ちも、これからなろうとしてる作業療法士も、私にとっては同じライン上にあるというか、私の中では繋がってて・・・。そりゃ風俗嬢と、占い師、マッサージ師、臨床心理士なんて、それぞれ全然違う立場、仕事なわけなんだし、学問・知識という点でも違うけど、人と触れていたい・・・人の心をほぐせたら・・・という方向性としては、私の中では似たようなもので・・・まー、あまり理解されにくいんだけど・・・。人が人に対してできることというのは限られているし、仕事となれば、その職業の枠内・・・倫理内、目的内でしか動けない。世の中には、一辺倒にはいかない、いろんなニーズがあるわけで、それぞれの職業には、それぞれにしか持ち得ない特徴があって、自分自身の適性もあって、、、どういうアプローチで私は人と対していたいのか、そして社会と繋がっていたいのか、いろいろ考えた末にいきついたのは、作業療法の仕事だったんだけど。というわけで・・・。まー、そのうち詳しく書く日も・・・・・・くるのかなぁ?