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つりんちゅぬ宝

つりんちゅぬ宝

鑓温泉

鑓温泉目指してLet’s Go!

表紙


出発しようとすると、リーダーが追いついてきた。

「いやー、参った・・・、ばてた!」

「大丈夫?」

本当に辛そうな顔をしている。
だが、「昨日岩に打ち上げられたトド」となっていた
私ごときに情けをかけられるのはプライドが許さないのであろう。


「よし、すぐ出発だ!。」

とリーダー。

また延々と急な下りが続く。

途中、清水がチョロチョロしていて、水を目撃することが
多い。前世が魚の私は、元気である。
岩場で水が流れ、鎖場もあり、私を元気にするアイテムが
いっぱい。
わくわくしながら下る私と裏腹に、ほとんどの人が下りの
疲労でばてている。
さらに岩場、鎖場と精神的恐怖が重なり、みな足取りが重い。

1時間も下ったろうか・・・
急に視界が開け、目の前には大きな雪渓。
緑も多く、ニッコウキスゲが群生している。

硫黄の臭いもしてきて、温泉場が近いことを感じさせる。
雪渓沿いに降りてくると、山小屋が見えた。

「うをおおおー」と歓声を上げ、ピッチが上がる。

昨日は風呂に入っていない・・・
私の大好きな硫黄の温泉だ。


小屋は登山客でいっぱいである。この時間だと
もう宿泊になるのか?とちょっと疑問だった。
(後で判明。この時間に鑓温泉だと宿泊になる)

みな、温泉に入りたくてウズウズしている。

が、

ここで、リーダーから悪魔の宣告が・・・
「温泉には入れない。」

「WHAY?」

「時間がない。ここからゴールまで3時間。
今1時。ということは、予定より1時間半遅れている。
このままだと帰りの電車に間に合わない。」


みなショックで声が出ない。

でも、明日は仕事。なんとしても帰らなくてはならない。
特急券は東京まで行く最終の「あずさ」を買ってある。

気持ちを切り替えて、さあ、出発だ!

ひとりが動けずに座り込んでいる。

「俺は温泉に入る為にここまで来た。
温泉に入れないなら一歩も動けない・・・」



「おいおい、子どもみたいなこと言うなよ。」

結局荷物を全部持つことで、また動き出した。

サブリーダーがリュックを二つもって下ることになった。

ここから壮絶な地獄が・・・

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