紹介文
茨城の旧家に嫁いだ香苗は愛娘・真穂をもうけたが、なぜか義母がその孫娘に苛烈な仕打ちを加える。それに耐えかね、離婚した香苗は大久保に住む実母・時枝のもとに帰るが、やがて真穂の体には痣や瘤が…。東京、茨城、新潟を点と線で結び、「累」の恐怖を織り込んだ明野ホラーの原点ともいえる第7回松本清張賞受賞作。
輪廻(rinkai)
2000年に第7回松本清張賞を受賞した作品だそうです。
薄い本だし内容も薄いのでさっくり読めました。
古典怪談を下敷きにした一応ホラーですが
ちっとも怖くありません。
田舎の旧家でいじめられて離婚した主人公が
実家に帰って謎だった自分の出生に関して調べはじめ
母も昔旧家に嫁して姑にいびられてとうとう殺してしまい
その殺された姑の怨念が主人公の娘に乗り移って
復讐がはじまる・・・みたいな話ですが
復讐って言っても時々出てきて自分を殺した主人公の母に
嫌がらせするくらいで別に怖くないし。
ホラーって言うか一番モヤっとしたのは
この殺された姑、誰に対しても陰険で相当嫌われていた人物
なのに殺されて恨んで殺した女の孫に取り付いて・・・って。
これだけ陰険な女だったらこの人のせいで死んでしまった人も
いるだろうにその人たちはたたることも出来ずに
コイツだけ恨んで蘇るって?
憎まれっこ世にはばかるってこと?
しかも憑かれているとはいえ孫娘、
陰険女がやっていることも充分承知で
祖母や母が困るのを楽しんでいる様子。
しかも結局旧家に引き取られそうなところで話が終わるんだけど、
この嫌な女の一人勝ちじゃん。
いいのか?
怖くはないけどヤな感じの読後。
ちなみにこの作者の本は初めてでしたが
似たようなホラー物を結構書いている様子。
本人経営のHPもあるようでチラと見ましたが
なんと本人が掲示板書き込みしてました。