紹介文
想像を絶する政変!渾身の超大作!!
ヒマラヤの小国に潜入した男は革命軍に捕まり、絶望的な窮地に!
ヒマラヤの小国・パスキムは、独自の仏教美術に彩られた美しい王国だ。新聞社社員・永岡英彰は、政変で国交を断絶したパスキムに単身で潜入を試みるが、そこで目にしたものは虐殺された僧侶たちの姿だった。そして永岡も革命軍に捕らわれ、想像を絶する生活が始まった。救いとは何かを問う渾身の超大作。
【中古】afb【古本】弥勒/篠田節子
篠田作品はいろんな意味で幅が広いと常々思っておりますが
この本はいい感じで期待を裏切られました。
なんとなく美術品がキーになっているってあたりで先日読んだ『女の河』
と自分のイメージが勝手にかぶっていて
またもや美術品を間にしたキラキラしい恋物語なのかと思いきや。
人間にとって『救い』とは『正義』とは何なのか。
という重ぅーーーいテーマでした。
架空の国が舞台になっていますがワタシ的には
古い慣習をすべて拒否して文化遺産まですべて破壊するなんて
あたり某国の文化革命なんかを彷彿と。
革命側の言い分や旧体制側の言い分に、読みながら主人公と一緒に翻弄されまくり。
初め、主人公は旧体制のよい所だけを見せられ『人々は満足している』という言葉を信じるわけですが
本当は都市部以外では人々は貧困の中に生きているわけで、
革命側は都市の人間(貴族)とその他の貧民を平等にしよう
という理想のもと革命を起こす、なんて内情がわかってきたら
もしかして革命は正しいことなのか?
ただ。
結局この手の革命は成功した前例がないところを見ても、
人間は社会主義・共産主義を徹底した社会に生きられるほど
強くはできてないってことなのかなぁ、と思ったり。
それに。
革命側は貧民のために貧民のことを思って革命を起こしたらしいですが。
貧民が不幸せだとか幸せだとか決めつける権利が彼らにあるんでしょうか?
自分が幸せか不幸せか決めるのはその人自身であるべきなんじゃないのかなー?
第一すべての人が幸せな状態なんてありえないのだし。
・・・・・・。
幸せってさー・・・・・。
人に与えてもらうもんじゃないんだよね・・・。(遠い目)
そういえば登録しっぱなしだったのを思い出しました(照)
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