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カテゴリ:本のこと
📚紹介文📕
好きな男と結婚して、家族を愛するのが私の夢。でもママは「愛だけでは幸せになれないのよ」と過去の自分の情熱を忘れて言った。ママが小説家になると、質素だった我が家の冷蔵庫に100%のジュースとキャビアが入った。夢を実現させたママは輝き、思春期の私は、理由なき反抗をかさねていた。1993年の夏、ママは死んだ。私は22歳、切ないほど悲しみのわかる大人になっていた…。 【中古】 小さな貝殻 母・森瑤子と私 新潮文庫/マリアブラッキン(著者) 【中古】afb モリ・ヨーコ家族の暴露本としては森瑶子本人が書いた『ファミリー・レポート』 と対をなすような、森瑶子さんが亡くなったすぐ後に娘が書いたエッセイです。 『ファミリー・レポート』の方は森瑶子が森瑶子の世界として描かれたものに対してこちらは生身の雅代ブラッキンを娘視点で見たもので興味深いと言えば興味深いのだけれど、なにぶん娘・マリアこれ書いた時点でまだ20代前半。 甘いし浅い。 まぁでも"「私の夢は結婚して、子供を育て、夫を一生愛することなのよ」と母に言った言葉は自分からの逃げ道にしか過ぎなかった。"ってところが解ってるだけ救いはあるけれど。 こんなこと本気で娘に言われたらワタシだったら安心して死ねないわ。(娘も息子もいないけどさ) ってか世の中の親は自立して結婚しないわ、という娘と一生養ってくれる夫をさがすわっていう娘、どっちの方が心配なのかしらね? ま、どっちにしたって人生予定通りになんかいかないものよー。ふふふ。 まぁそれにしても。 思わせぶりなこと書いていても、実際浮気はしてなかったんだろうと思ってましたが実際バリバリ婚外恋愛だか不倫だかされてたんですねぇ。 それをネタにこれまたバリバリ小説もエッセイも書いてしまっているけどワタシはお相手の奥さんに同情してしまうな。 本人同士は男女の仲を超えた美しい友情とか言っていられるけれど、少なくとも一度ならずW不倫してその後ずっと仕事でもプライベートでも関わって死ぬ寸前には「あなたたちだって、結婚しなくても、一生友人でいられるかもしれないわよ。夫婦になると(中略)愛情は崩れるけど、友情は壊れない。本当の友情はね。」母は私におしえた。私とタローに恋愛や友情のことを素直に教えてくれている間、二人はずっと手を握りしめあっていた。それを見た私は、彼らの友情は愛情と同じなんだ、と思った。なんてお互いの相方、立つ瀬がないであろう。 そのスペシャルな友情を自分に許すなら当然夫にも、もしくは妻にもそういうスペシャルな女性がいてもいいってことよね? ワタシはシンプルにそんなスペシャルな人は1度にひとりで結構です。 それだったら少なくとも自分の夫、相手の妻を巻き込む必要はないもの。 そう考えると横暴でお金を稼ぐ才もなく嫉妬深いだけの夫だと思っていたアイヴァンさんも、そんな妻なのにやはりお金を稼ぐ才がないためにそんな結婚にしがみつかざるを得なかった気の毒な人に見えてきました。 なんにせよ、色々なものを抱えすぎていっぱいいっぱいだった森さん、もしかしたら死の宣告されてやっとこれで解放されるとホッとされたのかもしれません。 せっかくいろんなこと赤裸々に書いてきたのにこの彼女の最後の肉声がエッセイになっていないのは非常に残念。 父親に書かされたらしい「甲比丹」という中途半端な歴史小説が絶筆というのも、彼女の人生の象徴のようで。 合掌。 そういえば登録しっぱなしだったのを思い出しました(照) よろしければポチっと☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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