023785 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

BE★SEE -------- produced by Heiz Ginza

BE★SEE -------- produced by Heiz Ginza

宮崎さん

【スピードイエローのRSR】

第3話 ハイテクスーパーウェポン
・・・磨きのハードボイルド 首都高バトル編 

text= TAKAO MIYAZAKI
--------------------------
image

いよいよ漆黒のGT‐Rに乗り込む時がやってきた。


ドアノブを引き、ドアを開ける      “Kaccha♪”
独特の音と、重量感


ロールケージのサイドバーをまたぎ、レカロのフルバケットシートにゆっくりと身を沈める


そして、ドアを閉める      “Dhounnn!”
実にいい音色、そして独特の重厚感
この音色で、このマシンの剛性の高さがうかがい知れる


キーをひねる
セルモーターが廻る   “キュルルルル…”
メタリックかつエレクトリックな鋭い音
同じスカイラインながら、今までの鉄仮面とはまったく違う音
そして次の瞬間、480馬力のツインターボエンジンが一瞬にして眠りから目を覚ました
“ブゥォ――ン・ドゥルルルルル…”
ターボエンジン特有の腹にズシリと響く重低音

軽くアクセルをあおってみた
するとGT‐Rは、けもののように咆哮を上げた
“フゥォ―ン フォン フゥォ―ン”
口径100φのマフラーエンドからはき出される、猛烈なエキゾースト・ノート

「凄い、これが480馬力のサウンドか…♪」

踏力の必要な重めのクラッチペダルをしっかりと踏み込み、
シフトレバーを1速に入れる

いよいよ、俺と漆黒のGT‐Rが動き始める時が来た
ゆっくりとクラッチペダルをリリースしながらツインプレートのレーシングクラッチを少しづつ開放していく
動力がエンジンからクラッチを介し、リアのデファレンシャルへとゆっくりと流れていく
そして、ついに、GT‐Rが動き始めた
480馬力を誇るレーシングスペックのGT‐Rが、
まるでフツーの生産車のように、何事もなくゆっくりと動き始めた
「案外カンタンだなあ♪」

少しづつ速度を上げながら、2速へシフトアップ
そして、ここで一気にアクセルを踏み込んだ。 すると、
“なんだ―――~!  この加速は~~~~!!”
猛烈な加速に思わずのけぞってしまった!!
シートバックに張り付けられる我が身
初めて体験する、この凄まじさ!
1,500回転あたりからツインターボが炸裂!
あっという間に時速100キロを超え、GT‐Rは、200キロを目指そうとする

“凄い!  オマエ、ほんとにスゴイぞ―――~!!”
気が遠くなってしまいそうに凄い加速力
言葉にならない感動
“サイコーだぜ~~~~!!”

さっそく首都高湾岸線に持ち込み、最高速のテストをやることにした

“踏める!  どんどん踏んでいける!!”
バンピーな路面などモノともしない強くしなやかな足廻り
恐怖感をまったく感じさせない圧倒的なスタビリティー
漆黒のGT‐Rは、しきりにこの俺を、時速300キロ超の、甘く危険な世界へといざなおうとする
加速をやめないGT‐R

そして、あっという間に時速300キロへ到達
だが、こいつは平然としてやがる    まるで涼しい顔してる
あたりの景色が止まっているかのように見える
観覧車が、ディズニーランドが、はっきりと見える
恐るべき剛性感と安定感、そして安心感

続いて環状線でテスト

250キロ超のスピードから瞬時に数十キロまで減速する強力無比なブレーキ
カッチリと小気味良くきまるシフトレバー
重めながら踏みやすく、信頼感の高いクラッチペダル
そして、スロットルペダルにダイレクトに反応するRB26ツインターボエンジン

“いける、曲がれる!  怖くないぞ!!”
“めっちゃくちゃ楽しい!!”

次々と連続するコーナーを鮮やかに駆け抜ける
見慣れてるはずの都心の風景が、まるで違ったものに見える
アップダウンや路面の凹凸などものともしない、弱アンダーステアにまとめられた、しなやかなマルチリンクの足と、それらをしっかりと受け止める剛性の高い頑丈なボディ
そして、こいつには、アテーサ4WDという秘密兵器が搭載されている
そのアテーサが、コーナーで信じられないほどのトラクションとグリップを生み出す

“勝てる!”

“今度は、この漆黒のGT‐Rのテールを、あのスピードイエローのRSRに必ず拝ませてやる!!”



あれから、もうどのくらいたっただろうか
最後にあのスピードイエローのRSRと別れてから
毎週末あいつに会うためだけに、俺と漆黒のGT‐Rはここに来ている
最強のGT‐Rを手にしたこの俺にとって、その他のやつらは全く相手にならない
あいつに会いたい   スピードイエローのRSRに会いたい!
会いたくて会いたくてしかたない
たまにポルシェを見かけると、心に火がついたかのようにワクワクし、追いかけるが、
良く見るとイエローじゃなかったり、ビッグウイングが付いてなかったり、RSRではなく
“RS”だったり…

あれから早や半年ほど   もう年末になってしまった
今宵はクリスマスイブ
足立区の先輩宅のホームパーティーにおじゃました
GT‐Rの購入とチューニングに大金を投じた俺にとって、久しぶりにありついたおいしいごちそう
ひとときのやすらぎ

深夜0時頃、堀切のランプから首都高に入り、自宅に向け6号線を走り始めた
全開で2分足らずで、もう箱崎辺りにたどり着いた
“さすがに今夜は首都高ガラガラだなあ…
 何時頃、帰宅できるかなあ…
 もしかして、新記録樹立かなあ…“
 その時、箱崎JCTの左側から一台のクルマが猛スピードで本線に合流してきた!
“あッ、あれは?!!”
それは例の、スピードイエローのRSRだった

半年ぶりにお目にかかったあのビッグウイング
猛獣のように低く構えたそのルックス
そして、あの時と同じ、凄まじい加速!
“ヤツに間違いない   ついに見つけたぞ―!”
即座にRSRのテールに喰らいつき、パッシングをくらわす
それに答えるかのようにハザードを点滅させるRSR
“いくぞ、GT‐Rよ!   今夜がおまえと俺の記念日だ!”
2台は連なりながら環状線へと合流していく江戸橋JCTの高速左コーナーに突入!
テールを軽く流しながらインをガッチリ守るRSR
パワーとトラクションにものをいわせ、寸分の乱れなくアウトから並びかけるGT‐R
今や我が漆黒のGT‐Rは、完全にパワーでスピードイエローのRSRを凌駕している

スピードイエローのRSR   VS   漆黒のGT‐R

陸の王者   VS   ハイテクスーパーウェポン

いよいよ最終決戦の火ぶたが切って落とされた…          

つづく

image

文・宮崎考雄(みやざき・たかお)

--------------------------------
■宮崎考雄プロフィール
20代はプロギタリストとしてロック・シーンの第一線で活躍する傍ら、峠や首都高などで「バトル」をしまくっていた・・という超ハードボイルド系職人。現在は車のことを知り尽くしたキャリアを生かし、トータルに車のサポートをする「車の磨き屋」美ワークスの代表を務める。

■LINK
美ワークス
・美ワークスのホームページ。かっちょいいクルマがいっぱい!

■Heiz新価値度92(ヨ度80・TQ度100・BQ度100・銀座度80・EDGE度100)
・まるでGT-Rに乗っているかのような臨場感がありますね~。本当に乗るのは絶対嫌だけど、でもちょびっと乗ってみたいかも。(編集部)

■関連記事
決戦近し・・ということでなべちゃんの記事へGO!
「マリア・ヒタ」ライブ感想文へGO!

■Back Numbers
2008
------MarApr
May
Jun
July
Aug
Sep
Oct
NovDec


目次に戻る

Heiz銀座広報誌【新価値通信BE☆SEE 第9号】



© Rakuten Group, Inc.