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カテゴリ:不思議の国のアリスとニセアリス
「(やっぱり、あの女王様、何かおかしな所があるわ)」とアリスは思いました。
そう考えている内にも、お人形はアリスが後に下がった位置まで近づいて来ました。 その手に握り締められた剣が上段高く掲げられ、今にもアリスを切り刻もうとしているようでした。 その時、アリスのスティックが、アリスの手の中から不意に抜き取られました。 アリス 「あ!」 そのスティックを取ったのは背中にいた”ミルキー”でした。 ミルキーはアリスの髪の毛の中から床に飛び降りて、相手のお人形の前に猛然と立ちはだかりました。ミルキーの身長は60センチほどしかありませんが、アリスにはミルキーの印象が大きく写りました。 お人形 「うあわわわわわわわわわわわ!!!!」 あの地下で出会った時と同じく、急に脅え出すお人形。異常なほど驚いています。いままでの精密機械のような優雅な動きが、ぎこちない動きへと変化しました。剣の刃先もブルブルと震えています。 ミルキーは相手のお人形を睨みつけ、 「危ない事しないでくださいますぅ?!”包丁”振り回すならキッチンでやりなさい……ですわん!」と言って、スティックを剣のように構えました。 「よく、言った!」ニセアリスがやっと口をききました。 お人形 「”包丁”だとおーーー?!」 相手のお人形はブルブルと全身で振るえ、怒りを湛える表情になりました。 お人形 「くくくくく……、このおーーーーーー!!!”包丁”だあ?この剣が”包丁”だとおーー?またバカにしやがってぇーーーーー」 お人形は、腕や首の動きがおかしくなりました。時折ビクビクと大きく首をかしげたりしました。これはそうとう感情が高ぶっている証拠です。 お人形 「お前たち、”表の世界”の者はいつも、”裏の世界”の者をバカにしやがるーーーー」 またあの時と同じく、訳の分からない事をつぶやき始めました。 ミルキーは大きく首を傾げました。 ミルキー 「おっしゃっている事が、よく分かりません……ですわん!」 相手のお人形は今のミルキーの言葉で怒りが、頂点に達したようです。 お人形はいきなりミルキーに斬りかかりました。 ズバッ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.12.13 05:33:34
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