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テーマ:短編小説を書こう!(490)
カテゴリ:番外編
番外編です。短編です。
今日は『100ゴールド均一ショップ』でのお買い物です。 大きな店舗にやって来たアリスとミルキー。このお店には初めて足を運びました。 朝、ウサギさんが”あの家”にいつも配達してもらっている新聞の折込広告に 『大型100ゴールド均一ショップ、本日午前10時グランドオープン!』 とありました。 さらに『先着100名様、お醤油プレゼント!!』ともあります。アリスはその広告を握り締め、ミルキーを連れてショップに向かう事にしました。 お醤油は切れていたし、普通に買えば結構な出費になるからです。 それにアリス達の今住んでいる街は比較的小規模な街です。ここにデンと大型店舗のショップがオープンしたのですから行かない手はありません。 食料品の買い物がてら、真新しいお店の雰囲気を味わう事にしました。 さて、お店にやって来ました。真っ白くて大きな鉄筋コンクリート製の建物の入り口が目の前にあります。 建物は四角で近代的なデザイン。どちらかというと田舎の雰囲気がある街の中でこの建物は一際目立って見えました。 ミルキーは既にその大きさに圧倒されています。 ミルキー 「ほよ~~~~~~~」 さあ、入り口をくぐって、いざ店内へ。 当然の事ながら自動ドアです。 これもミルキーは驚いています。ミルキーにとって自動ドアは生まれて初めての経験です。 入り口近くに立てばドアが開くので、ミルキーは面白がって何度もドアを開かせていました。 ミルキー 「ずーーーーーーーーーーーん!キャッ!キャッ!」 アリス 「ミルキーさん!はしゃいではいけません!」 ミルキーはアリスに怒られてしまいました。 アリス 「お行儀よくしなくてはなりません。」 店内に入って、入り口付近に出来た列で並んでいると、用意されたお醤油は既にドンドン配られていました。 アリスはお醤油をもらおうとしましたが、列の前の人でちょうど無くなってしまいました。 ガックリ来るアリス。 アリスは気を取り直して商品コーナーの所に行きました。 ここはアリスが元いた現実世界の大型スーパーにそっくりです。そして……ほぼ全ての物が100ゴールド。とにかく素晴らしい品揃えです。アリスもミルキーも嬉しくなって、お互い顔を見合わせてニッコリ微笑みました。 アリス 「でも、安いからと言って、”買い過ぎ”はよくありません。」 アリスはミルキーに注意を促しました。 さてさて、まずはもらいそこねたお醤油が売っているコーナーに行きました。 ありとあらゆる食料品が100ゴールドでした。信じられません。 おいしそうな商品が全て100ゴールド。 醤油も250ミリリットルのボトル入りの物が100ゴールドでした。 これで事足りたのでアリスは満足でした。さっきの気落ちはどこへやら。 嬉しくなって、ちょっと調子に乗ってマヨネーズやケチャップ等も買い入れました。 アリス 「♪~~~~~」 ふとミルキーがお菓子コーナーで目を止めました。 そして……、 立ち止まって動かなくなりました。 アリス 「ミルキーさん!」 呼んでも動きません。 ミルキーの目線の先には魅力的なたくさんのお菓子がありました。 アリス 「しかたありません。少しお菓子も買いましょうか?」 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 なにせさすがに100ゴールド均一なのでどれも安くてボリュームがあります。ミルキーは一口サイズのチョコがいっぱい入った物と大きなビスケットの箱を取りました。 アリス 「1つで充分です。どちらか1つにしましょう!」 ミルキー 「う~~~~~」 ミルキーは激しく迷っています。 アリス 「しかたありませんね。安いので2つともカゴに入れてください」 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 アリスが入り口の所から押して来ていた買い物カゴ。キャリー仕様です。 そこに入れました。 しかし、ミルキーはすぐまた何か別のお菓子を見つけました。 いわゆる『食玩』です。おまけには豪華なミニチュアのままごとセットが入っています。 ミルキー 「アリスタン、これ」 アリス 「駄目です!」 普通なら300ゴールドするぐらいの商品が100ゴールドです。ミルキーはとても欲しそうです。 アリス 「”買い過ぎ”はよくありません。」 それでもミルキーは「アリスタン……」と言って食玩のパッケージを握り締め、目をうるうるさせます。 アリス 「………………………………しかたありません。 それもカゴに入れてください」 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 アリスはふとウサギさんに頼まれていたレトルトカレーの事を思い出しました。 でもミルキーが食玩コーナーから離れないので、しかたなくアリスはミルキーを置いて隣のレトルト食品のコーナーに行きました。 まあ、ミルキー1人残しても、今日は開店日なので店員さんと警備員がたくさんいますから心配ないでしょう。 カレーと一口に言ってもいろんなパッケージの商品が置いてありました。 大盛カレー・きのこカレー・激辛カレー・インドカレー・こだわりカレー、それにハヤシライス等……。 アリスがどれにしようか迷っていると、ミルキーが大きな箱を抱きかかえてやって来ました。 どうやら”シリアル”らしいのですが……、それにしても箱が大きいです。 ミルキー 「アリスタン、”本日のみの商品”って書いてるよ。皆買ってます。すぐに無くなりそう……。これ、買ってもいい?」 アリス 「……う~~~~~~ん。まあ、いいです」 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 アリスはカレーの種類を決めました。 そして……、シリアルで思い出しましたが、あれならヒヨコのモグモグでも食べられそうです。しかしここは100ゴールド均一ショップ、もっといいヒヨコ用の餌も置いてあるかも知れません。 と、アリスがそう考えた時、ミルキーが大きな袋を持ってアリスの所にやって来ました。 ミルキー 「この”きな粉”、買ってもいい?安いもん」 丁度モグモグの餌を買おうと思っていた所でしたので、「いいです」と答えました。 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 これでかなりの量のきな粉が安く買えました。 アリスも嬉しくなって、普段買わずに我慢していた品々を買おうと思い立ちました。 食器類も安く、まな板、包丁、ボール、軽量カップ、保存容器等が全て100ゴールド均一でした。アリスに取っては信じられません。 すると……、そこへミルキーがまたやって来て、 「これも必要よね。こっちも必要よね」と言いました。雨傘とレインコート・スリッパ・足拭きマット・はたき・チリトリを抱えて持っていました。 アリス 「”買い過ぎ”はよくありませんが……、まあ必要な物ならいいでしょう……」 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 アリスはミルキーが日用品を買っていたのを見て、「そう言えば自分も必要な物があったわ」と思い出しました。そして、日用品コーナーに行きました。 そこでいろんな商品を見て、楽しく選んでいると……、またミルキーがいろんな品物を抱えてやって来ました。 バスタオル・洗面器・背中流しのブラシ・シャンプーにトリートメント・石けんのセット……。 アリスは少し驚きました。 ミルキー 「これも必要よね。こっちも必要よね」 アリス 「う……、まっ、まあ、いいでしょう、日用品ですし……」 ミルキー 「やったぁーーーーーーーーー!!!」 その後、またミルキーと分かれてアリスもいろんな品物を探しました。 思いがけずいろいろな良い商品が見つかり、あれもこれもと買うアリスでした。 さすがにアリスも「少し買い過ぎたかな?」と考え始めましたので、手にした商品を抱えてミルキーの待つ買い物カゴの所に戻りました。 すると……、このキャリーには上下2段の買い物カゴがあったのですが……、 そこに積みきれないぐらいのいろんな品物が入っていました。今にもこぼれ落ちそうです。 そしてそこへ……、 ミルキー 「これも必要よね。こっちも……」 両手いっぱいにいろんな品物を抱えて前が見えなくなったミルキーがフラフラと歩いて来るのが見えました。 アリス 「ミッ、ミルキーさん!」 やはり……”買い過ぎ”です……。 THE END お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.07.09 04:03:24
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