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BLUE ODYSSEY

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小話  屋台その2  VOL.141


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2005.12.20
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 そのうち上空には小雨が降り始めました。
タッキーは自分の着ているコートを脱いで、ミッチーに着せました。
今のミッチーはただそこでホバリング(空中停止)して泣いているだけでした。他の事に気が回らないのでしょう。

タッキー 「雨だよ。とりあえずあの家に戻ろうか……?」

ミッチー  「嫌……」

ミッチーはそれだけ言って、後は黙ってしまいました。

タッキー 「…………」

そこでタッキーはしばらく雨の中にいました。
雨が体を打ちつけました。
このままでいると風邪をひきそうですが……、ひいても死ぬ事はありません。「お化け」ですから。でも風邪をひくと直るまでが大変です。

そこでタッキーはどこかで雨宿りしようとミッチーをうながしました。

しかしミッチーは動きませんでした。

しかたなくタッキーは、ミッチーの少し上の上空に浮いて、ミッチーの”雨避け”になっていました。









 その内、雷が鳴り始めました。




ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴーーーーーーー!!!




大きな雷でした。

さらに大粒の雨が降り始めました。さっきまでとは雨量が段違いです。





 その頃、”あの家”では、ウサギさんが今日の仕事を終えて、雨の中を傘をさしながら帰って来た所でした。

ウサギ  「良かったーーーーーーー。もう少し遅かったらずぶ濡れになっていました」

ウサギさんは絶好のタイミングで家に帰る事が出来ました。
でも、背中の毛皮や耳の先はもうすでに塗れていました。

アリス  「ウサギさん。そこに寝そべってください。背中を拭いてあげます。」

ウサギさんはこれはラッキーだと思いました。アリスに拭いてもらえるなら……。

ほどなくしてアリスは柔らかい白いバスタオルを持って来ました。
新聞紙をひいた床に寝そべるウサギさん。
しかし……。

ニセアリス「ちょっと、待ったああああーーーーーーーーー!!!」

ニセアリスがそう言いながらすごいスピードでやって来て、アリスから白いバスタオルを奪い取りました。

ニセアリス「私がやる!」

そしてそのバスタオルをパンパンと意味も無く2~3度叩きました。

パンパン!パンパン!パンパン!

ウサギ  「ぞぞ~~~~~~~~~~~~~~!!」

ウサギさんは起き上がって逃げ出そうとしましたが、ニセアリスに

「コラ!どこへ行く?いまから拭いてやるんだ!逃げるな!」

と言われ、床に押さえつけられました。

ウサギさんは逃げられずに、観念しました。

ニセアリス「ふっふっふっ……、私が拭いた方がずっと気持ちがいいよ。
今からやさしく拭いてあげるからね。




や・さ・し・く……」




ウサギ  「ぞぞ~~~~~~~~~~~~~~!!」

それはまるで、精神的拷問でした……。


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小説目次 

→第1話~第14話
→第15話・第16話
→第17話~






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Last updated  2007.07.09 04:54:32
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