【機動捜査隊 ＡＬＩＣＥ】 第１話 サイバー犯罪 VOL.１７
今やホテル前には複数の機動捜査隊 ＡＬＩＣＥの車輌が並んで駐車しており、赤色灯を点けていました。それで何かあったことが周辺の人々にもわかると思われました。そして救急車も呼ばれていましたが、怪しい３人組はすでに逃走して消えた後でしたので、救急車はその場で少し待機しているだけでした。ウサギさんたちはホテル関係者にバッジと身分証が付いた小さな折りたたみの手帳を見せました。そこには大きな警察バッジが付いていました。これは警察を示す身分証明になる手帳です。バッジの他に顔写真と特別な部署である”機動捜査隊 ＡＬＩＣＥ”の文字が入っていました。コンシェルジュ「警察の方ですか？」リチャード「連絡をされたのはあなたですか？」コンシェルジュ「はい。そうです。」クマ「電話でも少しお聞きしましたが、被害額は？」コンシェルジュ「およそ８８万ゴールドです。」ニセアリス「飲み食いにだいぶ金がかかっとるなあ！」コンシェルジュ「はい。問題のお客様は、昨晩、お酒とお食事をお召し上がりになりました。」ウサギ「一晩でその金額ですか？」コンシェルジュ「はい。お客様は全て高級な品をご注文されましたので。それに追加注文も多くて、けっきょく３人分でこの価格になりました。」クマ「ずいぶん値がはるものですなあ、高級ホテルという所は！」コンシェルジュ「これは何もわたくしどものホテルだけではありません。ホテルの中で一番の最上級のお部屋を取り、最高のお食事とお酒を注文されますとどこでもかなり高い金額になります。」ウサギ「うーーーん。わかりました。その点はもうそれでいいでしょう。ところで、相手の犯行の”手口”についてなのですが？」コンシェルジュ「はい、”お一人の方が急にギックリ腰になられた”ということで、お連れのお二人がその方を連れて外へ出て行かれました。」クマ「そのまま、ホテルから出て行ったのですか？」コンシェルジュ「はい、そうです。わたくしどもは救助車を手配するのでお待ちいただくように申し上げたのですが。それもお聞きにならずに外に出て行かれました。そして出られてからは戻ってこられません」ニセアリス「それで金を払わずにそのままトンズラしたと？」コンシェルジュは頷きました。ウサギ「わかりました。それでその３人の人相を覚えていますか？」コンシェルジュ「そうですね。人相はよくわかりません。お３名様とも顔を隠されていたように思います。帽子やサングラス、それにマスクなどで隠しているように見えました。それで正直、男性か女性かもわかりません。でも声の感じから言えば３名とも男性でした。」リチャード「ではその３名の服装などについて覚えておられますか？何か特徴などは？」コンシェルジュ「まず、お３名様ともなんだか別のホテルの従業員のようなかっこうでした。それに非常によく似ておいででした。まず背の高い男性の方がいまして、なんだかホテル支配人のかっこうのように見えました。でもズボンはなんだかしわが寄っていましたし、お身体に服装がジャストフィットしていない感じでした。本物のホテルスタッフであればそういう事はないと思います。その他に長身で細めの男性の方がいました。それは別のホテルのボーイのようなかっこうでした。そして同じく、背が低くて筋肉質の体型の男性の方、そのお二人共がボーイのかっこうで、お二人とも服装がお身体にピッタリ合ってないような感じでした。」ウサギ「なるほど。もしかすると、それら服はどこかのホテルから盗まれた物かも知れませんね。」コンシェルジュ「ホテル”グランドオート”の制服によく似ていました」
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