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あるが侭に・・・

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2005.07.18
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テーマ:鬱病(2268)
カテゴリ:カテゴリ未分類
帰京するにあたって、青森からではなく父が単身赴任している八戸から帰れば
いいのでは?という提案を父から受けた。
妻と話し合い当日あまりばたばたとしたくないので前日に八戸に行く事を決め
た。

早速、八戸へと父の運転で移動。
僕は疲れていたのか、何時の間にか闇に支配されていた。
暗闇から脱出した時は既に八戸近辺を走行していた。
僕は寝ぼけ眼を何度もこすり、眠気を逃がそうと試みた。
父に「あとどのくらいでつく?ここはどこ?」と尋ねると「もうすぐ着くぞ」
と気分の良い調子で返答が帰ってきた。
後部座席を見ると、上の子はおばあちゃんに、下の子は妻の膝に座りながら
微弱な寝息を立てていた。

八戸到着。

荷物を抱えて八戸の父の住む県営住宅に入った。
なんだか懐かしさを覚えた。
僕は鬱病で休職していた時、この家で大半の時間を過ごした。
すごく昔のようでもあり、とても最近の事のようでもある不思議な感覚が身体を
包んだ。

荷物を客間に運び込み、僕たちは一息ついた。

その後、父と母が買出しに出るというので上の子を引き連れて一緒について行っ
た。
家の近所にある大きなスーパー。ここも懐かしい気分にさせてくれた。
ビールとつまみになるような食材を買い、家へと戻った。残念なのは妻が食べた
がっていたイカ焼きがなかった事。

夕食には僕の弟夫婦も一緒にする事になっていた。
弟達が到着する間に、僕はシルバーアクセの本を読み、子供たちは、はしゃいだ
声で家のいろいろな部屋をまるでおいかっけこでもしているかのようにバタバタ
と走っていた。
ここは4階。下の住人に迷惑だと思い上の子を呼び寄せて、走り回らないように
注意した。
しかし。。。数分もしないうちに、また、下の子と追いかけっこ状態。
ぷっつんしそうなのを抑えて、再度注意した。

。。。また走ってるじゃん!!!

僕は上の子を呼び、読んでいた本で軽く頭を叩いた。そして、理解出来ないだろう
けど下の子にも僕は怒っているんだよ、といった気持ちをこめて「だめ!」と一喝。

漸く静かになった。

父は弟達の到着が遅い事に苛立ちを隠せないでいた。僕はそんな父を諭し、煙草を
数本灰にした。

弟達がやってきた。弟達には僕の下の子の1歳したの子供がいる。つまりは、僕の
子供達にとっては従兄弟。上の子は会うのを楽しみにしていたようで、なんども話
し掛けて反応を見ていた。下の子は自分と同じくらいの女の子に興味を抱いたのか
じっと見つめていた。

皆そろったところで会食を楽しんだ。こうして親子、そして孫を含め父のファミリー
全員がそろって食事をするのは初めてのことだった。
僕はこの時間をもてた事、そして皆と同じ空気、空間、時間を共有できた事に嬉しさ
を感じた。

食後、皆で外に出て花火をした。

その後、家に戻り少し話をした後、弟達と再会の約束をして別れた。

疲れたせいか、皆、後片付けをした後すぐに眠りについた。

朝、僕は5:00に目を覚ました。

昨日はほとんどアルコールを入れなかったためか、頭はすっきりと冴えていた。
とりあえずリビングへ行き、煙草を何本か灰にした。

「まあ、こんなものさ」

何故かこんなセリフを吐いていた。

まだ眠っている上の子を抱きかかえ、父母が寝ている寝室に連れて行き、父と母の
間に上の子を寝かせつけた。父は薄目を空け、僕を見るとにこりと笑った。

皆が起きてくるまでまだ時間があったので、コーヒーを飲み、また煙草を灰にする
作業に励んだ。

トリプタノール25m×2、レキソタン5m、スルピリド100mを服用する。

皆が起きてきたので、朝食を取る事にした。簡単な朝食。昔、母が作ってくれていた
おかず。
鬱が酷い時にここで食べていた時には、そんな些細な事にさえ気付かなかった。
ゆっくりとかみ締め感謝の気持ちをこめて食べ尽くした。

食後、強い眠気とダルさに襲われた。

僕はそのまま眠りについていた。
気がつくと10:30。

”。。荷物をまとめなきゃ。。”

重たい身体を起こし客間へ向かった。
荷物は整理されていた。妻に聞くと母と一緒に荷造りをしてしまったらしい。

11:00。そろそろ駅に行く時間となった。父の家から駅までは大人の足で、だいたい
歩いて5分ほどの距離。上の子はおじいちゃんとおばあちゃんの手を握り足取り軽く歩いて
いく。下の子は自分で歩いたり、妻に抱っこされたりを繰り返しながら、ゆっくりと駅を
目指していた。

駅に到着。

駅弁を選び、ホームに足を運んだ。

僕達が乗る列車は既にホームに入ってきていた。父と母はホームまで見送ってくれた。
荷物を棚にあげ、上の子をつれてデッキへ向かった。

上の子に「おじいちゃんとおばあちゃんに又来るね!っていいな」
と伝えると震えるような声で僕の言葉をそのまま発していた。
見てみると上の子は泣いていた。
そんな上の子の姿を見た父は「運動会。見に行けたら行くからね。」と告げる。
上の子は泣きじゃくりながら「うん。まってるね。。。」と返す。
列車が発車するまで上の子は泣きながら、おじいちゃんとおばあちゃんと会話をした。

。。。プシュー。。。

列車のドアが閉まる。

上の子が「あ、あ。。。」と閉まるドアに向かって声をあげた。

ふと窓から父を見るとハンカチが握られていた。

上の子は盛岡に着くまでの30分間、ひたすら泣いていた。よっぽど好きなんだろうな、
と思いながら、上の子に方をまわした。

無事に自宅に到着。

到着した事を告げるために母の携帯を鳴らした。
すると母から意外な事を聞いた。

「お父さん、泣いてたよ。上を向いて。母さん、お父さんが泣くのを初めて見たよ」

父も悲しかったんだ。強い父という印象が強いのでびっくりしたが、あの時握られていた
ハンカチは紛れも無く悲しみを吸い取る為のものだったのだ。

切なく、胸の奥がぎゅっと締め付けられるのを我慢しながら母と会話をし、そして受話器を
置いた。


人と人との巡りあわせ。とりわけ自分の子供、そして孫の存在は大きく、運命的なもので
あろう。父と息子が流した涙は、この奇跡的なめぐり合わせがもたらす最高に綺麗で切ない
雫であろう。


僕もいずれは孫を持ち、同じような気持ちを味わうのかな?と感じ、夜空に瞬く星に向かって
手を伸ばし「神よ。。。」と意味も無く呟いた。





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Last updated  2005.07.22 11:28:48
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