今は、就職・求人の情報もネットでの提供・収集がメインになっていると思いますが、私が大学生だった頃は、(確か大学3年生の頃だったと記憶していますが) それぞれが電話帳ぐらいの厚さをした業界別の就職情報誌・求人誌がセットになって自宅に何箱も送られてきたりして、学生たちは皆、それらとニラメッコしながら企業を検討していくような感じでした。 もちろん、就職セミナーなどは当時もありましたが、紙媒体での情報収集が中心であったように思います。
ネットによって当時と比べて格段に情報過多になった現代では、情報の取捨選択と判断が上手にできないと、膨大な量の情報に振り回されてしまうように思います。 そういう意味では、情報への接し方がきちんとできるかどうかも、編集のセンスが問われるところと言えるのかもしれません。
自分の欲しい情報を効率良く探すことができる、登録しただけで手元に自動的に送られてくる、というのはとても便利なことだと思います。 でも、あることを調べるのに、わずかな情報や浅い情報だけで簡単に判断してしまったり、あるいは (現時点で) 自分が関心を寄せている情報だけを集めるようにしてしまうと、偏った見方しかできなくなって視野が狭くなるだけでなく、新しい発見や出会いの機会を自らの手で奪ってしまうことにもなると思います。
就職活動での情報収集がそれに当てはまるかどうかはわからないのですが、自分の実感では、簡単に楽して得られた情報よりも、時間をかけて苦労して集めた情報の方が、 (その後も役立つ) ずっと深い内容を持っていることが多い、ということが言えるように思います。
就職は人生の大きな岐路でもあるので、就職活動中の学生さんたちには、広い視野を持って情報と上手に付き合いながら頑張って欲しいと思っています。 (編集者を目指している方であれば、 日頃から様々なことに関心を持ってアンテナを張り、 情報への感度を高めておくことも大切です。)