EDITOR NAVI

[入社直前ミニ講座] カテゴリの記事

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• 編集者としての旅立ち

  　　　４月まで、あと１週間。　春から入社という方は、いよいよ編集者としての旅立ちの日を迎えます。　　いまの心境は、ちょっぴり緊張しつつも、きっと、期待に胸が膨らんでいることでしょう。　　入社してからしばらくは、 新しい環境に慣れるまでに気疲れもするでしょうし、　「自分は上司や先輩からどんな目で見られているのだろう」　と周りの目が気になることもあるかと思います。　でも、　それはごく自然なことであって、普段の自分以上に着飾って周りに良く見せようと無理をするのではなく、社会人としてのマナーを弁えつつ、自分らしさを出していく方が良いのではないかと思います。　皆さんが最初にする仕事は、編集者の仕事の中で言えば、ごくごく一部分であったり、会社の業務という大きな枠組みから見れば、雑用的な仕事の方が多いと思います。　でも、それらの仕事を　“自分にただ与えられた仕事”　と受動的に捉えて取り組むか、　“自分に任された仕事”　と能動的に捉えて取り組むか、ということで大きな違いが出てきます。　受動的であれば、ただ単にその仕事をこなせばよいと考えるに留まってしまうでしょうが、能動的に取り組むことができれば、自分なりに工夫をしたり、先を読んだ仕事　（もう少し効率良くできないだろうか、こうすれば先輩の作業がしやすくなるだろう等）　がきっとできるようになると思います。　　これから皆さんは、 本当に多くのことを学んでいかなければいけません。　まずは、 上司や先輩の仕事の進め方や作法を真似ることからスタートして、一つ一つの作業を一日も早く自分のものとし、将来、自分のスタイルを確立してほしいと思います。　でも、そのためには、基礎をしっかり身に付けなければいけないということを決して忘れないで下さい　（砂上の楼閣となってはいけません）。　　本作りにかける情熱がなければ、編集者の仕事は続けていくことはできません。　その情熱を保ち続けるのはとても大変なことではありますが、自ら企画を立て、著者と読者を橋渡ししていく編集者の仕事は、本当にやりがいのあるものです。　皆さんには、ぜひ頑張ってほしいと思います。　「入社直前ミニ講座」　と言いながら、とても講座と言えるほどの内容ではなく、期待していた皆さんには不満な点が多々あったかと思います　（ごめんなさい）　。　それでも、これまで継続して見に来て頂いた新人編集者の皆さん、本当に有難うございました。　４月からは、きっと多忙な日々が始まることと思いますが、いつかまた、この EDITOR NAVI にぶらっと立ち寄って頂ければ幸いです。　

  2006.03.26

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• 多様化する本の売り場

  　編集者の仕事は本を企画 ・編集して作れば終りというわけではなく、作った本をどのように宣伝して売っていくかということまで考えていかなければいけません。でもそのためには、読者が本と出会う環境が今どうなっているのか、ということを知っておくことがとても大切です。　普段、皆さんはどんなところで本を買っていますか？　　　１．　街の書店　　　２．　ネット書店　　　３．　コンビニエンスストア　　　４．　その他　私自身についていえば、 圧倒的に多いのが１番目に挙げた街の書店で、 その次がネット書店です。　それと、４番目に挙げたその他に該当する所として、 ヴィレッジヴァンガード のような複合型のお店があります　（私はヴィレッジヴァンガードのファンの一人です）　。　ほんの数年前までは、本は街の書店で買うのが当り前のことでした。読者は自分の手で実際に本に触って、 中を開いて見て、 そして買うかどうかの判断をする、というのが自然な流れでした。　もちろん今でも、読者の多くは　“リアルな”　書店で本を買っていることと思います。　ところが、 インターネットの爆発的な普及とともにネット上にも書店が誕生し、 そこに新たなマーケットが生まれました。　わざわざ書店まで足を運ばなくても、自宅に居ながらにして、しかも24時間いつでも買えるという、新しい本の買い方ができるようになりました。　ネット書店が誕生したことで、これまで街の書店にあまり足を運ぶ機会がなかった人たちに本と出会うきっかけができたり、近くに書店がないことが理由で本を買いたくても買うことができなかった人たちや、毎日の仕事が忙しく、また夜遅くなりがちで書店に立ち寄ることがなかなかできなかった人たちが、場所や時間を問わずに本を買うことができるようになりました。　普段、街の書店を利用している人にとっても、買い方の選択肢が増えたこと、自宅で本の検索ができること、そして、新刊 ・近刊情報をいち早く得ることができるようになったことなど、ネット書店は情報の発信基地としても大きな役割を果たしています。　ただ、ネット書店という新たなマーケットが生まれたから読者　（本を購入する人口）　も爆発的に増えたかといえば、そう単純に考えることはできません。　もちろん、24時間いつでも買えるという、新しい本の買い方ができるようになったことや、多くの人たちに本と出会うきっかけを与えたということで、読者人口は多少なりとも増加　（もう少し言うと、買いたいのに買えなかった人たちが購入できるようになったことによる増加）　はしているとは思います。　　しかし、出版界全体での本の売上げ動向などを見ても、新しい読者　（これまで本をあまり買わなかった人たちが買うようになる）　の開拓はまだまだ進んでいないように見えます。　これは、これまで街の書店で買っていた人たちがネット書店を利用するようになっているということで、プラスとマイナスで見るとトータルではほとんど変っていない、というのが実際の姿なのかもしれません。　なぜなら、一般的には、一人の人が同じ本を２冊以上買うことは考えにくいので、読者にとっては本を買う場所の選択肢が増えて便利になったとはいえ、ある本を一人の人が買う冊数は、やはり１冊に留まるからです。つまり、街の書店で１冊売れる代わりにネット書店で１冊売れた、という構図になるわけで、全体として見れば、売れる冊数に大きな変化が見られないということが起こります。　では、上に挙げたように本の売り場が広がることはそれほど意味がないのかというと、そうではありません。読者の目に触れる機会が広がったということは、それだけ本を売るチャンスが広がっているわけですから、それをうまく活用していくということが　（最近のベストセラーにはその事例を見ることができるものが多いですが）、出版社に与えられている大きな課題といえるかと思います。　（これは他人事ではなく、私のいる出版社においても、です。）　　多様化した本の売り場をいかに活用していくかということについて、これから編集者になる皆さんはどんなアイディアが浮かびますか？ 　この機会に、ぜひ考えてみて下さい。　　

  2006.03.21

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• 本の各部の名称について

  　本の各部には、いろいろな名称が付いています。　編集者を目指して頑張ってきた皆さんですから、すでに知っているという方も多いかもしれません。　入社してから、一度は先輩に教わることになるとは思いますが、折角ですから、この機会に覚えておきましょう。　本の各部の名称についてわかりやすく紹介している、　（株） 第一印刷という印刷会社の 本の構造と各部名称 というページがありますので、まずはそちらをご覧下さい。　これらの名称を初めて見る方もいるかもしれませんので、いくつかの漢字について、その読み方を書いておくことにします。　　　天　（てん）　　　地　（ち）　　　小口　（こぐち）　　　柱　（はしら）　　　版面　（はんづら）　赤い点線で囲まれている部分が版面と呼ばれている部分で、ここが本文が組まれる領域です。　版面の大きさは、その本の判型　（A5判とかB5判などの本の大きさ）　を超えない範囲で自由に設計することができますが、柱やノンブル　（本のページ番号のこと）　が入ることや、見た目のバランスなども考えると、ある程度の制限が出てくることはわかるかと思います。　これを見た皆さんの中には、　「本というのは、案外、自由度　（自由にいじれる部分）　が少ないんだなぁ～」　なんてことを思った人もいるかもしれません。　でも、それは考え方次第です。　　著者の原稿の魅力を最も引き立てるようなレイアウトやデザインを駆使して、その小さな版面を輝かせることに、ぜひやりがいを感じてほしいと思います。　（ただ、誤解をしてはいけないことは、著者の原稿の魅力が伝わることが主であって、それを無視した、編集者の自己満足だけのレイアウトやデザインではいけません。）　　読者が本を開いた瞬間、その紙面が如何に魅力的に、わかりやすいものに映るか。　ここにも、編集者としての技量が問われてくるのです。　　

  2006.03.17

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• 整理整頓を心掛ける

  　これはある程度、その人の性格にもよるのかもしれませんが、 できることなら、 日頃からきちんと身の周りの整理整頓をするように努めてほしいと思います。　　入社仕立ての皆さんが編集に直接関わる仕事としては、校正や素読みといったものが多くなると思いますから、　まだそれほど机の上がゴチャゴチャするということはないと思います。　でもしばらくして、図の校正や写真のトリミングなどの作業も任されるようになってくると、これまでは広く見えたデスクの上もフル稼働といった状態になってきます。　　こういう時に普段から机の上の整理が行き届いていないと、編集作業でアレコレと広げているうちに、　「ここに置いたはずのものがない」　なんてことになって、集中して進めていた作業を一旦中断して探す羽目になったり ・・・。　　特に写真類などは著者やその持ち主から借りている場合が多いので、傷を付けたり汚したりしては大変です。　ましてや、紛失したではすまされません。　　机の上がゴチャゴチャしていても、本人にとってはそれなりに整理ができていて、そのままの方が何がどこにあるかをきちんと把握できているということもあるかもしれません。もちろん、それが自宅の自分のデスクならそれでもよいと思いますが、編集者の仕事場となる会社のデスクについては日頃からできるだけ整理整頓をして、編集作業がスムースにできるように心掛けてほしいと思います。　　

  2006.03.14

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• 気配りのできる人になれ

  　入社してからしばらくの間は、おそらく、いろいろな雑用を任される日々が続くと思います。　希望の職種に就いたと思ったのに雑用ばかり ・・・　なんてことを思うこともあるかもしれませんが、　そうした雑用をどのようにこなしているかという姿勢を、上司や先輩方はきちんと見ています。　校正刷　（ゲラ）　や原稿のコピーをとるという仕事にしても、学生時代の延長のままで　「たかがコピーでしょ」　なんて気持ちで取り組むのと、コピー一つでも気配りのあるものとでは雲泥の差が出るものです。　例えば、忙しくデスクワークをしている先輩から、章の順序が乱れたままのゲラを手渡されて、　「このゲラのコピーを１通とっておいて」　と頼まれたとしましょう。　この後、皆さんならどうしますか？　１． 渡されたままにコピーをとって、そのまま渡す。　２． 順序を正してからコピーをとって、そのまま渡す。　３． 順序を正してよいかどうか先輩に確認してからコピーをとり、各章ごとにクリップで綴じて渡す。　　これはあくまでも一つの例であって、その場の状況にもよることなので、絶対にこうしなくてはいけないということではありません。　でも私ならば、こちらが何も言わずとも３の対応を自然にできる新人さんには　“気配りのできる人だな”　と感じます。　３の対応には、　「このようにすれば、先輩はきっと次の作業がしやすくなるだろう」　という気配りが見えるからです。　編集者にとっては、著者に対しての心配り、気配りが特に大切です。　それは著者一人一人異なるものでもあり、ここに一つ一つ書けるほど簡単な　（単純な）　ものではありません。　でも、基本的な姿勢としては、　“常に相手の立場に立って考える”　ということが大切だと思います。　時には、　「良かろうと思ってやったことが裏目に ・・・」　なんて失敗もあるかもしれません。　でもそれも勉強ですから、 腐らずに前向きに。　そして、上では雑用と書きましたが、　その雑用の一つ一つが、実は編集者として成長するための大切な糧になることを覚えておいて下さい。　ぜひ皆さんには、大いに気配りのできる編集者になってほしいと思います。　

  2006.03.10

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• 本が書店に届くまで

  　書店には、毎日、膨大な量の新刊が取次会社を通して配本されてきます。 それらの本は、いったいどのような流れで書店に届くのでしょうか。　このことは、出版業界に入る皆さんには基本的な知識として頭に入れておいてほしいと思います。　　本が書店に届くまでの一般的な流れとしては、　　　出版社　→　取次会社　→　書店ということになります。　この他にも、書店の方が出版社に直接買い付けに訪れたりするということもありますが、ここでは、取次会社を通しての本の流れをご紹介したいと思います。　出版社は、本を書店に配本してもらうために、取次会社　（出版社と書店を結ぶ、重要なパイプの役割を担っています）　に出来上がった新刊を見本として持っていきます。　国内では日販とトーハンが２大大手と言われていて、ほとんどの本がパターン配本とよばれる方法によって各書店に配本されています。　各書店にといっても、国内のすべての書店に本が配本されるわけではありません。　取次会社では、その出版社の過去の売上げ実績 ・国内の類書の売上げ動向 ・各書店ごとの売上げ実績などの膨大なデータをもとに、その本の配本部数 ・配本する書店を決めていきます。　決めるといっても、手作業で全国の書店の売り上げ動向を一つ一つチェックするようなことはできませんから、コンピューターによって自動的に、配本する書店 ・配本部数、そして配本日が決定されていくわけです。　　こうして配本部数と配本日が決まると、出版社は取次会社のトラックが本を取りにくる日に合わせて、出庫の準備をしておきます。　あるいは、あらかじめ出版社の方で、取次会社の倉庫に本を運んでおくという方法も行われています。　出版社の多くが都内に集中しているという事情もあって、各書店に本が届く日には若干のずれがあります。都内の大型書店であれば、早ければ、配本日の当日には新刊が店頭に並ぶことになりますが、地方になると、本の運送に時間がかかることもあって、配本日から数日遅れて本が届くということになります。　本は、再販制度のもとで、その多くが委託販売という形で書店に配本されていきます。委託販売では、半年間や１年間などのある一定期間、本を書店に置いてもらって、売れなければ、本に挟まれているスリップに書かれた返品期限内に返品、売れたら、書店はそのスリップをもとに取次会社　（あるいは出版社に直接）　に再注文をするという流れになっています。　ここでは新刊が書店に並ぶまでの流れを簡単にご紹介しましたが、この逆の流れで、書店から返品された本が出版社に戻ってくることになります。この詳細については省きますが、入社前の基礎知識として、本がどのようにして書店に届くのかということについて、ぜひ知っておいてほしいと思います。

  2006.03.06

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• 出会いを大切にする

  　これから皆さんは、上司や先輩のもとで編集者としての仕事を一つ一つ学んでいくなかで、そこに関わる多くの人たちとの出会いをすることでしょう。　印刷所の人、製本所の人、書店の人、広告会社の人、トレースの人、デザイナー、イラストレーター。　そして、編集者にとって決して欠かすことのできない、著者との出会いです。　どんな仕事でもそうだと思いますが、円滑に事を進めるためには、やはり日頃のコミュニケーションが大切になります。　新人の皆さんにとっては、周りの人たちの多くが先輩に当たるわけですから、最初は思うように会話ができないということもあるかもしれません。　でも、変に馴れ馴れしくするという意味ではなく、なるべく話をする機会をもって、いろいろと知識を吸収してほしいと思います。　皆、それぞれの分野のスペシャリストですから、きっと多くのことを学ぶことができると思います。　編集者にとって大切な著者とのことについていえば、入社してしばらくの間は、先輩の編集者に連れられて、いま進めている本の著者のところに伺ったり、執筆を打診している作家のところに伺ったりという形での出会いということになります。　先輩に連れられて一緒に訪問するというなかで、著者との会話術、交渉術、気配り、そして時にはお酒の席での振舞い方　（接待の仕方）　などを学んでいくわけです。　ですから、　「先輩がいるから、自分はただ付いていけばいいだけだ」　なんて気持ちでいては絶対にいけません。　先輩から、　「著者のところに一緒に行くぞ」　と声を掛けられたなら、　「よし！　しっかり学んでやるぞ」　という気持ちにならなくてはいけません。　そして、著者のところに訪問したならば、先輩が著者とどんなふうに会話をしているか、どんなふうに立ち振る舞っているかということを、　“聞き漏らさず、見逃さず”　にいてほしいと思います。　とは言っても、あこがれの著者　（作家）　を目の前にして、嬉しさのあまりに舞い上がってしまって先輩が著者とどんなことを話していたのか全く頭に入らなかった、なんてこともあるかもしれません　（自分にも経験があります）　。　だから、１回目からすぐにそうしなければならないとまでは言いませんが、１日でも早く　“聞き漏らさず、見逃さず”　ができるように努めてほしいと思います。　これは私の拙い経験ですが　（おそらく、多くの編集者の方々がそうであると思いますが）、「一人の著者との出会いをきっかけに、また新たな著者との出会いが生まれる」　ということがよくあります。　もちろん、そうなるためには、著者と編集者との間に信頼関係がなければならないことは言うまでもありません。　“一つの出会いが次の新たな出会いを生む”　ということがあるからこそ、ほんの小さな出会いであっても、それを大切にしてほしいと思います。

  2006.03.02

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• 一読者から、編集者になること

  　これまでは一読者という立場であった皆さんも、今後は作り手側になるわけです。　いままでは自分の興味 ・関心の趣くままに読書というものを純粋に楽しんできたと思うのですが、　これからは、　“いかにして読者の心を掴む本を創るか、読者が読みたいと思っているのはどんな本なのか”　ということについて徹底的に考え、そしてその本作りを成し遂げていくことが仕事となります。　ただ、ここで注意をしなければならないことは、編集者は　“読者とは一線を引く”　仕事ではないということです。　むしろその逆であって、　“読者に関心をもつ、アンテナを張り巡らせる”　ことがとても大切になるのです。　これまで皆さんは、他人がどんな本を読んでいるのかということについては、おそらくあまり関心がなかったのではないでしょうか。書店に一歩入れば、自分の好きな雑誌、好きな作家の本、興味のあるテーマの本などに手を伸ばして、　「これは買いだな」　と自分の心が動かされたときにそれを買い求める、という感じではなかったかと思います。　　でも、編集者は、（一読者という立場でのあなた自身がそうであったように）　読者が心を動かされて買おうと行動を起こす、　“その心を動かすものとは何なのか”　ということについて考えることが大切なのです。　ごく身近な例でいえば、あなたの周りにいる人たちが、いまどんな本を読んでいるのか、どんなテーマ ・ どんな人に関心をもっているのか、そして、どうしてその本を買いたいと思ったのか、などということについて知ろうとすることが大切なわけです。　仕事を離れて　（現実には、編集者の職業病で、仕事のことが頭から離れることはないのですが）　プライベートでは、 これからも読書そのものを楽しんでいってほしいのですが、 編集者となるからには、周りの人たち　（大きく言えば、世の中）　がどんな本を欲しているのかということについて、常に考える姿勢をもつようにしてほしいと思います。　　まずは、自分自身に問いかけてみましょう。　自分だったらどんな本を読みたいと思うか、買いたいと思うか。　これこそが、あなた自身の編集者としてのもっとも基本的な視点になるからです。

  2006.02.26

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• 不安に負けず、貪欲に学ぶ

  　憧れの出版界に入ることが決まったものの、そこは何もかもが新しい世界。　期待と不安が入り混じった気持ちでいる人も多いのではないでしょうか。　これから皆さんは多くのことを学び、多くの失敗もしていくことでしょう。　また、テキパキと仕事をこなしている先輩編集者たちの姿を目にしては、　「自分も先輩のようになれるのだろうか」　と不安な気持ちになったり、同期の仲間が自分よりも卒なく仕事をこなしているように見えて焦りを感じたりすることもあることでしょう。　そして、ときには、　「自分はやっぱり編集者には向いていないのでは」　、なんてことを思ったり・・・。　入社当時の私は、そんな気持ちでいっぱいでした。　でも、仕事は待ってはくれません。　日に日に先輩から与えられる仕事も多くなり、それにともなって、多くのことを学び、それを無我夢中でこなしていました。　そんなこともあってか、仕事中は余分なこと　（不安なこと）　を考える暇などありませんでした。　　仕事を一歩離れれば、まだまだ不安な気持ちはありましたが、毎日、自分に与えられる小さな仕事の積み重ねを通して、少しずつ自分に自信がもてるようになったことをきっかけに、そうした不安もなくなっていったような気がします。　皆さんも、自分に自信が持てず、不安な気持ちになることがあると思います。　でも、それに負けずに、日々、貪欲に学んで力を付けていってほしいと思います。　

  2006.02.22

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• フォントに関心をもつ

  　編集者は、フォント　（書体）　というものにとても気を使います。　それは、用いるフォントによって、本　（商品や広告）　の印象が大きく変わってしまうからです。　このことは、フォントが命であるデザイナーの方々にとっては言うまでもないことですが、編集者も、フォントにこだわる　（こだわらなければならない）　職業だと思います。　普段皆さんは、多くの本や雑誌を読み、また電車の中刷り広告や街のあちこちでたくさんの広告を目にしていると思いますが、　“そこで使われているフォントに注目して見る”　という機会は、これまであまりなかったのではないかと思います。　いま手元に本や雑誌があったら見てほしいのですが、そこには実にたくさんの違ったタイプのフォントが使われていることに気がつくと思います。　タイトルに、扉に、本文中の見出しに、本文に、重要語句に、キャッチフレーズに、・・・ 。　それらすべては、担当の編集者が数多くのフォントの中から熟考の末に選択したものなのです。　見出しといえば、それを一番目にする媒体に新聞があります。新聞の場合は新聞独自のフォントを使っている場合もありますが、フォントの宝庫としてみると、新聞もまた違った楽しみ方ができるのではないでしょうか（広告も多く掲載されているので、そこで使われているフォントも参考になります）。　ここでは述べませんでしたが、フォントの種類だけでなく、レイアウトの仕方などについても学んでいかなくてはなりませんが、いますぐにというのも難しいと思います。　そこで、まずは、身の周りの様々な媒体　（商品のパッケージも）　をフォントやレイアウトに注意して見てほしいと思います。　毎日目にするものを材料にして、　「これって読みやすいな～」　って素直に感心したり、　「この方が読みやすいのでは」　とか、　「自分だったらこうするのに」　といった視点をもつことが大切だと思います。　

  2006.02.17

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• 話上手よりも聞き上手に

  　これから編集者になろうという人の中に、　「編集者はデスクに噛り付いて編集作業をするのが仕事だから、人と接するのが苦手な私に向いている」　なんて誤解をしている人はいないと思います。　編集者は日頃から多くの人たちと接する仕事であり、また多くの人たちとの新たな出会いをする仕事でもあります。　ということもあって、できれば初対面の人ともスムースに話ができるようであってほしいのですが、　「自分は話ベタで ・・・」　なんてことを思っている人もきっといるのではないかと思います。　以前に記したことがあったような気がしますが、入社当時の私はとても話ベタで、人とうまく話をすることが苦手でした。　企画会議のプレゼンでは毎回上がってしまって汗だくでシドロモドロになり、著者との初めての顔合せでは緊張のあまり言葉が出なくて、しばらく黙ったままになってしまったり、などなど ・・・。　話ベタなことがコンプレックスになっていたということはありませんでしたが、会議で堂々とプレゼンし、初対面の人とも流暢に話ができる先輩編集者たちの姿を目にしては、とても羨ましく思っていました。　そんな私は、話すことが苦手なら、その分、人の話を聞くこと、人から話をうまく引き出すことに関しては先輩方に負けないようになろうと思うことにしました。不思議なもので　（年の功なのかもしれませんが）　、 聞き上手になろうと思ったときから、話をすることに対しての苦手意識も少しずつなくなっていきました。　“話上手で聞き上手”　であれば言うことなしですが、人には苦手なものがあるものです。　誤解を恐れずに言えば、　“編集者は話上手であるよりも聞き上手である方がよい”　と私は思います。　話をすることがうまくなくても大丈夫。　不器用でもそれを真剣に伝えようとする姿勢が大切だと思いますし、著者や周りの人たちから多くの話を引き出して次の企画のヒントを得たり、新たな人脈を広げることができるような聞き上手になってほしいと思います。

  2006.02.12

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• 点が線として見えるようになるまでは

  　入社してからしばらくの間は、先輩の編集者から与えられる仕事を一つ一つこなしていく日々が続きます。　そんなこともあって、時には　「何でこんなことまでさせるんだろう」　とか、　「これくらい自分でやってほしいなぁ ～ 」　なんてことを思ったりすることもあるかもしれません。　正直言って、私自身も入社した頃はそんなことを何度も思ったりしました。　私の入社当時を少し振り返ってみると、その頃私がしていた仕事といえば、　　・　編集部にかかってきた電話に誰よりも先に出る　　・　原稿や校正刷　（ゲラ）　のコピーをとる　（朝から夕方までずっとコピーということもありました）　　・　編集部に届けられる郵便物を仕分けて、先輩の編集者に渡す　　・　本の整理や献本作業　　・　上司から次々に与えられる様々な本の校正と素読みを必死になってこなすといった感じで、これらを繰り返す日々でした。　　いまだから言えますが、上司に　「このゲラのこのページだけコピーしてきて」　などと言われたときには、　「それくらい自分でやってよ」　なんてことを思うこともありました。　また、本Ａの初校をやっている途中で、本Ｂの索引の再校を命じられ、それを進めている最中に　「さっき渡した本Ａの初校はもう終わったのか？」　などと催促されて、もう頭の中がパニックになることもたくさんありました。　新人の頃というのは、全体の作業や流れが把握できないために、いま自分がやっている仕事がその本の工程のどの段階にあるのかが掴めません。　さらには、同時にいくつもの仕事を言い渡されるために、自分はいったい何をやっているのだろうと混乱したりすることもあります。　言い換えると、与えられた仕事の一つ一つが　“点”　としてしか見えないのです。　それが連続した１本の線として見えるようになったとき　（いま自分がやっているのは、この本の工程のこの段階の仕事だな、と自然にわかるようになったとき）　、　編集者としての第一歩を踏み出したといえると思います。　私自身が入社した頃に経験したことと同じことが、これから編集者として歩み出す皆さん全員に当てはまるとは思いませんが、ただ一つアドバイスをするとすれば、　“点の連なりが線として見えるようになるまでは、無我夢中で頑張ってほしい”　ということです。　これを乗り越えたとき、編集者の仕事の面白さもきっとわかるようになると思います。

  2006.02.08

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• １冊の本ができるまで

  　今回は、本ができるまでの流れを簡単に紹介したいと思います。　　　企画立案　：　アイディアを整理して膨らませ、それを熟成させて、一つの企画書にまとめる。　　　企画会議　：　提出した企画が通るように、会議のメンバーを前にプレゼンテーションを行う。　　執筆依頼　：　著者候補者に企画の趣旨を伝えて納得して頂き、正式に執筆をお願いする。　　 　　原稿催促　：　定期的に進行状況を確認。執筆途中の原稿に目を通したり、著者をサポート。　　著者脱稿　：　嬉しくも緊張する瞬間。狙い通りの原稿になっているかどうか、丹念に読み込む。　　原稿割付　：　見出しの大きさ、図や写真の配置など、レイアウトを考えて原稿に指定を入れる。　　校正作業　：　初校 → 再校 → 三校と進むに従って、ゲラの赤字　（直し）　が減っていく。　　　　　↓　　　途中、カバーデザインの決定、定価会議、広告の手配などが行われていく。　　　　↓　　責　　　了　：　三校に少々赤字があるが、後は印刷所の責任で直して校正は終了、の意味。　　印刷製本　：　責了後に出てくる青焼きの確認が済むと、印刷 → 製本　と進んでいく。　　本の完成　：　出来上がった本が社内や社外の倉庫に納本され、担当の編集者に見本が届く。　こうして完成した本は、取次会社を通して全国の書店に配本され、読者のもとに届くことになります。なお、ここでは単行本の完成までの流れを簡単に記したのですが、シリーズ本などになると、編集会議を開いたり、編集委員に原稿を読んで頂いたりなどの作業も入ってくることを覚えておいて下さい。　もう少し詳しく知りたいという方は、「編集者入門ミニ講座」　も併せて読んで頂ければと思います。　　

  2006.02.04

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• 編集部の雰囲気は ・・・

  　出版社という一つの組織の中での編集部　（編集者）　の役割は、新しい企画を立て、著者に執筆を依頼 ・催促して原稿を得ること、そして年間の刊行計画に沿って、著者から頂いた原稿を編集して本として出版していくことにあります。　書籍の場合は基本的には、その企画を立てた編集者が一人で編集作業を進めていきます。編集者一人一人がそれぞれ異なった本の編集を進めていることと、刊行までの期間が比較的長いということもあって、書籍の編集部は静かな雰囲気のところが多いと思います　（もちろん、責了近くになると、皆ピリピリした感じにはなりますが）　。　同じ編集部であっても、書籍と雑誌では仕事の進め方や部内の雰囲気がかなり違います。　また出版社の社風や手掛けている分野によって、編集者に求められるものも少しずつ異なるかもしれませんが、編集者としての役割が大きく変わることはないと思います。　書籍の編集では一人でコツコツと着実に進めていく力が要求されるのに対して、雑誌の編集ではチームワークの良さも要求されます。　いずれにしても、編集者として自分自身のポテンシャルを高めていくことが大切です。

  2006.01.31

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• いろいろな情報源を活用しましょう

  　私が企画のアイディアを得るための情報源として活用しているものには、主に　　　新聞　　雑誌　　書籍　　インターネット　　イベント ・セミナー ・学会　　各分野の専門家などがあります。　　新聞や雑誌は、興味をもった記事をファイルしたり、アイディアノートにキーワードなどをメモしています。　書籍は、自分の興味ある分野のものを読むことは大切なことですが、日々刊行されるすべての本に目を通すことは到底不可能なので、少なくとも新刊情報・近刊情報はできるだけ掴んでおくようにしています。　インターネットは情報収集のための強力な道具です。　最新のニュースをチェックしたり、アイディアノートに記しておいたキーワードでその周辺の話題を調べたりしています。　ただし、インターネット上にはさまざまな情報　（間違った情報や嘘の情報）　も飛び交っていますから、必ずしも信頼に値するものだけとは限らないということは頭に入れておくことが大切です。　イベント ・セミナー ・学会では、その道の専門家の話を聞けたり、会場に来ている人数や年齢層でそのテーマへの関心の度合いの高さや、そのテーマを本にしたときの読者層を大雑把にでも掴むことができます。また、会場でさまざまな方と面識を持つことで人脈を広げることができるなど、有益なことが多くあります。　実際には、上に挙げたいろいろな情報源に加えて、日々の生活で目にすること、耳にすることなどのすべてがアイディアを得るための情報源となるのですが、それは、企画のことを常に考え続ける姿勢があってのことなのです。　　常に考え続けているからこそ、ふと目にしたことに　「あっ、そうか！」　とヒントを得るわけであって、問題意識がなければ、目の前のヒントも、ただの風景にしか見えないということになってしまう、ということを覚えておいてほしいと思います。　

  2006.01.28

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• Ｔ 型のアンテナを持ちましょう

  　編集者は企画を立てなければなりません。　無から有を生み出す企画という作業は編集者として最も楽しい作業ですが、これを継続していくことは、本当にパワーがいることでもあります。　これはある意味 職業病といえるかと思いますが、編集者は意識しようがしまいが、四六時中、常に企画のことを考えています。　そこで大切なことは、情報キャッチのためのアンテナを常に張っておくということです。　　そのアンテナというのも、自分の好きな分野 ・得意な分野だけの情報をキャッチするような縦１本の尖った狭いアンテナではなく、広く浅くいろいろな分野に興味関心をもつという意味で、横長のＴ型のアンテナを持ってほしいのです。　この分野だけは誰にも負けないといえるような得意分野を持つこと、そしてそれを伸ばしていくことも大切なことなのですが、編集者は様々なテーマに広く浅くでも関心を持つようでなければいけません。　自分が興味のある分野だけに目が行ってしまうと、企画が先細りになってしまうからです。　これからはＴ型のアンテナを常に張って、いろいろなことに興味関心を持つようにして下さい。

  2006.01.24

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• 覚書ノートを作りましょう

  　これは何も編集者の仕事に限ったことではありませんが、とにかく最初のうちは覚えるべきことが多く、それらがすべて頭に入るまでには、おそらく相当な月日がかかると思います。　　例えば、先輩の編集者から、　「再校では、これと、これと、これは必ずチェックするように」　と言われてその場では理解しても、しばらくして別の本の再校にとりかかったときに、前に言われていたことをうっかりして、　押さえるべきポイントのチェック漏れが起こったりするわけです。　また、「編集者入門ミニ講座」　でも記しましたが、編集者は普段何冊もの本を同時進行で進めているので、新人の皆さんにも、午前中は本Ａの初校、午後は本Ｂの再校、夕方には本Ｃの三校、をそう日が経たないうちから、先輩から手渡されて作業を頼まれるなんてこともあるわけです。　こうなると、もうパニックで、前に注意されたことも頭の中でぐちゃぐちゃになってしまったりします。　ということもあって、最初のうちは、とにかく覚えるべきこと　（言われたこと）　をメモしておくことが大切です。　　・　初校では、 ・・・ を必ずチェック　　・　ノンブルとは、 ・・・ のこと　　・　見返しとは、 ・・・ のこと　　・　他書からの引用を載せるときは、 ・・・ をすることが必要なんて感じでもよいと思いますが、自分だけのノートを作って、そこに忘れないように記しておきましょう。　こうすることで、例えば先輩から初校を渡されて　「頼むよ」　と言われたら、作業に入る前にまずノートを開いて手順を確認するということができるわけです。　　何冊も何冊も本を作っていくうちに、必要なことは自然に身に付いていきますが、この覚書ノートがあると、身に付くスピードもグッと速くなると思います。　

  2006.01.20

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• 会話に耳を傾けてみましょう

  　皆さんが入社した初日からすぐに気が付くことは、　周りの先輩方が印刷所の営業担当者などと話をしているときに、　「一体何のこと？」　と感じるような専門用語がたくさん飛び交っていることだと思います。　　　一度でも編集の専門学校に通ったことがある人は別にして、普通の学校を卒業して入ってきた人にとっては、これはごく自然なことであって、　「何のことだろう」　と疑問に思うことは、とても大切なことなのです。　“新人なので”　という言い訳ができる入社してしばらくの間は、大いに、周りでやり取りされている会話に耳を傾けてほしいと思います。　そして、初めて聞く言葉を耳にしたら、まずはその言葉を自分で編集関係の本で調べてみて下さい。　その後で、周りの先輩方に改めてその言葉の意味を聞いてみましょう。　忙しく働いている先輩方も、きっと優しく教えてくれることと思います。　正直いうと、仕事の最中に周りの会話に耳を傾けているようでは困ることではあるのですが、会話を聞くことも大切な仕事の一つだと私は思っています。　駆け出し編集者の皆さんに、先輩方が手取り足取り教えてくれることはまずありません。　周りで飛び交う会話から学び、そして、先輩の編集技術を目で見て盗んで学ぶ、といった修行の日々が始まります。

  2006.01.17

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• 自社の出版物をしっかりと覚えておきましょう

  　就職活動中は、入社したい出版社の図書目録やホームページに何度も目を通していたと思います。　でも、夢叶ってその出版社の社員となることが決まった今は、自社の出版物を覚えていかなければいけません。　編集部に採用ということが決まった人でも、社によっては、入社してしばらくはいろいろな仕事を経験させようということで、営業部の人と一緒に書店回りを命じられることもあります　（もちろん、日頃から編集者が営業の仕事も掛け持ちするという社も多くあります）。　　また、たとえ営業の仕事を命じられることがないにしても、新人のうちはかかってきた電話に積極的に出ることが仕事の一つとなることが多く、書店や取次、あるいは読者や著者の方からの電話をとるということが多くなります。　そのときに、自社の出版物を把握していないと、注文や問い合わせがあったときにシドロモドロになってしまって、きちんとした応対ができなかったりするわけです。　さらに悪いことには、著者の名前が頭に入っていなかったために、自社の大切な著者からの電話に素っ気無い態度をとってしまったり、などなど ・・・。　社員となったからには、これからは読者ではなく商いをする側に回ったのですから　（もちろん、広い目で見れば、自社の本の読者であることには変わりないのですが）、　自社の出版物に対する知識をしっかりと身に付けておくことが大切です。

  2006.01.14

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• 挨拶はコミュニケーションの基本です

  　社会人として、挨拶を交わすことは基本中の基本です。　人と人の最も基本的なコミュニケーションである挨拶がきちんとできないようでは、社会人として失格です。　私の周りにも見られるのですが　（幸いと言っていいのか、編集部にはいませんが）、入社して間もない頃は朝夕の挨拶をきちんとしていたのに、いつの間にか、「おはようございます」　の挨拶もなく自分の机に着き、帰りは　「お先に失礼します」　の一言もなく黙って退社する新人君。　　たぶん、この新人君には普段からきちんと挨拶を交わすという習慣が備わっていなかったのでしょう。　入社して間もない頃は、マニュアル本で読んだ挨拶の仕方などが頭にあったのでしょうが、緊張感が解けた今は、彼の素の姿があらわになったということでしょうか。　編集者の仕事は多くの人と接する仕事であり、人と人を結んでいく仕事でもあるわけです。　著者と上手にコミュニケーションをとっていくことも大切ですし、たった一言何気ない挨拶を交わしたことをきっかけにして、将来の著者となる人と縁が生まれることもあるわけです。　もし、普段の自分を振り返ってみて、　「人から挨拶をされることがあっても、自分からは挨拶をしないことが多い」　と思うようであれば、いまからでも遅くはありません。　これからは自分から積極的に挨拶ができるように自分自身を変えていくことが大切です。

  2006.01.11

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