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2013年02月08日
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テーマ:ニュース(99432)
カテゴリ:国際ニュース
 核実験の準備を進めている北朝鮮国内で、非常戦闘訓練に動員された兵士が住民の食糧を強奪し、これに対する不満の声が住民のあいだで高まっている。北朝鮮内部への取材で分かった。

 北朝鮮政府は現在、核実験の準備と並行し、戦闘動員準備態勢を発令するなど、内部の緊張状態を段階的に上昇させており、住民の移動や路上での商売を禁止する住民統制も実施している。これにより、住民の生活苦が一層深刻になっているとされる。

 こうした中、非常戦闘訓練に動員された兵士らが、周辺の一般家庭に侵入し食糧や燃料を強奪する事例が起きている。

 北朝鮮の北部・両江道恵山(ヘサン)市に住む消息筋は5日、デイリーNKとの通話で「戦闘動員準備態勢により動員された軍人が、防御陣地や坑道で野営しており、最近は『教導隊』や『労農赤衛隊(いずれも予備隊の位置づけ)』も訓練に投入されている。だが、彼らに対する当局の配給が無くなる中、防護陣地の農村に侵入し、燃料をはじめ食糧、副食物などを強奪している」と明かした。

 さらに、同消息筋は現地の様子を次のように紹介した。

 「当局は戦時状態だとして移動を統制し、路上での商売を取り締まっている。住民は食糧と燃料の確保に苦心している。軍人や教導隊、労働赤衛隊員らは夜中になると外に干してある野菜を盗み、垣根まで燃料用に抜いていく。非常措置により生活がさらに厳しくなり、住民は『敵軍の砲弾に当たって死ぬ前に味方の直撃を受けている』と話している」

 「軍用の木炭車(木炭などを燃やして走る車、一部で使われている)を運転する兵士らは、『戦時』にかこつけ、『燃料が足りない』と市場の木材業者から、木材をタダで持って行き『統一兵士が現金を持っていると思うのか。祖国統一を成し遂げた後に支払う』と言っては強奪まがいのことをしている。訓練中に腹をすかせた軍人が周辺の住民宅に押し入り、『将軍様の兵士が空腹で人民を訪ねてきた。支援願う』と無理強いをする若い軍人もいる」

 このような状況のため、住民は軍人の姿を見かけると家に鍵をかけ、食糧はもちろん、鶏や犬などの家畜も家の中に隠すほどだという。

 軍人による強奪に対し、保安員(警察)たちも見てみぬふりだ。住民が通報しても該当部署の幹部たちは「非常事態であるため、生活上の不満や不都合は我慢しなければならない。苦労する軍人を助けるのが正しい態度」と、開き直っているとこの消息筋は伝える。住民は被害を訴える術がなく、泣き寝入りの状態という。

 強奪事件が頻発する中、一部地域では暴力沙汰も発生している。消息筋は「米帝(米国の呼称)や南朝鮮(韓国)との戦争ではなく、百姓と軍隊が食糧をめぐって戦争をしている。非常事態が早く解除されない限り生活は安定しないだろう」と嘆息した。





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最終更新日  2013年02月08日 14時43分13秒
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