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オペラの演出の世界では、ご承知のように「読み替え」が流行。
どうやらダンスもそう?と思わせられる公演を、体験してきた。 熱狂的なファンを持つ、大島早紀子さん主催のコンテンポラリー・ダンスのグループ、「H・アール・カオス」の公演である。 公演といっても、クラシックコンサートとの「コラボレーション」という形態で、大友直人氏指揮する東京フィルが伴奏?するという、贅沢なもの。 新制作だという、バルトークの「中国の不思議な役人」、2005年に初演されて絶賛を博したという、ラヴェルの「ボレロ」がダンスつきで上演された。(ほかに、武満徹のブラスの作品が、オケだけで演奏された) 会場の東京文化会館はほぼ満員だったが、これはコンテンポラリー・ダンスではめったにないことだそう。 最後に上演された「ボレロ」の後は、かなりのひとがスタンディングオベーションをしていた。 私はもちろんダンスは素人だが、このグループは昨年、二期会の「ダフネ」の演出をし、印象に残っていたので、興味があったのだ。 「ダフネ」は、平板な、あるいは動きのない演出では、よほど演奏がよくないかぎり苦しいのでは、と思っていたので、「H・アール・カオス」のダンスとブレンドした演出はとても成功していた、と思う。 とくに惹かれるのは身体能力の高さ。プリマの白河直子をはじめ、メンバーの運動神経?(体のやわらかさ)の高さには、観ているだけで快感を感じてしまう。 人工的な感じもするクラシックバレエとは、そこが違う。 個人的には、観客が沸いていた「ボレロ」より、「中国の不思議な役人」のほうが、ストーリー性がある分面白かった。幕間の解説で、このグループの特徴とされていた「妖しい」感じも、よく出ていたし。 ところで、「中国の不思議な役人」は、バレエ(正確にはパントマイム)として作曲されているが、振り付けつきで見たのは初めて(やはり幕間の解説によると、めったにやらないらしい)。 ならず者に脅かされた少女が、3人の男たちを誘惑するスキャンダラスな筋書きを、舞台の上で観るのはどんな感じか、楽しみにしていた。 ところがとくに前半は、ストーリーに忠実というより、やや抽象的。 かならずしもひとつの役柄をひとりが踊るわけでもないし・・・ オペラでおなじみの「読み替え演出」を思い出してしまった。 ダンスも、そういう時代なんでしょうね。きっと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
February 29, 2008 11:52:10 PM
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