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加藤浩子の La bella vita(美しき人生)

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February 1, 2019
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METLVの「NYオペラナイト」@新宿ピカデリーに行ってきました。
 
 6日から公開になる「椿姫」の先行上映でしたが、METにいる雰囲気を味わってもらおうとMETの写真を出したり、「椿姫」にちなんで椿の花をかたどった「カップケーキ」がおまけについたり、積極的に「ブラボー」を叫んでもらおうと、冒頭でオペラ通のアナウンサー、朝岡聡さんの登壇があったり、いろんな工夫がありました。聞き手を巻き込み「ブラボー」の練習をさせてしまう朝岡さんの話術はさすがです。
 「椿姫」、マイケル・メイヤーの演出による新制作で、今シーズンのハイライト演目。ダムラウ、フローレス、ケルシーという豪華主役陣に、METの新音楽監督ネセ=ゼガンの指揮。力入ってます。とくにダムラウの演唱は最高でした。詳しいレビューはライブビューイングのメルマガに書いたので、ひとつだけ気づいたことを書きます。
 ダムラウ、ヴィオレッタは今や彼女のシグネチャーロールだし、世界最高峰のヴィオレッタだと思うのですが、その理由のひとつは、ヴィオレッタへの深い共感です。どの幕も心揺さぶられますが、昨日の発見は、第2幕のジェルモンとの二重唱で、「家族も友達もいない」と歌うところの孤独、絶望感の凄まじさでした。これは、ヴェルディの当時の恋人で、彼と同棲していて、過去の男性遍歴ゆえに周囲の非難にさらされていたストレッポーニも感じていた孤独と同じではないだろうか、と思ったのです。ストレッポーニもまさに村八分になっていて、厳しい境遇にありましたからね。彼女は母や妹もいたし、私生児の子供(ヴェルディの子ではない)もいたけれど、離れて住んでいたし、ふだんはヴェルディ以外はまったく付き合いがなかったと思う。もともと社交的なひとだったと思うので、すごく孤独感を感じていたのではないでしょうか。
 ダムラウはストレッポーニのことを思っている、それを確信したのは、その後ダムラウがインタビューで語っていた言葉。「この作品はヴェルディの境遇と共通している部分があって、彼自身共感して書いていた」みたいなことを言ったのですね(はっきり発言を覚えていなくてすみません)。それをきいて、あ、ダムラウはちゃんと当時のヴェルディのことを調べて、理解した上で歌っているのだな、と思ったのです。もともと技術も表現力も素晴らしい歌手が、背景もきちんと理解して自分のなかで消化して歌うと、また何段もステップアップするのだ、そう思えたのでした。
 「椿姫」公開は6日からです。詳細は以下から。
 
 「椿姫」





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最終更新日  February 1, 2019 07:58:52 AM


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