|
カテゴリ:音楽
新潟で古楽フェスを楽しんだ翌日は早朝に東京へ。鈴木秀美さんのガットサロンを聴きに行くのが主目的ですが、時間に余裕があったので先発のbalaineが宿泊したオークラホテルで合流、隣接する大倉集古館を見学にいきました。
この日の展示はこちら これはもう目で聴く日本の古楽でしょう! 描かれた楽器を見ているとリュートと琵琶、龍笛とトラベルソは似ていますし、見た目はチョット違いますが笙とパイプオルガンは基本形が一緒で音色も近い、これまた全然違うけど大正琴だってクラヴィコードと親戚(?)と思えないこともない。「古楽」と言うと遠い異国の別世界のいにしえの楽器を奏でているように思いますが、こうやって繋がっているんだな~と、とてもおもしろかったです!! ちなみに大倉財閥の創始者大倉喜八郎氏は新潟の出身というのも何だか勝手にご縁を感じてみたり(笑)。 ところで「オークラウロ」ってご存知ですか?私はここに来るまで全く知りませんでした。 考案した2代目総帥「大倉喜七郎」の姓と縦笛の「アウロス」を足して「オークラ・アウロス」転じて「オークラウロ」となったこの楽器、尺八を改良してより普及させたい、西洋楽器にひけをとらぬものにしたい、との願いが込められていたものの今やほとんど忘れられた存在。しかし現在わずかながらも愛好者がおり、プロの尺八奏者によって演奏会なども催されているようです。 以前テレビ「題名のない音楽会」で「絶滅危惧楽器」を取り上げたことがありますが、チェンバロ製作家の久保田さんとお食事をした時にその話題になり、ニコニコ笑顔で言われていたことを思い出しました。 「必要とされない楽器は絶滅しちゃっていいんです。でも、それが素晴らしい物ならいつの日か必ず復活しますから。チェンバロだってズ~っと長い間忘れられていたんですよ。」 思いがけず立ち寄った大蔵集古館ですが、とても興味深い展示の数々に大満足でした!! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[音楽] カテゴリの最新記事
存在は知っていましたが、名前は忘れていました(^_^;;;
19世紀に欧米の楽器が入ってきたとき、和楽器を改良しようとした試みのひとつですよね。ベーム式のキーシステムは、1)音色の均一化、2)指使いの単純化、3)すべての調への対応、のために作られたシステムです。しかし、尺八にとって、そのどれも意味がありませんから、オーケストラ楽器として使わない限り、存在理由はないでしょう。でも、どの時代でもいろいろな楽器が発明されては消えて行きましたから、特に珍しいことではありません。 明治の人にとって、尺八はモダンフルートに比べると原始的に見えたのかもしれません。が、それはまったくの間違いです。尺八は世界で最も表現力の高いフルートだと、私は確信しています。昔、F.グルダも「フルート演奏に感動したことはないが、尺八演奏には感動した」とどこかで書いていました。 追加ですが、リュートと琵琶、龍笛とトラヴェルソは、似ているのではなく、まったくの兄弟です(同起源)。笙も西洋のオルガンと同じく紀元前からある楽器ですが、大昔からフリーリードのリード管です。欧州では19世紀初頭にアコーディオン、ハーモニカが発明されるまで、なぜかフリーリードは使われませんでした。管楽器もオルガンのリード管も、すべてビーティング・リードです。 (2011年09月14日 14時15分36秒)
題名のない音楽会の、絶滅危惧楽器、けっこう楽しいでやんすね。いつも見ているでやんす。
チェンバロも忘れられていたなんて、知らなかったでやんす。 チェンバロって、弦をひっかいて音を出すんだけど、ひっかくときに早くひっかいて、そっと爪を置いてとか、そっと引っかいて早く爪を置いてとか、いろいろあるって、ずっと昔、武久源造さんの特集やってた番組で見たでやんす。 あ、見たのはおやじちゃんでやんす。あっしゃしましまでやんす。 (2011年09月14日 20時34分39秒)
MrBach1954さん
さすがにいろいろな楽器に精通されていらっしゃいますね。 私にもこのオークラウロ自体が現代に復活、普及することは難しいように思われましたが、最近「尺八」そのものはCMなどいろいろなところで耳にするように思います。 7月には「古武道」(尺八、チェロ、ピアノの男性グループ)のコンサートに行きましたが、とても楽しかったです。尺八って心にしみるな~っと思いましたし。 いわゆるイケメン&美女の邦楽奏者も増えて新たな方向性で売り出しつつ、邦楽そのものの良さを伝えようと努力しているように思います。 (2011年09月15日 10時50分34秒)
つよQさん
題名のない音楽会、ご覧になってらっしゃるんですね~。 それに、武久源造さんの特集番組も記憶されているなんて何だか嬉しいです~。 武久さん、私も大好きなチェンバリストです。コンサートなどに行ったことがないのが残念ですが、CDを繰り返し繰り返し聴きました! そうそう、チェンバロもずいぶん長い間忘れられていた絶滅危惧楽器でした。ワンダ・ランドフスカという女性奏者が歴史的なチェンバロを改造した「モダンチェンバロ」を演奏をしたこで大反響を呼び、やがてチェンバロそのもの良さが再認識され、今は歴史的なチェンバロが主流になったんですよ~。 あ、すみません、マニアな話になってしまいました~f^-^; (2011年09月15日 11時11分27秒) |