生きるため。
バンコクの天候 晴れ 気温25℃ I LOVE MONEY さて、件のタニヤ嬢に客について尋ねてみた。 ---いいお客さんって? ---お金持ち。 --- ・・・・・・。 なるほど・・・イケメンでも優しさでもない。金持ってる男か。 ---嫌な客は? ---ケチな男 なるほど・・・あくまでも金かぁー。 いやぁー恐れ入るほど彼女は徹底しておりました。 愛は要らない金を呉れぇ・・・みたいな。 ある意味爽快感すらある。 あの美貌と可愛さは若い頃からであったろう。きっと男からも ずっとずっとチヤホヤされ続けてきたに違いない。 それがある時から、家族のために働かねばならない。それも普通 の稼ぎでは足りない。 体を売る決心をした彼女。 そこにどんな想いがあったのだろう。 こんなことを詮索するのは野暮で日本人のエゴであるかもしれな い。 そうするしか仕方なかった。 ただ、今の彼女の氷の様な心は、幾重もの涙が固まったものだろう。 それゆえに、彼女が言うことに関して、まったくといっていいほど 憎らしさが無かった。 (エッチしないで良かった) そう思ったけど・・・本当は、することをして、お金を稼がせてあ げれば良かったのかとも思う。 かっこつけて、 OFF有りの女は抱かねぇー。 こんな風に思っていた自分は、かっこ悪い男 なのかもしれない。 彼女達に何を求めようとしたのか・・・。 心を殺した彼女達に求めるものは、一夜限りのSEX。 それだけで・・・いいのかもしれない。 彼女に出会い、またタニヤへの足が遠くなった気がする。 生きるために必死な彼女達には非はないだろう。 ただ・・・何とも言えぬ思いが駆け巡っていった一夜であったのは 間違いない。 そんな彼女であるので、トラブル(お客さんとの)も絶えないよう であったが、例え今の店をクビになっても何処でも働けるし、全然 問題ないっ・・・って笑い飛ばしていた。 時折見せる、笑顔が・・・本当のソレであるとだけ願った俺。 うむぅ・・・まだまだ修行が足りんなぁー。 。。。。。。。 無言で 。。。。。。 無味に 。。。。 そんな風に彼女の背中を見つめながら、特殊な街「タニヤ」を後に した。