青狸と空魔女と全員集合
久しぶりに劇場に足を運びましたのでその感想を垂れ流していきたいと思います。見たのは「映画ドラえもんのび太と奇跡の島アニマルアドベンチャー」「ストライクウィッチーズ劇場版」「映画プリキュアオールスターズNewStageみらいのともだち」の3つです。それぞれ、ネタバレ満載の簡易感想になりますので以下から反転でご覧ください。------------------------------------------------- 「映画ドラえもんのび太と奇跡の島アニマルアドベンチャー」はドラえもんの劇場版シリーズとしては第32作目、新ドラとしては第7作目となります。 今回の映画は主に二つのパートに分けることが出来ます。パパとの約束を軸とした日常パートと、奇跡の島を舞台にした冒険パートです。こういった趣向は例年通りといえば例年通りなのですが、今年は特に強調されていたように思います。特に日常パートの浸食が冒険パートの時間短縮につながっています。 公開前の予告編を見た所感では「太陽王伝説」のオマージュなのかなと考えていましたが(タイムホール、のび太そっくりの少年、異民族など)ふたを開けてみれば「ロボット王国」のオマージュに近いなと心象をかえることとなりました。以下の点においてです。・ゴンスケの登場・野沢雅子女史の再登板・家族というテーマ性の強調・攻撃的な道具を使わずに事態を解決しようとするetc... 前年に引き続き、ヒロイン役は本職声優がつとめています。水樹嬢がつとめたキャラはまさかのボクっ娘でした。Fヒロインでは時々出てきましたが、近年のゲストキャラではあまり見かけないタイプだったのでそれなりに新鮮でした。また、今回は女性陣の描写に力が入っており、前年にはなかったしずかのお風呂シーンやロッコロガールズというモブにしておくにはもったいないキャラデザのモブキャラが登場したりと女性陣の充実が印象的でした。 戦闘シーンは前作の揺り戻しか控えめでしたが、演出としてとあるシーンでコエカタマリンの二段攻撃による飛行ロボットの撃破シーンは見事だな、と。造形も見事だっただけに、余計にラスボスのしょぼさが引き立った感は否めませんが。 自分はドラ映画は劇場でしか出来ないこと(具体的にはひみつ道具の大盤振る舞い等)をやってほしく、テーマ性を前面に出してきた今回は個人的な好みの範疇に入る映画ではありませんでしたが、十分見応えはあるかと思います。来年は個人的に大ファンの寺元監督が初めてのオリジナルに挑戦するようなので、とても楽しみです。------------------------------------------------- 「ストライクウィッチーズ劇場版」は人気TVオリジナルアニメの劇場版です。自分はTVシリーズは未見で視聴しました。周りの観客が男ばっかりだったので大変むさ苦しかったです。人のことはもちろんいえません。それにしても自分のいる地域では本放送はなかったのですが、ほぼ満員でした。すごい人気だと改めて実感した次第です。 内容自体は芳佳が欧州留学に行くこととなり、その道中でネウロイに襲われ、再びウィッチーズとして戦うこととなる、という一行程度に表せる筋立です。しかし、優れた文学作品ほどあらすじはシンプルになるという法則にのっとってか(違います)大変叙情性に優れた作品だったかと思います。 ことあるごとにこれでもかと繰り返されるズボン描写。特撮も顔負けの息もつかないほどの空中戦描写。少女と重火器というアンビバレンツが繰り出す背徳感と昂揚感。TVシリーズでの彼女たちの活躍を知らない自分もネウロイの攻撃に倒れた芳佳のために無線に叫び続ける服部ちゃんとそれに答えた501の面々の場面からは号泣しっぱなしでした。 上で特撮顔負けと書きましたが、今回の映画は個人的にガメラ2とガメラ3を強く想起させました。なぜこの二つなのかというと、思い出補正が強いという以上に理由はないのでそこはご勘弁して頂きたいのですが、地中から現れ、大量の空中部隊を繰り出すネウロイにレギオンを、そしてラストのミーナの台詞にガメラ3のラストを強くフィードバックさせたのが一因でしょう。最も前者に関しては、レギオンの侵攻モチーフが軍隊であり、ネウロイもまた同じモチーフをとっているということで、ラストの引きもこの手の作品にはよくあることといってしまえばそれまでなのですが。 ラストでつづく、という文字が現れましたが媒体が劇場であるとは必ずしも限らないと思います。いずれにしろ、仮面ライダーダブルの最終回のごとくこれで一度閉じた世界を再び活用することが出来るようになったため、今後も様々な展開をしていくものと考えられます。 おそらくストライクウィッチーズという作品そのものにいえることなのでしょうが、本編視聴者はもちろん、特撮、軍事関連に造詣の深い人にも一度見てほしい作品かと思います。続編も楽しみです。------------------------------------------------- 「映画プリキュアオールスターズNewStageみらいのともだち」はプリキュアオールスターズシリーズの第4作目ですが、プリキュア同士の面識以外に前作とのつながりはないため、独立したお祭り映画として考えて良いと思います。 オールスターズシリーズはDX2DX3のみ視聴していましたが、今回は監督が違うということもかなり大きかったのか前作までとは方向性を大きく違えた作品となっています。その中で最も顕著に表れたのが残念ながらMH~5gogoのプリキュア勢がモブキャラと化して台詞を発しなかったことでしょう。そしてその分、スマイルとスイートのメンバーの交流にスポットがあたっているかというとそんなことはなく、劇場版ゲストキャラであるあゆみちゃんとフーちゃん(フュージョン)の交流がほぼメインといって良いと思います。 DXがその名の通り拡大版、お祭り騒ぎとしての側面を強めた映画なのだとすると、今回はむしろクロスオーバーそのものより、仮面ライダーnew電王や「超決戦ウルトラ八兄弟」などのようにゲストに焦点をあてることでプリキュアという作品に新しい見地を与えるものであったのだろうと予測しています。 なぜこのような構成にしたかという背景には一つには東映作品でのクロスオーバーの過剰供給があると思います。近年はディケイドやゴーカイジャーのようにクロスオーバーを前提とした作品も多いです。つまり、クロスオーバーそのものを目玉にするのは難しくなってきたと考えられます。ましてや、プリキュアはDX3で一度、オールスターズは終了すると宣言されていた作品です。これを延命するために行った裏事情は関係者一同清濁合わせた様々な感情があるかと想像します。 細かい点でいうなら、スマプリ勢のほぼ初といってもいい肉体言語…ではなく超作画肉弾戦が見られたことが大変収穫でした。TV本編では未だ(第7話現在)本格的なチームプレイも肉弾戦も行われていないので、大変新鮮に感じました。必殺技を一発しか出せないという弱点をどうカバーするか注目していましたが、そもそも一発づつしか撃ちませんでしたし、体力が大幅に削られて、後の戦闘で不利になるという描写もなかったため、そういった弱点を克服した後(もしくは省略されるぐらい話数が進んだ段階)の5人が描かれていたのだろうと思います。 新プリキュアのキュアエコーは残念ながら必殺技らしい必殺技を撃たず、フュージョンの説得による浄化にとどまりました。仮面ライダーNEW電王のように劇場版限定のゲストとなってくれるといろいろうれしかったのですがラストから考えると再登場はなさそうな気がします。 プリキュアオールスターズシリーズではありますが、むしろプリキュアとはどういう存在なのかよくわからないでいる人(要するに外野)にお勧めかと思います。 atやよいちゃんの変身シーンにはいつもどおりぴかりんじゃんけんがありますが必ずパーを出してください。必ず勝てます(ぇ