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カテゴリ:愛読書
うつくしい人 99.うつくしい人 他人の苛立ちに怯え、細心の注意を払いながら重ねていた日々を自らぶちこわしにした百合。会社を辞め、「ただの旅行」で訪れた島のリゾートホテルのバーにいたのは、冴えないがゆえに百合を安心させるバーテンダー坂崎と、暇を持て余す金髪のドイツ人、マティアスだった。美しい瀬戸内海の離島、そこしかないホテルで不思議に近づく三人の距離。地下には、宿泊客が置いていく様々な本が収められた図書室がある。本に挟まっていたという一枚の写真を探すため、ある夜、三人は図書室の本をかたっぱしから開き始める─。会社を逃げ出した女、丁寧な日本語を話す美しい外国人、冴えないバーテンダー。非日常な離島のリゾートホテルで出会った三人を動かす、圧倒的な日常の奇跡。 誰でも他人の目って多少は気にするものだと思うけど 主人公の女性はまるで思春期のままそのままに大人になってしまったような 繊細さの持ち主で、それは家族の影響なんかもあるんだけど 読んでいてなんて自ら生きにくくしてしまっているんだろうって印象。 そんな彼女がぷつんと糸が切れたように会社をやめて旅立ったのが 島のリゾートホテル。 そこで出逢った二人の男性によって少しずつ前向きに再生していく物語。 不器用なバーテンダー坂崎の過去が何だか意味深で気になります。 でもそこに触れないのがこのホテルの良いところ。 そしてホテルに置いてかれた本で作られている図書室っていうのは ちょっと素敵だなあって思いました。 そんな場所があったら是非訪れてみたいなあ・・・・。 残念だったのはお姉さんと向き合う場面がなかったこと。 主人公の彼女は前向きさを取り戻しかけているけれど お姉さんが変わらぬままっていうのはちょっと寂しかった。 二人が対峙してそして二人の新しい旅立ちの場面を読んで みたかったなあっていう気がしました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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