三木義一『給与明細は謎だらけ』
タイトルをそのまま受け取ると、何やら給与明細自体に謎があるみたいな感じになってますが、そうではなくって、給与明細を受け取っているサラリーマンの皆さんは、給与明細に書かれていることの意味がよく分かってないでしょ、ってことのようです。まあ、今時の新書ならではのタイトルですね。ということで、給与明細に記載されていることについて、その内容をひとつひとつ解説していくというスタイルの本です。サブタイトルが「サラリーマンのための所得税入門」となっていますが、確かに、サラリーマンにとっては、ただ単に税法の解説をされたり、自分と関係のない制度をあれこれ説明されても興味を持ちにくいでしょうから、こういうスタイルはいいんじゃないですかね。スタンスとしては、源泉徴収+年末調整によって税に対する関心から引き離されてしまっているサラリーマンに対して、もっと関心をもったほうがいいよ、という感じで進んでいきます。文章は具体的な数字をあてはめたりして分かりやすいので、非常に読みやすいと思います。