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カテゴリ:読書 ノンフィクション
日本のサッカーを見た後に、ヨーロッパや南米のサッカーを見ると決定的に違うなというのは、シュートへの執着ではないでしょうか?
もちろん、他にも日本人は足りない部分は多々ありますが、攻める姿勢については、日本ほどもどかしく感じるチームはないと思えます。 なにしろ、シュートを撃って点を決める事を一番求められるポジションで代表として選ばれる選手の中に、「急にボールが来て」あせってしまうという発言をするようなのがいるのが、日本ですからね。 そういった日本のサッカーについて、単純にストライカーがいないというような事に収めないでサッカー全体として扱っているのが本書になります。 著者は、サッカーのコーチですが、選手時代にはドイツに留学経験があります。 そこで体験した事がベースとしてあり、体験談から実例をひっぱってきて、どういう時に、どういう行動をして、ボロカスに怒られ、日本での考え方のギャップに行き当たり、そこから学び取り、サッカーで重要な事はこういうことなんだと説明しています。 体験談が多いので、多少読むほうとしては好き嫌いが出るかもしれませんが、成功体験を自慢げに連ねているのとは違い、むしろ失敗体験から、個人の失敗と日本の問題点が浮き上がるように構成されているので、すっきりとした形で入ってきますね。 キーワードとして何度も繰り返し出てくる言葉があるのですが、それを最初に提示しているのですが、その中で個人的に興味深く感じたキーワードを羅列してみたいと思います。 勝負はボールがないところで決まる クリエイティブなムダ走りが優れたサッカーのバックボーン 優れたサッカーは有機的なプレー連鎖の集合体 組織プレーと個人プレーのバランス 他にもまだまだあるのですが、バランス感覚と責任感こそがサッカーには必要であると行き着くかもしれないですね。 いわゆる戦術的な話を期待する人には薦めませんが、サッカーにおいて個々人はどういう気持ちでプレイーしなくてはならないであるとか、心理面を中心に書かれていながら、単純な根性論に帰結する事がないというので、面白く読めるものだと思えますね。 日本人はなぜシュートを打たないのか? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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