ちずらぼのちずらぶ

22日の22時8分頃、長野県北部を震源とするM6.8の地震が発生した。震源の深さは10kmと浅く、長野市の戸隠と鬼無里、小谷村、小川村で震度6弱、の揺れを記録した。23日0時発表の気象庁の解説はこちら。
東京都内でも緊急地震速報からしばらくして震度2の揺れを観測、震度2ながらも周期の長い揺れで天井から下がっている蛍光灯の鎖が大きく左右に揺れたほどだった。

現時点で詳しい被害状況は分かっていないが、長野県白馬村で住宅などの建物が倒壊し人が下敷きになっていた（救出された模様）他、大町市では花火を打ち上げるための鉄塔が倒壊したとの情報もある。
また、小川村では「鳥立」と「芋ノ沢」の２か所の地区の村道で、斜面から落ちてきた石が道路をふさいでいるという（ちなみに「トリ」「イモ」は拙著『地名は災害を警告する』でも取り上げている崩壊地名。「イモ」は2004年新潟県中越地震で河道閉塞が相次いだ芋川が記憶に新しい）。

夜中でもあり、被害の状況がはっきりとつかめないため予断を許さない状況。
内陸山間地での直下型地震は2004年新潟県中越地震や2008年岩手県内陸地震がそうであったように、地すべり等土砂災害が多く発生する可能性があり、それに伴う河道閉塞の恐れがある。
この地域の最大河川である姫川の水位が小谷村の「雨中」観測局で地震前より約30cm低下しているのが気になるところ。上流や支流で河道閉塞が発生している可能性は否定できない。ちなみに上流の白馬村「天神宮橋」観測局では水位が地震以降緩やかながら約10cm上昇しているが、両観測局の間には姫川第二ダムがあるため現時点で単純に閉塞が原因ともいいきれない。

また、今回大きな揺れを観測した地域は過疎地でもあり、土砂崩れ等で道路が塞がれた場合に集落の孤立も心配なところ。連絡手段の確保は急務になる。
とにもかくにも各種インフラの状態も含めた地域全体の状況把握が待たれるところ。実際問題としては夜明けを待つことになるのだろうが。今は被害が拡大しないことを願うのみ。